為替相場とビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)の関係性

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為替相場ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)の関係性について説明します。

為替相場が仮想通貨に与える影響するような相関関係はあるのか、又、円安などが儲けに与える影響についても解説します。

その他、ドルベースで分析した方が良いこと、FXなどの為替取引と仮想通貨で税金計算上の損益通算できるのかも説明します。

みお

円安や円高って、仮想通貨の相場に影響するんですか?

タクミ

為替と仮想通貨の関係って、あまり論じられることはないかと思いますので、この記事で説明しますね。

目次

自国の法定通貨の為替相場が下がるとビットコインの購入者は増える?

自国の法定通貨の為替相場が下がると、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨の購入者は増えるのでしょうか。

法定通貨、つまり日本で言えば日本円の価値が下がって円安になった場合において、ビットコインなどを購入することで、価値の保存をしようとする人が増えることは考えられます。ロシアとウクライナの間で戦争が起きたタイミングでも、ビットコインに資産を非難させた人はいるでしょう。

そういった意味では、為替と仮想通貨に関係はあり、為替が仮想通貨相場に影響を与えると言えますが、一体どの程度の影響を及ぼすのでしょうか。

ビットコインはデジタルゴールドと表現されることもあり、ゴールド(金)と同じように、リスクのある局面で逃避先の資産になりうるのですが、実際にゴールドと同程度の評価を受けているかといると、まだそうではありません。金は法定通貨と反比例する傾向が強いですが、ビットコインはそのようにはならないことも多いのです。

自国の法定通貨が急速に安くなる局面においても、やはりゴール後が資産の逃避先として選択され、時価総額もゴールドよりも小さいビットコインは、まだまだゴールドほどの影響は受けないと考えられます。

つまり、円安に急激に進んで、日本円の価値が落ちた場合にビットコインへの投資が一気に増えるかというと、必ずしもそうではないのです。

ただ、米ドルについて、ドル高が進むとビットコインのチャートの価格が下がり、反対にドル安が進むろビットコイン価格が上がるという傾向は2020年に見られたので、相関関係が全くないということではありません。

今後ビットコインの時価総額が更に大きくなっていくと、資産の逃避先として選択される傾向は増えていくと予想できますし、その場合には法定通貨の価値がビットコイン価格に影響を与える機会も増えていくのではないでしょうか。

ちなみに、ビットコイン自体を自国通貨としているエルサルバドルや中央アフリカのような国もありますね。

為替相場は日本円による利益に影響を与えるので注目が必要

円安や円高など、日本円の為替相場がドルベースのビットコイン市場に与える影響は小さいだろうとは思いますが、仮想通貨(暗号資産)の取引を行う時は、為替相場にも是非注目しておきたいところです。

ここでは、仮想通貨取引において、円安になった場合のメリットとデメリットに関して、説明したいと思います。

なお、ここで説明する円安や円高といった為替のメリット・デメリットは、NFTFTの売買をする場合にも同様だと言えます。

仮想通貨取引における円安のメリット

円安になるということは、円の価値が下がるということであり、対米ドルで円安になるということは、1ドル110円だったものが、1ドル140円になるといった状態です。

110円で1ドルを買えたのに、140円支払わないと買えなくなったということで、対ドルに対して、相対的に円の価値が減少した状態です。

ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨のチャートを世界の投資家が見る時は、ドルベースで見ていることが多く、ドルベースで買い場や売り場を判断しています。日本の投資家でも、仮想通貨取引に慣れてきている人はドルベースで見ているでしょう。

ビットコインの相場がドルベースで変化しない場合において、円安に振れた場合には、その時点で売却した場合には、1ドルで手に入る日本円が多くなっているので、日本円ベースでの価格は上がっていることになります。この点は、円安のメリットだと言えます。

急速な円安局面では、ドルベースでのビットコイン価格は落ちているのに、日本円だと価格が上がっているという状況にもなるのです。

ただし、自国の法定通貨の価値が下がるということは、自国では輸入品の値段が上がったりして物価が上昇している可能性があるので、必ずしも得しているとは言えないかもしれません。それでも、このインフレのことまで考慮しないのであれば、日本円ベースの受取額が大きいと、した気持にはなる人が多いのは事実でしょう。

みお

ドル建てでビットコイン相場を見ている場合、円安だと売却して日本円に交換したときに、より多くの日本円が手に入るから嬉しいですねっ

タクミ

そうなんだ。でも実際に日本国内の物価も上昇している場合は、円自体の価値が落ちているとも言えるので、一概には喜べないのですけど、日本円のまま持ち続けるよりは、価値の保存という意味では良かったと言えるかもしれません。

仮想通貨取引における円安のデメリット

円安になると、1BTCの価格は日本円ベースでは高くなります。

したがって、ビットコインを購入する局面においては、円安の方が不利であると考えられます。一方で、円高になっている場合には、ビットコインを安く買えたことになります。

ビットコインの価値をドルベースで考えている人にとっては、ビットコインの価値は変わってないのに、日本円での購入価格は上がるので、円安はデメリットに感じるのではないでしょうか。

毎月ドルコスト平均法で積立投資している人は、長期目線で投資しているので、できるだけ安く仮想通貨を買いたいという考え方をする傾向がありますので、円安になると、なんだかした気分になってしまうかもしれませんね。

毎月500ドル分のビットコインを買うと決めてる人は、円安となった月は支出が大きいなと感じるのではないでしょうか。日本円ベースで毎月いくらのビットコインを買うと決めてる人は、例えば同じ5万円を支出しても、円安局面では手に入るビットコインの量が減ってしまうのです。

タクミ

ドル建てのビットコインの価値が変わらないのに、円安のおかげで値上がりしてしまうと、ちょっと悲しいですよね。

みお

確かに、ビットコインを買う立場からすると、円安だと損した気持ちになるわ。

ステーブルコインを持つ場合は為替差損益が仮想通貨売買益に直結する

USDCやUSDT、TUSDのようなステーブルコインを保有している場合は、為替差損益が、そのステーブルコインという仮想通貨の売買益に直結します。

ステーブルコインは米ドルに連動している銘柄がほとんどであり、ステーブルコイン1枚あたりが1ドルになる仕組みを持っているのです。したがって、米ドルベースではほとんど損益が出ないですし、それがステーブルコインのメリットなのです。

しかし、ステーブルコインを買ってから売るまでの間に日本円対米ドルの相場に変動があると、日本円ベースでは仮想通貨の売買益が生じます。この場合は、円安になると利益が生じ、円高になると損失が生じることになります。

ドルベースでビットコインなどのチャート分析はしたい

ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨(暗号資産)のテクニカル分析などをする場合には、日本円ベースではなく、米ドルベースで分析をしましょう。

上述の通りで、世界の投資家は米ドルベースでチャートを見ているのですが、日本円の仮想通貨のチャートは円安や円高の影響を受けるので、分析がしにくく、又、米ドルベースの分析の方が精度が高いと考えられるためです。

たとえば、ゴールデンクロスやデッドクロスというチャートが形成されるかどうかを機関投資家などはドルベースで見ているのに、自分だけ日本円ベースで異なるチャートを見ていると、タイミングを逃す恐れがあると言えます。ドルベースではデッドクロスしたけれど、円ベースだとデッドクロスをまだしてないようなことも起きうるのです。

為替相場の影響は、テクニカル分析にも及んでしまうのです。

FXなどの為替差損益と仮想通貨の損益は損益通算できるの?

みお

同じ投資だし、雑所得なのに、損益通算できないと、トータルでは損してるのに、片方の利益のみに税金がかかっちゃうのね。

タクミ

そうなんだ。だから仮想通貨や為替証拠金取引のFXをやるときは、税金に関しては必ず勉強しないといけないですね。

ここまでは為替とビットコイン相場の関係性の説明をしました。ここでは、為替証拠金取引であるFXなどの損益と仮想通貨(暗号資産)の損益を税金計算上において通算できるかどうかというお話です。

結論から言うと、分離課税となるFXの損益と仮想通貨の損益は、損益通算することができません

ただし、FXの中には、日本の金融庁に登録されていない総合課税のFXがあり、総合課税のFXと仮想通貨の損益は、同じ「総合課税の雑所得」という括りに入るので、所得税の確定申告において、損益通算をすることができるのです。

同じFXと呼ばれるものであっても、仮想通貨(暗号資産)の損益と通算できるものとできないものがあるので複雑ですよね。

仮想通貨回りの税制に関してはしっかりと勉強しておかないと火傷してしまうので、仮想通貨取引をするのであればしっかりと抑えておきましょう。

為替相場とビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)の関係のまとめ

みお

ビットコインをはじめとする仮想通貨が今後ますます普及すると、為替相場との相関性も増していくかもしれませんね。

タクミ

もしも特定の仮想通貨の時価総額が莫大な金額になったら、反対に、その仮想通貨の相場がその他の金融指標に影響を大きく及ぼすという時代が来るかもしれませんね。

この記事では、為替相場が仮装通貨(暗号資産)にどれくらいの影響を及ぼすのかを説明しました。

現状では、そこまで大きな相関性はないのではないかと思っておりますが、今後仮想通貨の安全性が高まり、又、より一般的な投資先となり、ゴールドに近いものとして扱われるようになった場合には、両者の相関関係は大きくなるのではないかと思います。

今はまだ、為替以外の影響によってビットコイン相場は大きく揺れ動いておりますので、為替の影響がどこまであるのかは見えにくいですし、そこまでは大きくないのではないかと思います。

ただ、日本円ベースでの仮想通貨売買の損益には為替の影響が出ますし、円安や円高の局面でメリットデメリットがあることも事実です。ドルコスト平均法といった投資をする場合には、為替が高いから今月は多く投資しようとか、反対に円安だから購入金額を減らそうとかせずに、あくまでもルールに則って投資していくことが大切だとは思います。

又、FXと仮想通貨の関係についても説明したので、確定申告では間違いがないようにしましょう。

ビットコインなどの仮想通貨と各種指標の相関関係については話題になることも多いですが、その影響を単純に両社間だけでとらえるだけではなく、複合的要因が関わってくると考えた方が良いでしょう。

金利が動くと為替相場も仮想通貨価格も動く傾向にあるので、為替と仮想通貨の二者間だけで捉えるのではなく、もう少し広い視野で見ると良いでしょう。これは、ダウ平均やS&P500、ナスダック100などと仮想通貨相場の相関を考える場合にも同じことが言えるでしょう。

仮想通貨(暗号資産)の相場分析を行う上で、為替や金利をはじめとする様々な指標について勉強できるというメリットは大きいでしょう。

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