仮想通貨(暗号資産)のテクニカル分析は非常に重要ですので、初心者がまず勉強するべきローソク足やチャートパターンの分析の基礎を解説します。チャートパターンですと、三尊天井や逆三尊、ダブルトップやダブルボトムは聞いたことがある人も多いでしょう。
移動平均線やゴールデンクロスやデッドクロスに関して、又オシレーター系(加熱度分析指標)のRSIについてもまとめています。
仮想通貨は値動きが激しくファンダメンタルズの影響を大きく受けるのでテクニカル分析は意味ないとか、通用しないという声も昔はありましたが、このページで説明するおすすめのテクニカルの指標はしっかりと機能することが多いので、これから仮想通貨を始める方、始めたけどまだ初心者であるという方はしっかりと最後までご覧いただき、チャート分析の基礎中の基礎の部分を固めてしまってください。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)といった時価総額の大きい仮想通貨のチャート分析でもテクニカル分析は当然役立ちますが、時価総額が小さなコインのチャート分析でもしっかりと分析は機能します。
ローソク足の見方、分析方法
ローソク足は投資家の心理を表しているとも言えるので、仮想通貨投資を始めたらすぐに分析できるようになりたいですね
ローソク足の見方は簡単だし、分析方法もすぐに覚えられるので、必ずおさえたいですね
ローソク足は一定期間における値動きを表現したものです。期間に応じて、「月足」「週足」「日足」「時間足」などがあります。
ローソク足を見ると、始値、終値、高値、安値を理解することが優れたものです。複雑なものではないので、簡単に読めるようになるでしょう。
ローソク足の理解なくして仮想通貨のチャートのテクニカル分析はできないので、しっかりと覚えてしまいましょう。
下のローソク足の画像をご覧ください。
使っている暗号資産取引所によって色は違いますが、ローソク足には陽線と陰線があります。左の白い方が陽線だとすると、太い部分の一番下が始値、太い部分の一番上が終値を示します。「細いヒゲ」と呼ばれる部分に関しては、一番下の部分が安値、一番上が高値となります。
右の黒い方が陰線だとすると、始値と終値が逆になり、太い部分の一番上が始値、太い部分の一番下が終値を示します。
この陽線と陰線という言葉と、見方を覚えるところがローソク足分析のスタート地点です。
基本的に、これだけ覚えておけば、ローソク足を読めるということになりますので、ここまでは勉強する程というレベルではないですね。なお、上ヒゲが長いとチャートの下落可能性を示唆し、下ヒゲが長いとチャートの上昇可能性を示唆します。
続いて、様々な形状のローソク足から、今後上がるか下がるかを予想する方法を解説します。
大陽線
こちらの大陽線は、陽線のローソク足の太い部分が長く、期間内に大きく相場が値上がりしたことを意味しています。通常の陽線の5倍や6倍であることが多いですが、10倍となるようなことも仮想通貨のチャートではあります。
このローソク足がチャートに現れた場合には、買い方の勢いが強く、今後において買い方の優勢が続く可能性が高くなります。ただし、あまりに大きく伸びると一回押し目と言って、価格の調整のために下げてくることがあります。
大陰線
こちらの大陰線は反対に、陰線でローソク足の太い部分が長い状態です。期間内に大きく値下がりしたことを示しています。
売り方の勢いが強いので、その後に相場が下がることが多いと考えられています。しかし、あまり大きく落ちた場合には一度反発して値上がりすることもあり、それを狙って購入する人もいますが、初心者には短期の逆張りの投資はタイミングが難しいのでおすすめはできませんね。
ちなみに逆張りとは、相場が下落トレンドにある中で短期反発を狙って投資したり、上昇トレンドの中で短期下落を狙って投資したりすることです。
上影陽線
上影陽線とは、上記の図のように、長い上ヒゲがある陽線のことです。チャートは一度は上に大きく上がったものの、売り方の圧力に敗れてしまったと考えられるローソク足です。一方で、売り方に押し込まれてはいるが、その期間トータルでは買い方が勝利したと解釈することも可能となります。
基本的にこのサインが出た場合は売り圧力が強いので、中々上にいかないと考えられます。しかし、安値圏でこのサインが出た場合には、上昇のサインと見る向きもあります。
下影陽線
こちらは先とは反対でヒゲが下に伸びています。これを下影陽線と呼びます。売り方によって一度は下落をしたものの、買い方が押し戻して、期間のトータルでは勝利したということになります。
相場のトレンドの転換を暗示するものであり、安値圏に出れば今後に上がる可能性が高くなります。ただし一方で、高値圏に出れば、下落トレンドに転換してしまうこともあります。
上影陰線
このローソク足の画像のように、上に長いヒゲの伸びた陰線を上影陰線と呼びます。買い方が一度は上に価格を持ち上げたものの、その後の売り方の圧力が強く、価格が下落して陰線になってしまった状態です。
価格が高値圏にあるときにこのサインが出ると、価格が下がることを暗示することになります。高い価格でこのローソク足が出た後にはちょっと買い方では入りにくいということになりますね。
ちなみに、仮想通貨のボラティリティは大きいので、日足などでは非常に長い上ヒゲが現れることがあり、このような時は初心者は手を出さない方が安心かと思います。
下影陰線
下方向に長いヒゲがあるのが下影陰線と呼ばれるローソク足です。一度は売り方の圧力によって価格が下がったものの、買い方が盛り返したとも言えますが、その期間の最後には売り方が勝ったということになります。
価格が低い時にこのサインが出れば上昇トレンドへの転換が暗示され、価格が高い時にこのサインが出ると下落トレンドへの転換を暗示しています。
十字線
こちらは十字線と呼ばれるローソク足で、買い方と売り方が互角である状態を意味しています。
高値圏でこのサインが出たら下落トレンドへの転換を暗示し、安値圏でこのサインが出たら上昇トレンドへの転換を暗示していると言えます。
チャート、ローソク足の実体とは何?
仮想通貨のテクニカル分析の記事などを見ていると「実体」という言葉がたまに出てきます。この実体とは、ローソク足の太い部分を意味しているとお考えください。
例えば「100円以上に実体を残せば更に上がるだろう」ということは、その期間の終わりにおいて、ローソクの太い部分が100以上の価格帯に残っていれば、更に上がるということを予測していることになります。
ヒゲ部分で、それ以上の価格となっても、最終的に売り方に負けてしまって下落して太い部分が残らなければいけないということを意味していると言えますね。
初心者が覚えるべきチャートパターンの基礎
仮想通貨(暗号資産)のチャート分析を行うために、初心者が覚えるべきチャートパターンを紹介します。
ここでは指標となる4つの基礎的パターンを図解を入れて解説しますので、基礎知識として勉強してテクニカル分析に役立ててみてください。
チャートのテクニカル分析の記事などでよく紹介されるチャートパターンをここで説明するので、初心者の人もこれだけは覚えておきましょう
三尊と逆三尊、ダブルトップとダブルボトムは初心者が最初に覚えるべきチャートパターンですもんねっ
三尊天井(ヘッドアンドショルダーズ・トリプルトップ)
このチャートのような形を三尊天井と呼び、別名でヘッドアンドショルダーズやトリプルトップとも呼ばれます。仮想通貨のテクニカル分析(チャート分析)ではよく耳にします。
三尊天井は、お釈迦様を真ん中に置いて、左右に菩薩がいるというイメージで名づけられています。ヘッドアンドショルダーズは真ん中が頭で左右が型であることをイメージして付けられて呼び方です。
3つの山があり、それを三尊と呼んでいます。最初の天井と3番目の天井の間の真ん中の天井が最も高い価格となっている状態です。黄色い線で示した部分がネックラインと呼ばれ、ここより下にチャートが下落すると、そのまま価格が下がっていくことを示唆したチャートパターンです。
ネックラインを割ったところが売りポイント(売りシグナル)になるわけです。売りのシグナルの強さとしても比較的強力なものであると考えておきましょう。
多くの仮想通貨投資家が意識するチャートパターンですので、ネックラインを割れたところで暴落するようなこともあります。どのくらいまで価格が落ちるかは明確にはわかりませんが、ネックライン価格と三尊の真ん中の天井の価格との差額分を下落すると予想する投資家が多いですので、そこも意識しておきましょう。
ネックラインを割れる手前で三尊の完成を否定して上がることもたまにあります。
逆三尊(ヘッドアンドショルダーズボトム・トリプルボトム)
こちらは先ほどと反対のチャートパターンで、上昇トレンド転換を示唆するポジティブなチャートパターンです。逆三尊やヘッドアンドショルダーズボトム、トリプルボトムと言っても通じるでしょう。
このチャートは三尊が下向きになった形をしています。最も価格が低い底の両脇で価格が低い部分があり、そこを結んだ線がネックラインとよばれます。
ネックラインを超えると、そこから大きく上昇すると分析できるので、そこが買いポイント(買いシグナル)になると考えられます。底の価額とネックラインの価額の差額分だけ、ネックラインから上昇すると考える投資家も多いです。
なお、ネックラインを超えることなく、真ん中の底の金額を下回った場合は逆三尊は否定されたと考えましょう。
ダブルトップ(毛抜き天井)
こちらはダブルトップと呼ばれる有名なチャートパターンです。毛抜き天井と呼ばれることもあります。2つの山ができている状態で、相場が下落トレンドに入ることを示唆しています。
1回目の天井付近まで2回目の天井も迫るのですが、そこに強い売り圧力があり、再び価格が下落してしまったものと分析できます。2つの天井の間の安値部分にネックラインを引くことができます。
ここのネックラインの価格を割ったときが売りポイント(売りシグナル)と見ることができます。2回目の天井の価額とネックラインの価額の差額分だけ、ネックラインから下落すると予想することもできます。
仮想通貨のテクニカル分析の中ではこちらも信頼度が高いものですので、仮想通貨投資初心者の人は、ダブルトップが完成したところで「値段が下がったから買おう」と考えて購入しないほうが無難です。
ダブルボトム(毛抜き底)
こちらはダブルボトムと呼ばれるチャートパターンです。毛抜き底とも呼ばれることがあります。
相場が上昇トレンドになることを示唆しています。
1回目の底と2回目の底の間の高値の部分にネックラインを引きましょう。ここを超えるところが買いポイント(買いシグナル)となります。
1番底、2番底とも表現できるのですが、仮想通貨市場が暴落した際には、一度価格を戻したところで買うと2番底の恐怖を味わうことがあるので、2番底を確認してから再び買っていく投資家も多いですね。初心者の人も、2倍底があるかもしれず、それがあってこそダブルボトムが形成されて価格が上がる可能性が高いということは意識しておきましょう。
ダブルボトムが形成完了すると、2回目の底の価額とネックラインの価額と差額分だけ、ネックラインから上に上昇するという分析をすることも多いです。
移動平均線によるテクニカル分析
移動平均線(Moving Average/MA)に関して理解しておくことは、仮想通貨(暗号資産)のテクニカル分析をする上では非常に大切です。
移動平均線を元にゴールデンクロスやデッドクロスという買いポイント(買いシグナル)や売りポイント(売りシグナル)が出現して、そこは多くの仮想通貨投資家に意識されるので大きく相場が動くのです。
移動平均線とは、設定した一定期間の価格の平均値を折れ線グラフで表現したものです。上記のビットコイン(BTC)のチャートの3本の折れ線グラフが移動平均線となります。
オレンジ色が5日、ピンク色が25日、紫色が200日となっています。ちなみに、棒グラフとなっている部分は取引ボリュームを示しています。
チャートが上昇しているときに上に移動平均線があると、そこが投資家に意識されて売り圧力がかかる可能性が高く、一旦下落したり、天井となることがあります。警戒するラインでもあり、利益確定のポイントにもなるのです。
下に移動平均線があるときは、そこがサポートラインとなり、価格が下落してきても、そこで反発して上昇することもあるのです。
抵抗にもなれば、支えにもなるラインだということになります。
なお、利益確定のタイミングは簡単ではありませんが、テクニカル分析を使ったり、最初から売却するタイミングを決めておくことも大切です。
仮想通貨(暗号資産)の利確のコツやタイミングもご確認ください。
移動平均線は何日で設定するべきか?
初心者の人は、仮想通貨取引所のチャートで移動平均線を設定するときに、「何日で設定しようか」と悩むと思います。
基本的には、他の投資家がよく意識するラインが抵抗やサポートになるので、5日、25日、75日、200日などは見ておきたいものです。
短期、中期、長期の移動平均線をみることで、各々の期間におけるトレンドを把握しやすくなります。「短期的には下降トレンドだけど、長期的には上昇トレンドの中にある」といったようなことを客観的に把握できるようにもなります。
テクニカル分析の指標を上手に使うと、先入観にとらわれずに、客観的に、かつ、冷静に状況を把握することができるので便利ですね。
ゴールデンクロスとは?
ゴールデンクロスとは、チャートにおいて、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜いていくことを言います。両者の交差のことなのです。
ゴールデンクロスは強い買いシグナルなので、仮想通貨初心者の人も必ず覚えておきましょう。
なお、短期と長期の両方の移動平均線が上向きの状態でゴールデンクロスが生じれば強い買いサインですが、長期移動平均線が下向きで下落してきたために生じたいものはゴールデンクロスとは言えず、買いサインだと勘違いしないように注意しましょう。
なお、ゴールデンクロスを迎えて、短い時間の中で仮想通貨は暴騰することがありますが、このような場合には3分足や5分足などのチャートも見て天井を見極める必要があります。取引ボリュームが爆発的に増えたところが天井になるところも多いものです。
デッドクロスとは?
デッドクロスとは、チャートにおいて、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜いてしまうことを言います。
デッドクロスは売りシグナルであり、デッドクロスが生じるとその後に下落する可能性が強くなります。
現物取引で買う方法で仮想通貨投資をする場合には、嬉しくないチャートの形状ではありますね。
デッドクロスを迎えて暴落してしまった場合に、どこで下げ止まり底となるのかを判断する場合には、取引ボリュームが急激に増えてから反発したところが一旦は底となることも多いです。
オシレーター系のテクニカル指標RSIによる分析方法
初心者の頃はRSIを知らず、かなり過熱したところでビットコインを買って損しちゃったことがあります
過熱したところで飛び乗って買ってしまうと、その後の相場で急落局面が訪れることはよくあるんだよね
オシレーター系の指標はいくつもありますが、初心者の方は、まずはRSIに関しては覚えるべきでしょう。チャートを分析する上では必須の指標と言えます。
オシレーター系の指標は、相場の過熱感を分析する指標で「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を判断する指標となります。
「買われ過ぎ」なら今後下落する可能性が高く、「売られ過ぎ」なら今後反発して相場が上がる可能性が高くなります。
RSIの計算式
RSI(Relative Strength Index)とは、以下の算式で計算します。
一定期間の合計上昇幅÷(一定期間の合計上昇幅+一定期間の合計下落幅)=RSI
その期間の上下の値動きの中で、上昇幅がどのくらい増えているのかを確認する指標なのです。RSIが高ければ買われ過ぎ、低ければ売られ過ぎと言うことになります。
RSIの見方
こちらが実際のビットコイン(BTC)のRSIのチャート画像となります。ピンクの線が6日間で、黄色の線が24日間という期間の設定になっています。
期間が長いRSIはその時の仮想通貨の価格変動に鈍感な動きを見せ、期間が短いRSIはその時の仮想通貨の価格変動に敏感に反応します。
では、一体RSIがいくつになると買われ過ぎで、いくつになると売られ過ぎなのかを検討します。
一般的にRSIが70を超えると買われ過ぎと言われていますが、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(EHT)、リップル(XRP)に代表されるような仮想通貨市場はそもそものボラティリティが大きいため、70を超えたからと言って必ず下落に転じるというものではありません。そのまま上がっていくこともよくあるのです。
80を超えてくると、高い確率で仮想通貨も一旦調整となる可能性が高いです。
反対に30を切ると売られ過ぎと考えられ、20を切った場合にはかなり売られ過ぎと考えて良いでしょう。
テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の違い
仮想通貨の分析手法としては、テクニカル分析のほかにファンダメンタルズ分析がありますが、両者の違いについても知っておきましょう。
テクニカル分析とは、こちらで紹介したように、チャートを分析することで、投資家の今後の行動パターンを分析することとも言えます。
一方で、ファンダメンタルズ分析とは、その仮想通貨(暗号通貨)の開発者の活動内容や財務内容、世界の景気動向や各国の政府の政策、その他その仮想通貨の時価総額や出来高、新規取引所への上場などの情報を元に分析する方法で、チャートを離れたところで分析する方法と言えます。
例えば、リップル(XRP)のファンダメンタルズ分析なら必ずSEC訴訟の話は出てくるでしょう。
どちらも重要な分析手法なのですが、ファンダメンタルズ情報に関しては突発的に生じることも多く予測がつかないことが多いのに対して、テクニカル分析は目の前にあるチャート情報を元に分析できるので、勉強次第で成果に結びつけられる分析方法なのです。
仮想通貨初心者の方は、このページで書いたテクニカル分析の基礎に関してはしっかりと覚えてくださればと思います。
ファンダメンタルズについても知っておきたいという方は、「仮想通貨のファンダメンタルズ分析について」をご覧ください。
仮想通貨はテクニカル分析だけではなく、ファンダメンタルズ分析も行いながら取引したいですね。どこでファンダメンタルズ情報を手にいれば良いかは知っておきましょう。
仮想通貨のテクニカル分析のまとめ
こちらの記事では、仮想通貨のテクニカル分析について、初心者がまず覚えるべきものをまとめました。
ローソク足の分析、チャートパターンの分析、移動平均線やRSIによる分析などは、必ず仮想通貨売買において役立ちますし、買い場と売り場の判断の材料になることでしょう。これらの基礎的分析指標を先に抑えてから、次の分析方法を勉強されると良いでしょう。
暗号資産取引所のチャート画面では、色々なテクニカル分析の指標が用意されていますが、どのようなツールやアプリが用意されているかを調べた上で、取引所選びをしても良いでしょう。又、複数取引所は作った方がよく、そうすることでより多くのテクニカル分析指標を利用できるようになります。
最初に日本国内大手のコインチェックなどで口座開設してみてチャートの見方に慣れた後に、追加で2つくらい仮想通貨口座を持っておくと、サイトメンテナンスによって取引不能となるタイミングで他の口座を使えるので安全な取引ができると思います。