税理士事務所(会計事務所)の仮想通貨への対応の必要性

税理士事務所会計事務所の仮想通貨への対応の必要性 仮想通貨の税金

今回は、これからの時代、税理士事務所(会計事務所)も仮想通貨(暗号資産)やNFTの会計処理や確定申告に対応しなくてはいけないというテーマでお話してみたいと思います。

数年前までは、仮想通貨と言えばまだイメージが湧かない人や怪しいのではないかという人も多かったように感じます。実際に購入したりする人も少ない印象がありました。人間新しいものには慣れるまでは、時間がかかるものです。

今では、だいぶ世の中に浸透してきているのではないでしょうか。個人、法人問わず購入する方が増えている気がします。

今後、会計業界としては、例えば、今までは事業所得のみの申告を請け負っていたところ仮想通貨の申告も追加でお願いしますといったケースや会社員で今までは申告が必要なかったが仮想通貨で儲けが出たため申告をお願いしますといったケースが増えると予測されます。

そうなると必然的に税理士も仮想通貨に対応する必要がでてくることになります。仮想通貨の税務や会計に対応できないと、他の仕事もまとめて失ってしまう可能性があるためですね。

税理士としても、仮想通貨取引を最低限1回は行って、内容を理解しておくことが大切と言えるでしょう。

みお
みお

税理士事務所業界も仮想通貨の業務に対応できるようにならないと、他の仕事まで失ってしまう可能性があるんですね。まずは税理士さんも仮想通貨の取引を少しは行うことが大切ですね。

自分で仮想通貨の確定申告をする場合の難しさ

いざ、ご自身で仮想通貨の確定申告をしようと思ってもいくつかのハードルがあるのではないでしょうか。ざっと思いつくところで以下のような不明点(不安点)があるかと思います。

  • 購入時、売却時の仕訳はどうするか(法人の場合は会計仕訳が必要です)
  • 取引報告書の見方が分からない
  • 海外の取引所で年間取引報告書が出ない場合はどうするか
  • 20万円以下の場合は申告しなくて良いのか
  • 仮想通貨をあげた、もらった場合はどう処理すれば良いのか
  • 税金はいくらくらいになるのか
  • どこまでを経費にしてよいか分からない
  • 本を購入してみたが、用語が難しく理解出来なかった
  • 持っているだけで売却していないが申告は必要なのか
  • 取引量が多すぎて計算が出来ない
  • 何から手をつけたらいいか分からない
  • 今年は儲かったので法人化した方がよいのか

このようにいざ自分で申告をしようとしても色々と悩むポイントがあるのではないでしょうか。1つ1つ調べることに時間を取られるくらいであれば多少の費用はかかってしまいますので、税理士に依頼することも1つの方法かもしれません

損益計算の難しさ

仮想通貨による取引は、単なる物品の売買とは異なり、取引それ自体がかなり複雑です。

暗号資産取引では、例えば、日本円でビットコイン(BTC)を購入・売却するといったシンプルなものだけでなく、レバレッジ取引やマイニング、ステーキングなど様々な種類の取引があります。

また仮想通貨の交換を行った場合、例えば仮想通貨を海外に送金して、その仮想通貨によって他のコインを購入した場合には、他のコインを購入するために支払った仮想通貨は税務上その時点で売却をしたことになりますので、注意が必要です(国内で他の通貨に交換しても同じことです)。

仮想通貨を使って商品やサービスを購入した際にも注意が必要です。仮想通貨による決済は、一旦仮想通貨をその決済金額で売却し、売却したお金でその商品やサービスを購入したとみなされるためです。

このように、それぞれの取引で利益が発生するタイミングが異なります。これらを理解した上で計算を行う必要があるため計算の難易度が高くなります。

また、仮想通貨は取得価額の算定が難しいです。仮想通貨の取得価額がいくらになるのかは、それをどうやって手に入れたのかによって異なります

例えば、仮想通貨を現金で購入した場合の取得価額は、仮想通貨の額に支払手数料を加えた金額の合計となります。しかし、マイニングによって取得した場合は、取得時の時価を取得価額とします。これ以外にも、相続や贈与によって取得した場合など、どうやって取得したのかによってそれぞれにことなる方法で取得価額を算定しなければなりません。

次に計算方法には、移動平均法と総平均法があります。個人で移動平均法を使うには届出を税務署に提出している必要があります。

ご自身で申告する場合、自己流で、エクセル等を使って申告することも可能ではありますが、間違ってしまうリスクや調べたりする時間が膨大にかかってしまう恐れがあります。

また国内の主要な取引所であれば、年間取引報告書が発行されるケースがほとんどですが海外の取引所などで年間取引報告書が出ない場合、ご自身で計算する必要が出てきますが、相当な手間が生じるものと思われます。 そこで税理士に依頼するという選択肢が出てきます。

ただ、うちの税理士事務所も含めて、仮想通貨取引の中でも煩雑性の高いものに対応するのは非常に困難な部分があるのは事実です。

みお
みお

仮想通貨の税金計算、複雑なものは非常に大変そう。

税理士に依頼するメリット・デメリット

ここでは、自分で仮想通貨の申告は出来ないため、税理士に依頼しようと考えている方にメリット・デメリットをお伝えします

仮想通貨の会計処理や確定申告を税理士に依頼するメリット

仮想通貨やNFTに関する会計処理や確定申告を税理士に依頼するメリットとしては、以下のようなものがあります。

・税務署対応、税務調査が対応

税務署からの連絡はまず税理士にくるので、煩わしい連絡がなくて済みます。税務調査になった場合は、税理士の立会いが可能です。なお別途、報酬が発生するケースが多いです。

・申告不要かどうかの判断が適切

税理士は、過疎通貨取引を含めて、どういった条件下で、副収入の所得が20万円以下だと申告が不要になるのかを理解しています。税理士に依頼すると、「間違った理解をしてしまって、申告が本来は確定申告が必要なのに申告していなかった」ということにならないで済むでしょう。

また所得が20万円以下の場合は、所得税の確定申告は不要になりますが、住民税の確定申告は別途必要となります。漏れのないようにしましょう。

・経費の妥当性の判断

経費にしても問題ないものを、見落としてしまう可能性や、反対に経費に入れてはいけないものを経費にしてしまう可能性があります。納税額に影響を与える点なので、きちんと行いたいところです。税理士に依頼すると、このあたりを判断してもらえます。

・他の所得についてもまとめて依頼が可能

仮想通貨以外にも所得がある場合まとめて依頼できるので安心です。仮想通貨をやられている方は、他に給与所得・事業所得・不動産所得や譲渡所得があったり、ふるさと納税などもされている方が多いのではないでしょうか。まとめて対応してもらえるので事務負担を軽減できるかと思います。

仮想通貨の会計処理や確定申告を税理士に依頼するデメリット

仮想通貨やNFTに関する会計処理や確定申告を税理士に依頼するデメリットは次のものです。

・費用がかかる。

事務所や取引量によって異なるのですが、仮想通貨となると、最低でも5万円以上としているところが多いかと思います。

・慣れていない税理士も非常に多い。

これは後述しますが、慣れていない税理士も多いですし、取引内容が複雑な場合には、慣れている税理士でも確定申告の代行をできないことはよくあるでしょう。うちの場合ですと、国内取引所のみなど、簡単なものは対応できますが、海外取引所でどんどん取引をしていたり、NFTゲームの収益として仮想通貨を獲得している場合は、計算に対応できないことはよくあります。

税理士事務所の本音

みお
みお

仕事が来るって嬉しいことばかりだと思ってましたけど、本音では仮想通貨取引の税務はやりたくないって税理士さんが多くいるんですね!これは意外でした。

仮想通貨など新しい概念についていけていない税理士も多いように見受けられます。本音の部分では、仮想通貨に関しては代行したくないと考えている税理士事務所(会計事務所)も非常に多いと思います。又、実際に、そもそも入口の段階で受けていないケースもあるようです。

税理士が仮想通貨の申告を苦手とする理由がいくつかあります。

まず、仮想通貨に関する税制が明確に決まっていないことが多いので、取引事象に応じて都度適切に判断していかないといけず、リスクがあり、難しい仕事だと感じます。

仮想通貨取引の計算に関して、一つの処理を間違えるだけで、数百万円以上損益が変化することもあるので、慎重な判断と処理が必要です。

新しい概念を受け入られないことも挙げられるかと思います。世の中に次々と新しいものが出てくる中で変化に対応出来ないパターンです。

今後も新しい取引が次々と生まれていくと思うので税理士は常に情報をキャッチアップしていかなければならないといけません。

実際に仮想通貨取引をしている人でないと、なかなか対応が難しいです。これは用語の意味や処理方法が分かったとしても、実際どういう風にお金を入金して購入売却をしているのかお金の動きを自分自身で体験していないと、お客様に説明が出来ません。また面談時やメール等のやり取りでお客様から相談されても何を言っているのか理解出来ないといったことになる可能性があります。

実際、私自身も、仮想通貨に詳しくない時には、お客様から仮想通貨を貸出しているのですがどうしたらいいかと聞かれた際には概念としての理解ができませんでした。

また、税理士から年間取引報告書を提出してくださいと言っても、書類をどこから取るのですかと聞かれた際には、税理士にはどうすれば良いのかは分からないといったことになってしまいます。

一つ一つの取引所の操作方法については、回答は出来ないかもしれませんがメジャーな取引所について知っている税理士であれば、ある程度はスムーズに話が進むでしょう

正直なところ、仮想通貨の確定申告の代行に関しては、税理士側に取ってコスパが悪いケースがあります。取引量が少なければいいですが、かなり頻繁に取引をしており取引件数が何千何万の場合、取引履歴からエクセルなどを使って集計をしていくことになるのですが、これがまた、非常に骨が折れます。

また、取引所が1ヵ所だけでなく複数箇所ある場合には、各取引所の情報をまとめるにもフォーマットが異なっており苦労することがあります。場合によっては、クリプタクトなどの専門のソフトを導入し、自分で損益計算をしてもらえないかと、税理士からクライアントにお願いするケースも多いでしょう。

なお、国内取引については、国税庁から暗号資産の計算書(エクセルシート)が発表されたので比較的楽になったかもしれません。

しかし、海外の仮想通貨交換所を利用しているケースでは年間取引報告書は発行されないケースもありますので、その場合、海外仮想通貨交換所でのトレード分は、結局取引履歴などのデータから自分で計算をしなければいけません。

税務調査が入り、海外取引所での取引があるにも関わらず損益計算に含めなかったことが発覚した場合には、多額のペナルティが課される可能性もありますので、責任問題まで関耐えると、税理士としてはリスクも感じることでしょう。

税理士が仮想通貨を苦手とする理由は上記のようなことが考えられます。急にクライアント先が仮想通貨取引を始めて対応に困惑している同業の税理士もちらほらみかけます。

仮想通貨の申告を依頼する場合における税理士事務所の選び方

では実際に税理士に依頼しようと思った際に、どういった点に気をつけるべきかをまとめました。参考にしてみてください。

仮想通貨の申告を得意としているか?

お医者様と同じで税理士も専門分野があります。仮想通貨の税法は毎年改正されており、仮想通貨の税法改正のキャッチアップは必須です。

また仮想通貨やNFTに関しては、税法で明確にされていない取引が多くあるため、仮想通貨取引自体の理解や税務調査の実務経験等を多く知っている必要があります。

税理士が仮想通貨税務において十分な経験や知識を有しているかどうか、仮想通貨の申告を得意としているかどうかを確認しましょう。 可能であれば、税理士自身が仮想通貨取引を行っている方がよいでしょう。

取引方法、性格、通貨の種類、その特徴など、ある程度の肌感覚を持っていないと、依頼する側も、依頼される税理士も情報共有に膨大な時間を要することになるからです。とはいえ、そのような税理士を探すことは容易ではないと思います。

担当者のレベル・相性

みお
みお

円滑に仕事を進めてもらうためには、確かに、クライアントと税理士さんの相性は非常に重要ですよね。

いくら仮想通貨税務に強みがある会社でも、担当者ごとにはレベルの差があり、相性が合わないこともあります。

またメールのみの対応しかしてくれない会社もあるので注意が必要です。仮想通貨税務は一つ間違えるだけで数千万円も金額が変動することもあります。また、一年限りでなく長期に渡り信頼できる担当者選びが重要です。

一度面談をしてみて、相談のしやすさなどを確認しておくと良いでしょう。

対応可能範囲・地域

ご自身の扱っている取引が、対応しているかどうかを確認しましょう。

特に海外の取引所が絡む場合は扱っていないケースもありますので事前に確認する方がよいでしょう。

「ご自身の住まわれている地域の税理士が仮想通貨に対応しているかどうかや」、「東京などの都会の税理士に頼む場合には遠方からの依頼が可能か」も確認された方がよいでしょう。

うちの場合ですと、国内取引所だけの場合などは積極的に受け付けており、海外取引所が絡んでくる場合には内容をおうかがいした上でご依頼を受託可能か否かを判断しております。

まとめ

仮想通貨の申告は、自分で行うことも可能ですが、計算が煩雑であり海外の取引所を使用している場合には、ご自身で集計をする必要になるなど労力が生じる可能性があります。

日本ではまだまだ暗号通貨に対応(得意と)する税理士事務所は数が少なく探すのが大変な印象があります。

今では、法人個人問わず仮想通貨を所有又は取引をしている方が多くなってきたように見受けられます。

QR決済のように仮想通貨での決済が普及していった場合には、まず間違いなく「仮想通貨取引について知りません」という税理士は通用しないと思います。

その観点からは、まず税理士自身が仮想通貨に触れているかどうかも大きなポイントになるかと思います。

そうしないと、一般的な商売の会計処理と違って、法律上の処理方法が分かっていても、実際には取引として何をやっているかよく分からないから処理できないという状態が生じてしまいます。

ビジネスは常に変化していくので時代の変化に対して税理士もついていかないといけないと考えています。税理士事務所(会計事務所)は仮想通貨への対応も必要になっていると言えます。

どの程度の仮想通貨取引まで対応できるようになるか、この辺に関しては、うちだけではなく、税理士業界全体の課題となってきているのではないでしょうか。

また、クリプタクトを利用して自分で確定申告をする人も多いので、こういったソフトに頼るのもおすすめできますね。

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