早い段階で日本国内取引所に上場したことでも有名になったリスク(LSK)の特徴や今後の将来性や価格予想について今回は解説していきます。
リスクとは?
リスク(LISK)とはDApps(=分散型アプリケーション)構築のためのプラットフォームを標榜するプロジェクトです。
プラットフォームの名称、その中で使用される仮想通貨ともに「リスク」と呼ばれます。
マックス・コーデック氏とオリバー・ベドウス氏の2名によって開発されました。
開発の拠点はドイツのベルリンですが、スイスにあるリスク財団が運営を担当しています。
コーデック氏・ベドウス氏はともに現在もリスク財団のCEO・CTOとして携わっているそうです。
リスク(LISK)とは「簡単」を意味しており、「LISKによって簡単にサービスを開発できる未来」を目標としています。
あのマイクロソフトとパートナーシップを締結するなど、高い実績を誇るプロジェクトです。
なお、リスクはコインチェックで取り扱いがあるので、今後の価格高騰に期待する人はコインチェックの口座を作成しておきましょう。
本日のリスク(LSK)の時価総額や価格、市場占有率【2023年2月28日時点】下記の現在のLSKの価格情報等の表の通りで、過去最高価格(ATH)とは乖離してしまっていますが、開発情報の少なさが影響しているためと考えられ、技術開発の進展の情報が多く入ってきますと、今後の価格は大きく上がると予想されています。
仮想通貨(暗号資産)名称 | Lisk |
---|---|
単位(ティッカーシンボル) | LSK |
価格(2023年2月28日時点 以下項目も同じ) | 140.37円(1.152782ドル) |
時価総額 | 18,093,381,414円 |
時価総額占有率(仮想通貨の総時価総額に占めるLSKの割合) | 0.014% |
時価総額ランキング | 185位 |
上場以来の最高価額(ATH) | 34.92USドル |
市場流通量(循環している供給量) | 128,900,445LSK |
LSKのHP | オフィシャルHP |
DApps(=分散型アプリケーション)とは?
DAppsとは政府や企業など特定の管理者が不在でも動くアプリケーションを意味します。
誰かが中央集権的に監督するのではなく、アプリケーションの利用者全員でデータを分散して管理するのが特徴です。
分散管理のメリットとして、一部でシステム障害が発生してもネットワークが稼働し続けられる、データの改ざん・偽造が不可能、などが挙げられます。
また、ユーザーが機能の変更やアップデートなどの意思決定にかかわることができるのも特徴です。
DAppsプラットフォームの代表格としてはイーサリアムが挙げられます。
イーサリアムは現在、ビットコインに次ぐ時価総額第2位に位置している銘柄です。この事実からもDAppsの開発が強く支持されていることがよく理解できるでしょう。
リスクもイーサリアムに次ぐ存在を目指して生まれた仮想通貨だとと言えるでしょう。
リスクの歴史
まずはリスクの誕生から現在までの歴史を見ていきましょう。
誕生~2017年中盤まで
最初のブロックが生成されたのは2016年の5月です。
ビットコイン誕生の7年後に開発されました。
誕生直後は400円台まで価格上昇したものの、すぐに50円以下まで低下し、それ以降あまり動きがありませんでした。
2017年中盤~仮想通貨バブル(2018年前半)まで
2017年の中盤からビットコインをはじめ、仮想通貨に大きな注目が集まりバブル相場となります。
リスクもこのバブル相場の恩恵を受けて、価格が高騰しました。
2018年の2月にリブランディングを実施した際は、3,300円程度まで上昇しています。
こちらのページの上部のリアルタイムチャートをご覧いただくとわかるように、現在では3,300円までは遠い道のりではあります。
なお、2018年1月に過去最高価格となっており、その際は4,000円を超えています。
リブランディングとは?
リブランディングとはプロジェクトの名前やデザインなどを刷新することです。
仮想通貨市場ではポジティブな材料ととらえられることが多いです。
リスクの場合、「リスク(LISK)」という名称に変更はありませんでしたが、ロゴが一新されています。
物理的な実体を持たない仮想通貨の世界で、ロゴはプロジェクトの名称と同じくらい重要な役割を果たしています。
そのため、ロゴを変更するのはブランディング戦略の軌道修正という意味で非常に効果的です。
よってリブランディングを実行した銘柄は一般的に、価格が上昇する傾向にあります。
リブランディングは投資家心理に影響を与える重要な要素なのです。
仮想通貨バブル(2018年前半)~バブル崩壊(2018年末)まで
仮想通貨バブルの崩壊にともない、リスクの価格も暴落します。
2018年の年末には160円付近まで下落してしまいました。
同年の2月に3,300円を記録していたため、わずか1年足らずで価格が20分の1程度になった計算です。
こういった事例を見ると仮想通貨の値動きの速さがよくわかりますね。その後、しばらくは低迷が続きました。
バブル崩壊(2018年末)~コインチェックのステーキング開始(2020年1月)まで
バブル崩壊後の1年ほど、リスクの価格は200円以下で停滞します。
しかし2020年の1月に大きなニュースがありました。
コインチェックがリスクを対象としたステーキングサービスを開始したのです。
ステーキングとは?
ステーキングとは、仮想通貨を一定期間あずけておくことで利息がもらえるサービスです。
年率換算で3〜6%ほどの利回りが見込めます。銀行の定期預金が近いイメージですが、利率が比べものになりません。
リスクのステーキング提供開始が投資家から好材料とみなされ、価格は180%増となりました。
ただし長期的な上昇要因ではないため、長続きはしません。
コインチェックのステーキング開始(2020年1月)~2022現在年まで
コインチェックによるステーキング開始以降、2021年まで目立った動きは見られません。ところが、2020年になると大きな変化がありました。
ペイパルなど既存企業が仮想通貨業界へ参入し始めたことで、マーケット全体に大きな関心が寄せられたのです。その結果、再び上昇相場がやってきました。
リスクも相場全体の追い風を受けて、価格上昇を続けます。2021年の5月には900円を記録しました。
その後、相場全体の下落に引きずられリスクも再度値下がりしてしまいます。
2022年12月の月初めの時点では113円前後を推移しており、先月10月よりは少々価格が下落しています。
なぜペイパルが仮想通貨業界に参入したのか?
ペイパルは決済サービスを提供するアメリカの大手企業です。
2020年10月、ペイパルは仮想通貨での決済サービスを実装すると発表しました。
その理由として同社のCEOは、コロナウイルスの拡大による非接触型決済の需要増加を挙げています。
元々ペイパルは、仮想通貨の売買や保有サービスを提供する計画は立てていたものの、決済手段としての仮想通貨には否定的でした。
仮想通貨は価格変動が激しいため、値動きの状況次第では小さな店舗の売上を相殺してしまう恐れがあるからです。
ニーズの高まりを受けて、顧客と店舗間で正確なレートに合意する他、仮想通貨決済だと直接的にはわからない設計にして対応する方針を検討しています。
ペイパルのCEOは、仮想通貨のコンプライアンス面での課題(マネーロンダリングなど)を指摘しつつも、仮想通貨がアンバンクト(銀行口座を持てない人たち)を救うツールとなる可能性に期待している様子です。
こういった動きはVISAやマスターカードなど決済サービスを提供する他の企業にも広がっていくでしょう。
リスクの将来性や価格予想
リスク(LISK)は現在も開発が進められているプロジェクトです。リスクはオワコンと揶揄する人もいますが、開発が進み、プロジェクトが完成してから多くが公表され、価格が伸びるかもしれません。
新たな発表や新機能の搭載などが実施されるタイミングで大きく値上がりするでしょう。ただし、イーサリアム(ETH)などに大きく先行するメリットが搭載されていることが重要ではあります。
また競合するイーサリアムと比べるとリスクの時価総額ははるかに小さいため、DApps開発の需要が高まれば、イーサリアム以上の価格上昇率を記録する可能性も高いです。
さらに仮想通貨の市場規模そのものも拡大が見込まれています。
マーケットが広がる恩恵を受けて、リスクのユーザー・価格も構造的に上昇していく可能性があります。仮想通貨市場が2021年のように盛り上がると、1,000円は再び突破する可能性があり、更に開発ニュースもそこで現れると更に伸びるかもしれませんね。
ただし、開発がものを言うので、将来性や価格の予想は簡単ではない銘柄でしょう。
なお、仮想通貨(暗号資産)のマーケット全体にも価格が左右されます。その中でも時価総額ランキング第1位でデジタルゴールドとして存在するビットコイン(BTC)の価格動向の影響を大きく受けるので、ビットコインの今後の価格の予想について検討した上でリスクに投資したいですね。
リスクの特徴は?詳しく解説
リスクの特徴は以下の6点です。
順番に解説していきます。
- JavaScript(ジャバスクリプト)を用いた開発
- サイドチェーンの使用
- 独自のコンセンサスアルゴリズムDPoS(=Delegated Proof of Stake)の採用
- 未完成なブロックチェーンである
- 発行上限が設定されていない
- ステーキング対象の銘柄である
JavaScript(ジャバスクリプト)を用いた開発
リスクはJavaScript(ジャバスクリプト)というプログラミング言語で開発されています。
JavaScriptは世界的に広く知られている言語であり、一般のエンジニアであれば誰でも記述できるでしょう。
未経験者が最初に学ぶプログラミング言語としてJavaScriptを選ぶことも多いです。
そのため、リスクを使ってDAppsを開発するハードルは低いと言えます。
例えば、イーサリアムの場合、「Solidity(ソリディティ)」と呼ばれる専用のプログラミング言語の習得が必要となります。
そのためブロックチェーンとはちがう分野のエンジニアが開発に参加できませんでした。
その点、JavaScriptが用いられているリスクであれば、畑違いのエンジニアでも容易に開発へ参加できます。
開発者への門戸が広いプロジェクトだと言えるでしょう。
サイドチェーンの使用
リスクはメインとなるブロックチェーン以外にサイドチェーンも利用しています。
サイドチェーンとは?
サイドチェーンとはメインのブロックチェーンの補助的な役割として接続するチェーンを意味します。
サイドチェーンの特徴は以下の3つです。
- セキュリティ強化
- 処理能力の向上
- 柔軟な対応
1.セキュリティ強化
サイドチェーンの利用はセキュリティ強化につながります。
ハッキング被害を受けた際に、メインチェーンからサイドチェーンを切り離すことで、メインチェーンにまで被害が及ぶのを防げます。
2.処理能力の向上
サイドチェーンを使えば処理能力の向上が可能です。
負荷を分散させられるからです。
ブロックチェーンの取引量が増えると処理が追いつかずに遅延してしまうことがあります。
しかしサイドチェーンに一部の処理を逃がすことで、処理速度の低下を軽減できるのです。
道が一本しかないと渋滞してしまうため、複数の道路を作って枝分かれさせるイメージとなります。
3.柔軟な対応
サイドチェーンの活用により、柔軟な対応が可能となります。
仕様変更や新機能を搭載したい場合、サイドチェーンに手を加えればメインとなるブロックチェーン自体への変更はいらないため、スピーディな対応が低リスクでできるのです。
独自のコンセンサスアルゴリズムDPoS(=Delegated Proof of Stake)の採用
リスクは独自のコンセンサスアルゴリズムDPoS(=Delegated Proof of Stake)を採用しています。
コンセンサスアルゴリズムとはブロックチェーン上の取引承認のしくみだと考えればよいでしょう。
DPoSとは?
DPoSは101人の取引承認者をリスクの保有者による投票で選出するコンセンサスアルゴリズムです。
この投票権の付与はリスクの保有量に応じて当選確率が左右されます。
投票によって選出された承認者は、順番に取引承認をおこないます。
そして承認する際に報酬として取引手数料と新たに発行されたリスクをもらえるのです。
それだけではなく、承認者が受け取った報酬は投票者にも分配されます。
よって直接的に承認行為をおこなわなくても、リスクをただ保有しているだけで定期的に報酬が得られるのです。
この承認システムを「フォージング」と言います。フォージングはビットコインのマイニングに該当する概念です。
未完成なブロックチェーンである
リスクは2016年の誕生から現在まで、未だに開発やアップデートが実施されています。
まだ、ブロックチェーンとして未完成なのです。
スマートコントラクトの採用を掲げてはいますが、現時点ではまだ実装されていません。
開発のペースは相対的に遅い方だと言えます。一方で、開発が頓挫してしまっているわけでもありません。
実際、2021年8月にもアップグレードが完了し、「Lisk v3」へとメインネットが移行されました。
開発速度は速いとは言えないですが、着実に進められています。
スマートコントラクトとは?
スマートコントラクトとは、第三者の仲介なしにプログラムが自動で契約を実行する仕組みです。
あらかじめ一定の条件下で実行されるプログラムを組み込んでおくことで、仲介者が不要となりました。
ブロックチェーン技術と組み合わせて取引の透明性向上や手数料の削減などにつながります。
このスマートコントラクトを搭載している代表的なブロックチェーンがイーサリアムです。
イーサリアムは、スマートコントラクトを採用したことで、DApps開発のプラットフォームとして、ビットコインに次ぐ時価総額第2位まで到達しました。
リスクにもスマートコントラクトが搭載されるとなれば、魅力は一気に高まるでしょう。
現在の王者であるイーサリアムとどう差別化を図るのかも注目です。
発行上限が設定されていない
リスクは発行上限枚数を決めていません。
そのため通貨の過剰供給によってインフレを引き起こす可能性があります。
これは、ビットコインが2100万BTCと上限を定めているのとは対照的です。
ビットコインは上限枚数が決まっているからこそ希少性が高まっています。
とはいえ、イーサリアムにも発行上限枚数は設定されていません。
枚数による影響は必ずしも大きくはないと言えるでしょう。
さらに枚数が増えたときにどのような対応策を講じてくるのか、注目です。
ステーキング対象の銘柄である
コインチェックやビットフライヤーなど日本を代表する取引所で、リスクのステーキングサービスが提供されています。
ステーキングができるのであれば、値上がりとともに利息を目当てにリスクを長期保有する投資家も増えると考えられます。
またステーキングの期間中は預けたリスクがロックされるため、売却できません。
よって売り圧力の軽減にもつながるでしょう。
リスクのまとめ
比較的早い段階から日本でも有名になった銘柄ではありますが、リスク(LiSK)はまだまだ発展途上な分、成長余力が大いにある銘柄だと言えるでしょう。
知名度というところで、他のコインに人気を奪われてしまっているところがありますが、今後の開発次第で再び相場に勢いを取り戻す可能性はあります。
もちろん、仮想通貨市場拡大の恩恵も重なれば、今後の価格上昇に更に大きな期待できます。
DApps開発のプラットフォームとして今後さらに存在感を増してくる可能性はあります。リスクに関しては終わったのかという声もネット上にありますが、そういうことではないのです。
イーサリアム(ETH)という強力なライバルがいることにはなりますが、今後の開発などに期待されている方はリスクへの投資を検討してみても良いのではないでしょうか。仮想通貨の相場はおもしろいもので、「その銘柄の話を聞かなくなった」状態で投資すると、後で10倍になったりすることもあるのです。
つまり、開発関連ニュースが少なく、開発が遅れていると市場が認識している状態で購入し、後で大きな開発ニュースが出てくると、急騰することも考えられるということですね。急に評判が高まると、市場参加者が一気に購入にしてくるものです。
そういった時に備えて事前に買う場合は、早めに口座開設をして、価格が低い時に購入してしまいましょう。ただし、投資については絶対はないので、過信はせずに、可能な範囲の金額で投資しましょう。