イーサリアムクラシック(ETC)の歴史、特徴と今後の予想【リアルタイムチャートあり】

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【ETC/USD】リアルタイムチャート

イーサリアムクラシック(ETC)はイーサリアムから分裂された仮想通貨です。

イーサリアムクラシックが取り扱われている取引所はまだ多くありませんが、仮想通貨(暗号通貨)のなかでも比較的、人気が高いのが特徴です。

この記事ではイーサリアムクラシックとは何か、イーサリアムクラシックの歴史、イーサリアムクラシックの特徴について詳しく解説します。今後の将来性や価格の推移予想についても説明します。

目次

イーサリアムクラシックとは?

イーサリアムクラシックとは、スマートコントラクトや分散型アプリケーションを構築するためのプラットフォームです。

コミュニティの合計形成をおこなう仕組みとしてProof of Work(プルーフ・オブ・ワーク、略称はPoW)を採用しています。

イーサリアムクラシックは、2016年にイーサリアムの分裂で誕生した仮想通貨です。

イーサリアムクラシックの仕様自体はイーサリアムから派生したものですので、基本的にはイーサリアムと差がありません。

ただし、イーサリアムクラシックとイーサリアムは運営が別になっていますので、システム的な互換性は保たれていません。

発行上限のないイーサリアムに対し、イーサリアムクラシックの発行上限は約2億1,000万枚で、500万ブロックごとにマイニング報酬が20%ずつ減少します。

購入単位は『ETC』です。

承認速度に時間がかかる仮想通貨が多いなか、イーサリアムクラシックの承認速度は約15秒で完了します。

本日のイーサリアムクラシック(ETC)の時価総額や価格、市場占有率【2023年2月28日時点】

以下は、イーサリアムクラシックの価格、時価総額、市場ランキングの最新の情報となります。今後の価格予想を行う上でも、これらの情報はチェックしておきましょう。

仮想通貨(暗号資産)名称 Ethereum Classic
単位(ティッカーシンボル) ETC
価格(2023年2月28日時点 以下項目も同じ) 2,545.38円(20.904256ドル)
時価総額 355,474,286,882円
時価総額占有率(仮想通貨の総時価総額に占めるETCの割合) 0.2744%
時価総額ランキング 25位
上場以来の最高価額(ATH) 167USドル
市場流通量(循環している供給量) 139,654,610ETC
ETCのHP オフィシャルHP
2023年2月28日現在

イーサリアムクラシックを買える日本の取引所

イーサリアムクラシックを購入できる日本国内の取引所は以下となります。

  • コインチェック
  • ビットフライヤー
  • DMMビットコイン

この中でも、マネックスグループが運営するコインチェックや、暗号資産取引所として有名なビットフライヤーですと、安心感もあるのではないでしょうか。スマホにインストールするアプリの優秀さで評価されているコインチェックが最良と言えるでしょう。

ただし、レバレッジをかけた信用取引を行いたい場合には、DMMビットコインが対応しておりますので、こちらをご利用されると良いでしょう。

イーサリアムクラシックの歴史

イーサリアムクラシックがイーサリアムから分裂したのはなぜか、イーサリアムクラシックをより理解する上で大事なポイントです。

本家のイーサリアムという名前に対し、イーサリアムクラシックは後からできたにもかかわらず、なぜ「クラシック」とつくのか、歴史を紐解いていくと理由がみえてきます。

THE DAO事件

イーサリアムクラシックがイーサリアムと分裂した理由が『THE DAO事件』です。

THE DAOとはイーサリアム上で展開されたプロジェクトのことです。非中央集権の自立型で、投資先をファンドの参加者が投票で決めて、利益が出れば投資した人たちに配分するシステムになっていました。

「DAO」とは投資者に渡されるトークンのことです。

THE DAOは2016年5月にICOを開始、当時のICO額としては最高となる、約150億円という資金を集めていました。

THE DAOには「スプリット」という機能があり、DAOの運営に賛同しない場合、投資家が預けている資金をDAOから切り離し、新しいDAOを作ることができました。

スプリットは通常、一回で処理が完了しますが、資金の移動が完了する前にスプリットが何度も繰り返されるとできてしまうバグの問題がありました。

2016年、THE DAOはシステム上のその脆弱性を突かれたために、約50億円が盗まれました。この約50億円は集めた資金の3分の1以上にもなる金額です。

盗まれた資金をどうするかが話し合われ、『ソフトフォーク』と『ハードフォーク』の二種類の方法が出てきました。

ソフトフォークは口座を凍結することでハッキングが行われた取引以降のハッカーのアドレスに関わる取引を無効化し、アドレスには資金が入っているものの、取り出すことができなくなる方法です。ソフトフォークをおこなうとハッカーは盗んだ資金を取り出せなくなります。ただし、被害者も盗まれた資金が戻ってきません。

一方、ハードフォークは既存のブロックチェーンとは別のブロックチェーンを作ることで、ハッキングを受けたブロックチェーンを分岐し、ハッキングをなかったことにできる方法です。

イーサリアム開発チームはコミュニティで話し合い、賛否両論あるなかで『ハードフォーク』で不正送金が行われる前の状態に戻しました

イーサリアム開発チームが行ったハードフォークに対して、非中央集権的な仮想通貨を理想とするコミュニティが反発して分裂、これで誕生したのが「イーサリアムクラシック」です。

THE DAO事件後

イーサリアムクラシックは分裂の経緯から、イーサリアムよりも徹底した非中央集権的な仮想通貨を目指しています。この点は大きく評価されていると言えます。

イーサリアムから分裂したイーサリアムクラシックは、イーサリアムを支持していた人たちから人気を集めて、時価総額で数ある仮想通貨のなかでも上位に浮上してきました。

イーサリアムクラシックに人気が出たのは、イーサリアムとほぼ同じ仕様という面があったからですが、そのゆえにイーサリアムの価格動向の影響を受けやすいという欠点も持つことになります。

こちらのハッキング事件に関しては、2022年2月22日のフォーブス誌で、犯人名として元TenXのCEOのToby Hoenisch(トビー・ホエニッシュ)氏が挙がっていると記載されました。ただし、本人は根拠に乏しいとして関与を否定しています。

Consensus2017

Consensus2017は2017年5月22日から24日までニューヨークで行われた、ブロックチェーン関連の大型イベントです。

Consensus2017で仮想通貨の投資家グループの一つ『Coin chat club』の『JucyG』が「Bally Silberが管理しているETC trust fundで集めていた金額はETCの時価総額に比べると巨額であり、ETCが過小評価されている」と発言しました。

加えて「現在のETCの時価総額は本来の時価総額の10%以下であり、ETH(イーサリアムの通貨単位)からETCに変更する大量のプロジェクトがある」と、JucyGは3年間、毎年「390,000ドル」をETCの発展のために寄付すると発表しました。

『Berry Silber』は仮想通貨関連の大手企業『Digital Currency Group』の創業者で、『ETC trust fund』はETCの価値を引き出すことを目的に作られた投資ファンドです。

ETC trust fundに集められていた金額は「39,050,000ドル」で、ETCの当時の時価総額は「1,944,174,670ドル」といわれています。

JucyGの発言後、イーサリアムクラシックは大量に買われました。

また、この流れで中国の大手ビットコイン取引所『BTCC』が、イーサリアムクラシックの取引を『BTCC DAX』でおこなうことを発表し、大きな注目を集めました。

今後の予想と将来性

イーサリアムクラシック(ETC)の価格はイーサリアム(ETH)の影響を強く受けますが、イーサリアムのように順調に価格が伸びるコインであったかというとそうではなく、2万円を超えていたATH(過去最高価格)からは大分安い状態が続いています。

今後の価格の将来性については、アップグレードがなされていき、セキュリティ面の不安などを取り除けるかどうかがポイントになるでしょう。

ハードフォークに関しても2021年7月にMagneto(マグネトー)が予定されていましたが、未だ行われていませんので遅れているようです。

今後の予想として、イーサリアムクラシックはオワコンと言う人もいますが、セキュリティ面の不安で著しく価格を落としているので、この不安がアップデート払しょくされたタイミングでかなり大きく上がる可能性を秘めていますし、その後の価格推移は順調なものとなり1万円~1万5千円も見えてくるかもしれません。もちろんETHやBTCのその時の価格にも大きく影響は受けますが。

実際に2021年の5月には1万5千円近くまで価格が上がっているため、上昇が始まると非常に強さを見せるコインなのです。

いまだにそれなりの時価総額の順位を維持しているのは、このアップグレードによる大幅な高騰を期待している投資家がいることもその理由の1つと言えるのではないでしょうか。

なお、イーサリアムクラシックに関しても、チャートに関してはETHやBTCとの連動性は非常に高いので、主要コインのチャートの価格推移にも注目しながら取引したいものです。

イーサリアムクラシックはSleeping giant(眠れる巨人)と例える人もいますので、将来性が高いと感じる方は、下記のコインチェックの公式ページなどで購入してみても良いでしょう。

イーサリアムクラシックの特徴は?詳しく解説

イーサリアムクラシックの特徴として「スマートコントラクト」・「分散型システム」・「PoWの採用」が挙げられます。

その他、イーサリアムとの違いや資金面、セキュリティの問題についても詳しく解説します。

スマートコントラクト

スマートコントラクトはイーサリアムの最も重要な特徴の1つです。

スマートコントラクトとは、事前に執行条件と契約内容を決めておき、決めた条件に合致した場合、自動的に契約が履行される仕組みです。

イーサリアムクラシックもイーサリアムとほぼ同じ仕様のため、イーサリアムと同様にブロックチェーン上にスマートコントラクトの記述ができます

スマートコントラクトの大きなメリットは信頼性です。

契約や取引はそれまで仲介者が必要でしたが、スマートコントラクトは仲介者を必要としません。事前に定められたルールによって自動的にプログラムが実行されるからです。さらに、ブロックチェーン自体がデータの改ざん性に対する耐性が強いため、高いセキュリティレベルを担保できているのも心強いところです。

スマートコントラクトはブロックチェーン技術の可用性を高めたといえます。

分散型アプリケーション

分散型アプリケーションは単一のサーバではなく、ノードの分散ネットワークで動作が維持されるプログラムです

通常のWebアプリケーションはバックエンドとフロントエンドの両方について、単一のサーバ上でホストされています。

一方、分散型アプリケーションはバックエンドが世界中に散らばって同期化された、サーバの分散ネットワーク上でホストされています。

分散型アプリケーションのメリットは、1つのノードがネットワークから離れたり、コンポーネントに障害が起こったときでも、残りのユニットが機能して作業を引き継ぐことができるところです。つまり、ネットワークが動いている限りはアプリケーションは中断することなく、実行し続けるのです。

また、分散型アプリケーションは公開された、透明性のあるブロックチェーン上で動作していますので、分散型アプリケーションのすべてのトランザクションが見られている状態です。透明性が維持できることで強いセキュリティが構築されています。

分散型システムの維持はイーサリアムクラシックの誕生過程に大きく影響した考え方であり、本来の分散型システムとしての理念を重視する人たちから厚い支持を受けています。

分散型システムを支持する人たちはコードを絶対視しており、「コードこそが法」という確固たる信念を持っています。

非中央集権性を追求するにあたり、「コミュニティの多数決のによる合意形成」「コードに則った合意形成」か、どちらを重要視するか非常に難しい選択を常に迫られることになります。

資金不足

イーサリアムクラシックはイーサリアムに比べると、資金も人材も圧倒的に不足しており、不安定な要素が多くなっています。この点はイーサリアムクラシックのデメリットであると言えるでしょう。

乱高下が激しい仮想通貨の世界では、価格が下落することは珍しくなく、価格の下落で資金不足になるグループも発生しています。

代表的な事例がイーサリアムクラシックの運営元『ETCDEV』で、資金難で運営停止に追い込まれてしまいました。

PoWを採用

イーサリアムクラシックはPoW(Proof of Work)を採用しています

PoWとはビットコインを始めとした仮想通貨の取引や、送金データをブロックチェーンに正しくつなぐための仕組みです。

仮想通貨を支えるシステムは、政府や官公庁、銀行のように管理機能を持つ中央が存在していませんので、中央の監視者がいなくてもデータが改ざんできない仕組みが必要です。

PoWは必要な計算を成功させた人がそのデータを承認し、正しくブロックチェーンにつなぎこむ役割を担っており、取引や送金が発生した際にそのデータが他の人によって承認されて初めてブロックチェーンにつながれます。

また、PoWは『コンセンサスアルゴリズム』といって、マイナーによるマイニングによりデータの正しさについてコンセンサスを得る仕組みがあります。

ただしPoWにはメリットもデメリットもあります。

メリットは改ざんが極めて難しいところです。

PoWを改ざんするには数多くのコンピュータと人材、資金、電力量が必要なため、マイニングに比べてはるかに効率が悪く、データを改ざんして利益を得るよりもマイニングの報酬を受け取るメリットが上回っているのです。

デメリットはマイニングによる膨大な電力消費です。

マイニングはマイニングをおこなうCPUの計算能力を高めなければなりません。計算速度を速めるためにはコンピュータを大量につなぐ必要があります。コンピュータが大量に必要になるということは、それだけ消費電力量が極めて大きくなることを意味しますので、一個人では到底できません。

そうなると資本力のある大きな組織がやることになるのですが、資本力のある組織は限られます。結果としてその組織は強くなりますので、マイニングが組織に偏ってしまうのです。

セキュリティの脆弱性

イーサリアムクラシックは51%攻撃といわれるハッキングをこれまで3回受けており、セキュリティの脆弱性もデメリットの一つです。

51%攻撃とは、悪意のある個人またはグループがネットワーク全体の採掘速度の50%以上を支配して不正な取引をおこなう手口です。

ひとつのノードが全体の計算能力の50%以上を支配することにより、不正な取引が正当化され、逆に正当な取引は拒否、それで採掘の独占が行われてしまうのです。この点は改善が求められるところです。

しかしながら現在のところ、51%攻撃に対抗する有効な手段はありません。

発行枚数

イーサリアムは今のところ、発行枚数は決まっていませんが、イーサリアムクラシックは上限が約2億1,000万枚だといわれています。

発行枚数の上限があることで、イーサリアムクラシックは有限の資産とみなされ、需要と供給のバランスによっては価格上昇が起きやすくなる要素を含んでいます。仮想通貨投資においては、無制限に発行されるよりも、制限があった方が貴重性が高まるので、価格が上がりやすいのです。

イーサリアムクラシックのまとめ

イーサリアムクラシックはIoT分野で普及しています。

IoT分野に普及した要因として、イーサリアムクラシックがイーサリアムと差別化するために、IoT分野への活用で積極的に事業展開したことが上げられます。

仮想通貨には明るい話題が多い一方で、常に世界各国から規制強化される可能性というリスクがつきまといます。

世界各国で仮想通貨に対する規制強化の動きが出てくれば、イーサリアムクラシックの価格が下落することは避けられません。仮想通貨にとって規制強化は価格下落をもたらす原因となるからです。

仮想通貨は今後も政治に左右される可能性があります。

ただし、規制などによって価格が上がったり、下がったりする中でも、その利便性や性能が市場に認められるコインは徐々にシェアを伸ばしていくものです。

イーサリアムクラシックを取り扱っている仮想通貨取引所は現在、bitFlyer、Coincheck、DMM、Bitcoinだけですが、今後、取り扱う取引所が増えてくれば、利便性の良さから価格が上昇する可能性があります。

イーサリアムクラシックは仮想通貨のなかでも代表的なものの一つですし、2022年に大型アップデートが実行されるような場合には、急騰する可能性も十分にあります。そういったアップデートを予想して投資をする人にとっては、ETCの価格が割安と感じられるでしょう。今後も要注目です。

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