仮想通貨を取引しようとするとき取引所を選ぶ必要があります。その際の選定の基準で気になるのが手数料です。
取引はできるだけ低コストで抑えたいですよね。仮想通貨の手数料には色々な種類があり、初心者にはわかりにくいと思います。
今回は仮想通貨取引所の各種手数料についてしっかりと解説し、手数料を徹底比較してどこの取引所がおすすめなのかご紹介していきます!
仮想通貨取引所の手数料の種類はどれくらいある?
仮想通貨取引所を利用するときにかかる手数料を主に次の5つに分けて、わかりやすく解説していきます。
- 現物取引の取引手数料・スプレッド
- レバレッジ取引の取引手数料
- 日本円の入出金手数料
- マイナス手数料
- スプレッドも手数料として認識
現物取引の取引手数料・スプレッド
現物取引にかかる取引手数料は「販売所」形式と「取引所」形式で2通りあります。取引所の方が販売所より手数料コストがかからずおすすめです。
「販売所」と「取引所」が何が違うのか比較してみました。
販売所 | 取引所 | |
---|---|---|
取引相手 | 仮想通貨取引所 | ユーザー(顧客)同士 |
注文の約定力 | ◎ すぐに成立 | △ 売買が成立しない場合がある |
操作 | ◎ 簡単 | △ やや複雑 |
取引コスト(手数料) | △ スプレッドがかかり割高 | ◎ 安い |
取引所の手数料の方が販売所より有利
手数料は安く抑えて、取引所をなるべく利用したいところですが、次の3点に注意してください。
- 販売所のみで取引所を設定していない仮想通貨取引所もある
- 取引所があっても取扱通貨種は少なめの仮想通貨取引所がある(=アルトコインは取引所が利用できないことが多い)
- 通貨ごと(ビットコインやその他のアルトコインごと)に手数料が異なる
販売所でかかるスプレッドとは
販売所の価格には「スプレッド」がかかっています。このスプレッドについて詳しく解説します。
スプレッドは購入価格と売却価格の差額で実質的な手数料
販売所での取引にかかるスプレッドとは、購入価格と売却価格の差額のことです。実質的には顧客(ユーザー)が仮想通貨取引所に払う手数料になっています。一般的に取引所の手数料より高く設定されています。
(購入価格)300万円 - (売却価格)275万円 = (※スプレッド)25万円
スプレッドは変動し一定ではない
仮想通貨のスプレッドは、仮想通貨取引所ごとに異なりますし、同じ仮想通貨取引所でもタイミングによって変動します。さらには、仮想通貨の銘柄(ビットコインやイーサリアム、モナコインなど)ごとにも異なります。
たとえば、コインチェックでのスプレッドは「0.1〜5.0% 」ただし「※価格の急変時や市場の流動性などにより、上記を超える手数料相当額を含んだ売買価格を提示する場合があります。」と幅広くスプレッドを設定しております。(スプレッドを%で公表していない仮想通貨取引所もあります)
- 仮想通貨の価格が暴騰したり急落したりするとき
- 流動性が低い時(=取引の出来高が少ない時)
- 取引高の少ないアルトコインの取引
一時的なスプレッドを理由に仮想通貨取引所を選ぶのではなく、スプレッドを意識して購入するタイミングを計る方がよいでしょう。
レバレッジ取引の取引手数料
レバレッジ取引とは、口座に預け入れた証拠金(自己資金)を担保に、証拠金よりも多額の仮想通貨取引ができるので、高利回りを狙える取引方法です。レバレッジ取引にかかる3つの手数料を解説します。
1.レバレッジ手数料
仮想通貨の証拠金取引では、ポジション(建玉)を保有し続けるために「レバレッジ手数料」が必要になります。これはポジションを翌営業日に持ち越すたびに、終値から計算した評価金額に対してかかるものです。
- 買いポジションレバレッジ手数料 = 買建数量 × 買値(終値) × 0.04 %
- 売りポジションレバレッジ手数料 = 売建数量 × 売値(終値) × 0.04 %
2.ロストカット手数料
レバレッジ取引では、損失の拡大を防ぐための強制的に決済が実行されるロスカット制度があります。
多くの仮想通貨取引所ではロスカットが執行されると「ロスカット手数料」を顧客(ユーザー)が自己負担しなければなりません。
3.取引手数料・スプレッド
レバレッジ取引でも現物取引と同様に、「取引所」と「販売所」の2種類の方式によって、取引所なら取引手数料、販売所ならスプレッドがコストとしてかかります。
日本円の入出金手数料
仮想通貨の購入のためには、銀行口座などから仮想通貨取引所に円を送金しますし、仮想通貨を売却して円に変えるときにも銀行口座へ送金します。この場合の手数料にも着目しておきましょう。
1.入金時
基本的には手数料が安い銀行振込がおすすめですが、コンビニなどからの入金を受け付けている仮想通貨取引所もあります。
銀行の振込手数料
ネットバンキングなどでは手数料が無料でになる場合があります。ただし仮想通貨取引所ごとに該当の無料手数料となる銀行が異なるのでよくチェックしましょう。
コンビニなどからの入金手数料
コインチェックなどコンビニ入金やクイック入金ができる仮想通貨取引所もあります。
銀行振込よりも反映時間が短いのがメリットですが、手数料は銀行の振込手数料より高くなります。数百円~で、振込金額によって変動し、入金額から差し引かれます。
2.出金時
出金手数料は仮想通貨取引所によって「有料」と「無料」にわかれます。
無料の仮想通貨取引所を選ぶと有利で「DMMビットコイン」、「GMOコイン」、「BITPoint」などが該当します。
仮想通貨(暗号資産)の送金手数料
仮想通貨の送金手数料とは、「ウォレット間を移動させるときにかかる手数料」です。
仮想通貨取引所にある通貨を、保管のためにセキュリティの高いハードウェアウォレットに移動したり、DeFiで使ったりNFT購入の支払いのためにメタマスクへ移動させるときなどにかかります。
マイナス手数料
仮想通貨取引所のなかには「マイナス手数料」を設定しているところがあります。
たとえばGMOコインのMaker取引で-0.012%、bitbankで-0.02%です。
マイナス手数料は「取引所」方式の手数料報酬
マイナス手数料とは、その名の通り、手数料がマイナスになる、つまり逆にユーザーが取引所から受け取れる報奨金のことです。
マイナス手数料は 「販売所」ではなく「取引所」で「Maker」側に設定されています。
Makerはトレードする度に受け取れるので、レバレッジを利用したスキャルピング(短期間に高頻度で取引すること)やデイトレードでメリットが大きくなります。
マイナス手数料を得られるMakerとは
Maker(メイカー)とは「取引所(板取引)」で「流動性を提供する」側のことです。
取引板にない価格で「指値注文」を並べる(表示させる)こと、またその注文によって約定した取引を指します。
一般的に、すぐには約定せず、まず取引板に並べて、売買相手を待つ状態になります。
また、Taker(テイカー)とは「板に並べられた価格で買う」側です。
取引板に並んでいる既存の注文で約定する取引、取引板に並んでいる注文に合わせた約定をする取引を指します。
「成行注文」は数量だけ指定するのですべてTaker取引で、「指値注文」の一部も該当します。
Makerが手数料報酬を得られるワケ
Makerは取引所に「流動性を提供」しています。つまり、「相場をMakeする」役割を意味しており、Makerの行動によって相場が成り立っているわけです。
Makerが少なく流動性が乏しい取引所は、希望価格で価格で約定しにくいため、人気がなくなります。
一方、Makerが多く流動性が高い取引所は、取引が安定して行えるので、ますます人気になります。
だから一部の仮想通貨取引所は、流動性を提供してくれるユーザーのインセンティブとしてマイナス手数料を設定しているわけです。
マイナス手数料を得るための2ステップ
マイナス手数料を受け取る方法は至ってシンプル、条件は2つです。
マイナス手数料を設定しているのは、GMOコインや’bitbankが該当となります。
マイナス手数料を設定している仮想通貨取引所の「取引所」はすべてではありません。検討時にはまずこの点を確認しましょう。
スプレッドも手数料として認識
仮想通貨取引所ではよく、「販売所手数料は無料」と記載がありますが、実際には「販売所」では「取引所」よりも高い価格で仮想通貨が販売されているのは上述の通りです。
販売所では「スプレッド」(仮想通貨の買値と売値の差)」がかかっていて、これが実質的に仮想通貨取引所が徴収する手数料になっています。
スプレッドはそれぞれの仮想通貨取引所で異なり、タイミングや通貨種によっても変動するので、一時的なスプレッドを理由に仮想通貨取引所を選ぶのではなく、スプレッドも手数料として意識し、購入するタイミングを計るようにしましょう。
必見!仮想通貨の取引の際に手数料を安く抑えるコツ
仮想通貨取引所の利用にかかる手数料はさまざまありますが、安く抑えるコツが3つあります。
手数料無料が多い取引所を選ぶ
仮想通貨取引所は、各社ごと取り扱っている通貨の種類やサービスに違いがあるため手数料の設定もさまざまです。利用目的や利用したいサービスの優先度を検討し、トータルで手数料が安く抑えられる仮想通貨取引所を選ぶのがポイントです。
具体的には、「現物取引だけでなくレバレッジ取引も利用したいのか」「ビットコインだけでよいのかイーサリアムやマイナーなアルトコインの取引もしたいのか」「小額取引かまとまった額の取引か」などが検討事項になります。
入金・出金・送金回数を減らす
仮想通貨の取引は、銀行⇔仮想通貨取引所間の円の入出金や、仮想通貨の送金のたびに手数料がかかります。
頻繁に取引するとそれだけで手数料がかさんでしまいますので、取引回数を減らしてまとめて取引するようにしましょう。
取引時の仮想通貨の取り扱いには注意点があります。
メタマスクなどのウォレットのアドレスを誤って入力し、仮想通貨を送金した場合は、永遠に資金が取り戻せなくなってしまいます。
仮想通貨に特有の文化で「自己責任」の世界です。初回の送金は小額で試すのがおすすめです。無事に着金したのを確認してから、まとまった額を送金すると安心です。
販売所ではなく「取引所」を利用する
「販売所」と「取引所」の2種類の取引方式を用意している仮想通貨取引所では、取引所を利用する方が手数料が安くすみます。2点を押さえれば、取引所での取引を成功させやすいでしょう。
- 流動性の高い仮想通貨取引所を選ぶ
- 操作に慣れる
流動性の高い仮想通貨取引所を選ぶ
取引所ではユーザー同士で取引するので、ユーザー数が少なかったり、仮想通貨の流動性が低い(=供給が充分でない)場合、取引が成立しにくいリスクがあります。
ですので、取引高と流動性が高い仮想通貨取引所を選んでおきましょう。おすすめは人気の取引所「コインチェック」となります。人気だからこそ取引も数多くされており、流動性も高い取引所となります。
操作に慣れる
取引所の売買操作画面は販売所に比べてやや複雑です。といってもユーザーフレンドリーに作られていますので、そこまで操作が大変なものではありません。各社が用意しているマニュアルなどで操作方法をしっかり確認しましょう。取引所を利用できれば、手数料が抑えられます。
取引したい通貨が取引所で取り扱いがあるかも事前に確認しておきましょう。
手数料が安い!おすすめ取引所ランキング
ここからは手数料を徹底比較のうえ、おすすめの取引所をピックアップします。ぜひ参考にしてください。
1位:コインチェック
1位は、アプリダウンロード数でも堂々No1(※1)のコインチェックです。
※1:対象は国内の暗号資産取引アプリ、期間:2019年〜2021年、データ協力:AppTweak
手数料 | コインチェック |
---|---|
取引手数料【取引所】※BTCの場合 | 無料 |
取扱通貨数【取引所】 | 6種(BTC,ETC,LSK,MONA,OMG,PLT) |
取引手数料【販売所】 ※BTCの場合 | 無料 ※スプレッド有 |
取扱通貨数【販売所】 | 18種以上 |
レバレッジ取扱通貨種 | ー |
レバレッジ率 | ー |
レバレッジ手数料 | ー |
ロスカット手数料 | ー |
日本円の入金手数料 | 銀行振込:無料 コンビニ入金: ・3万円未満770円 ・3万円以上30万円以下1,100円 クイック入金: ・3万円未満770円 ・3万円以上50万円未満1018円 ・50万円以上は入金金額×0.11% + 495 円 |
日本円の出金手数料 | 407円 |
仮想通貨の送金手数料 | 0.0005BTC |
コインチェックのおすすめポイント
- 卓越した操作性アプリダウンロード数No.1 ※1
- 国内トップレベルの仮想通貨取扱数(2022年5月金融庁暗号資産交換業者登録対象、自社調べ)
- 『大口OTC取引サービス』なら有利なレートで取引可能
コインチェックは新規ユーザーに絶大な人気があります。スマホアプリは取引所での売買に未対応ですが、ブラウザからは取引所での取引が可能です。
一度に数千万円以上取引する人には、ビットコインやイーサリアムの取引手数料が無料で有利なレートで取引できる『大口OTC取引サービス』があります。
2位:DMMビットコイン
2位は、豊富な通貨でレバレッジ取引も可能、各種手数料も無料でうれしいDMMビットコインです。
手数料 | DMMビットコイン |
---|---|
取引手数料【取引所】※BTCの場合 | BitMatch:0.01BTCあたり 24円 |
取扱通貨数【取引所】 | 17種(BTC,ETHほか) |
取引手数料【販売所】 ※BTCの場合 | 無料 ※スプレッド有 |
取扱通貨数【販売所】 | 17種 |
レバレッジ取扱通貨種 | 24種(BTC,ETHほか) |
レバレッジ率 | 2倍 |
レバレッジ手数料 | ポジション金額の0.04% / 日 |
ロスカット手数料 | 無料 |
日本円の入金手数料 | 銀行振込:無料 クイック入金:無料 |
日本円の出金手数料 | 無料 |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
DMMビットコインのおすすめポイント
- 各種取引手数料無料(BitMatch取引手数料を除く)
- レバレッジ取引の取扱仮想通貨種類国内No.1(2022年9月現在、国内暗号資産交換業者のWEBサイト調べ)
- サポートが充実
DMMビットコインは各種手数料が無料なのがうれしいポイントです。
24種(2022年12月現在)の仮想通貨の取扱があり、レバレッジ取引も可能。アルトコインも含めて積極的なトレードにチャレンジしたい人におすすめです。
3位:GMOコイン
3位は、マイナス手数料で報酬も受け取れるGMOコインです。
手数料 | GMOコイン |
---|---|
取引手数料【取引所】※BTCの場合 | Maker:-0.01% Taker:0.05% |
取扱通貨数【取引所】 | 21種(BTC,ETHほか) |
取引手数料【販売所】 ※BTCの場合 | 無料 ※スプレッド有 |
取扱通貨数【販売所】 | 21種 |
レバレッジ取扱通貨種 | 5種BTC、ETHほか |
レバレッジ率 | 2倍 |
レバレッジ手数料 | ポジション金額の0.04% / 日 |
ロスカット手数料 | 建玉ごとに0.5% |
日本円の入金手数料 | 銀行振込:無料 即時入金:無料 |
日本円の出金手数料 | 無料※大口出金は440円 |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
GMOコインのおすすめポイント
- 各種手数料が無料
- 豊富な通貨でレバレッジ取引もできる
- マイナス手数料設定がある
GMOコインは各種手数料が無料なのがうれしいポイント。
取引所のMakerマイナス手数料設定が報酬となるので、レバレッジを利用したスキャルピング(短期間に高頻度で取引すること)やデイトレードをしたい人におすすめできます。
取引可能な通貨の種類も豊富で、バランスよくサービス展開している仮想通貨取引所です。
最低出金金額が1万円となっているため、出金はまとめてするようにしましょう。
4位:BITPoint
4位は、レンディングサービスも展開しているBITPointです。
手数料 | BITPoint |
---|---|
取引手数料【取引所】※BTCの場合 | 無料 |
取扱通貨数【取引所】 | 10種(BTC,ETHほか) |
取引手数料【販売所】 ※BTCの場合 | 無料 ※スプレッド有 |
取扱通貨数【販売所】 | 15種 |
レバレッジ取扱通貨種 | – |
レバレッジ率 | – |
レバレッジ手数料 | – |
ロスカット手数料 | – |
日本円の入金手数料 | 銀行振込:無料 即時入金:無料 |
日本円の出金手数料 | 無料 |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
BITPointのおすすめポイント
- 各種手数料が無料
- アルトコインの取り扱いで群を抜く
- レンディングができる
BITPointは各種手数料が無料なのがうれしいポイントです。
珍しいアルトコインも豊富に扱っている点で目立つ存在です。
レバレッジ取引は設定がないものの、レンディングサービスがあり、利用すれば一定期間経過後に賃借料を受け取ることができます。
5位:bitbank
5位には、取引量が国内No.1のbitbankがランクイン。
手数料 | bitbank |
---|---|
取引手数料【取引所】※BTCの場合 | Maker -0.02% Taker 0.12% |
取扱通貨数【取引所】 | 22種(BTC,ETHほか) |
取引手数料【販売所】 ※BTCの場合 | 無料 ※スプレッド有 |
取扱通貨数【販売所】 | 20種 |
レバレッジ取扱通貨種 | – |
レバレッジ率 | – |
レバレッジ手数料 | – |
ロスカット手数料 | – |
日本円の入金手数料 | 銀行振込:無料 即時入金:無料 |
日本円の出金手数料 | 550円 3万円以上は770円 |
仮想通貨の送金手数料 | 0.0006 BTC |
bitbankのおすすめポイント
- 取引量が国内No.1※2021年2月14日CoinMarketCap調べ各種手数料が無料
- マイナス手数料設定がある
bitbankは国内の全仮想通貨取引所中の取引量が国内No1なので、売買が成立しやすく安心です。
各種手数料が無料で、取引所のMakerマイナス手数料設定があるのもうれしいポイント。Maker取引に対しては売買金額の0.02%が報奨金として付与されます。
まとめ
この記事では、仮想通貨取引所の手数料にフォーカスして解説しました。
仮想通貨取引所の利用には、出入金・送金・取引方法別によってさまざまな手数料がかかります。
仮想通貨取引所を選ぶときは、希望する取引形態や通貨の種類によって優先度をつけるとよいでしょう。
または、一般的に仮想通貨取引所は口座開設や口座維持は無料のため、複数の会社に口座開設しておき、取引によって使い分けるのもおすすめです。