USD Coin(USDC)はステーブルコインと呼ばれています。ステーブルコインとは価格が安定している値動きのないコインです。ステーブルコインの中でも安全性が高いと考えられています。したがって、投資の対象にはならない仮想通貨です(レンディングで利息を受け取ることは可能です)。
投資のならない仮想通貨にではありますが、ステーブルコインは仮想通貨取引をする上で、非常に重要な仮想通貨の一つです。その歴史や特徴、又、USDCとUSDTの違いについて解説いたします。
USD Coin(USDC)とは?
USD Coin(USDC)は、米国に本社を置くcircle社が発行するドルペッグの仮想通貨になります。発行元のcircle社は、より安全性を重視したステーブルコインとしてUSDCを開発しました。主な特徴を説明します。海外取引所で使われているコインで、日本国内の取引所でビットコイン(BTC)やリップル(XRP)などの仮想通貨を購入して、それを海外口座に送金してからUSDCを手に入れましょう。
コインチェックですと初心者の人でも簡単に使えますし、送金も非常に簡単にできます。
ドルと価格が連動するドルペッグのステーブルコイン
ドルペッグとはドルと価格が連動するという意味で、基本的には1通貨辺り1ドルになるように設定されている仮想通貨です。ステーブルコイン(価格が安定しているコイン)などとも表現される仮想通貨で、価格が安定していることが特徴です。
価格変動がないため投資対象として扱われていない。
USD Coinは価格変動がないステーブルコインのため、投資対象としては扱われていません。ステーブルコインがあると、ボラティリティの大きい仮想通貨運用をする際に非常に便利です。主に以下のような用途に使われます。
- 下げ相場などで、資産を価格変動のリスク回避させて保管。
- 他の仮想通貨と交換するための決済用通貨として利用。
価格は1USD Coin当たり1ドルになるように設定されています。このようなステーブルコインのお陰で、投資家の利便性が向上します。
USD Coinのステーブルコインの中での位置づけ
USD Coinは、ステーブルコイン(価格が安定しているコイン)の中では2番目に時価総額が大きな仮想通貨となります。
成長が著しいステーブルコインで、時価総額が2021年から2倍に成長しています。2021年時点での時価総額ランキングは、10~15位程度を推移している状況でしたが、2022年12月時点では、仮想通貨全体の中でも時価総額で第5位に位置付けています。
レンディングサービスも確認してみよう
ステーブルコインであるUSDCは売買などをしても儲かるものではありませんが、レンディングで金利を得ることはできますので、レンディングサービスの有無を都度調べてみても良いでしょう。
銀行の預金利息などに比べると、レンディングははるかに有利な利率となっています。
レンディングで事故に会うような確率は極めて小さいと言えるでしょうが、銀行のようないざとなったら国の保護を受けられたり、保険の対象となる機関が運営するわけではないということは、一応はご認識ください。
法定通貨を担保にしている「法定通貨担保型」
ステーブルコインは価格を安定させるための仕組みの違いにより次の3つの種類に分類されます。
- 「法定通貨担保型」:ドルなどの法定通貨を担保にしている
- 「仮想通貨担保型」:仮想通貨を担保にしている
- 「無担保型」:担保がなく通貨供給量の調整で
USD Coinは、「法定通貨担保型」のステーブルと呼ばれる分類に属するステーブルコインです。
本日のUSD Coin(USDC)の時価総額や価格、市場占有率【2023年2月28日時点】USDCの最新の時価総額や価格、市場流通量などの情報は以下となります。
仮想通貨(暗号資産)名称 | USD Coin |
---|---|
単位(ティッカーシンボル) | USDC |
価格(2023年2月28日時点 以下項目も同じ) | 121.75917364円(0.999962ドル) |
時価総額 | 5,183,641,674,420円 |
時価総額占有率(仮想通貨の総時価総額に占めるUSDCの割合) | 4.0012% |
時価総額ランキング | 5位 |
上場以来の最高価額(ATH) | 2.35ドル |
市場流通量(循環している供給量) | 42,572,904,526USDC |
USDCのHP | オフィシャルHP |
USDTとUSDCの違いとは
USDTはTetherのことで、USDCはUSD Coinのことです。本項ではUSDT、USDCで統一します。両方とも米ドルに連動するタイプのステーブルコインである点は共通しています。
同じ米ドル連動型のステーブルコインであるUSDTとUSDCはどのような違いがあるのかを、信頼性や時価総額に着目してご紹介します。
担保に関する信頼性の違い
USDTとUSDCは、ともに米ドルを担保にしている「法定通貨担保型」のステーブルコインとなります。つまり、価値を保証するため、通貨の発行枚数と同量の法定通貨を保有することになります。
残念ながら、この担保の部分でUSDCの方が信頼性・安全性が高いとみなされています。理由は以下に説明するテザー疑惑により、USDTの信頼性が懸念されているためです。
テザー疑惑
テザー疑惑とは、発行元であるTether社が仮想通貨の発行枚数と同量の米ドルを保有していない懸念があると指摘されている問題です。
前述のとおりUSDTは法定通貨担保型のステーブルコインとなります。つまり、発行済みのUSDTをすべて米ドルに換金できなければなりません。しかしながら、Tether社は発行済みUSDTのすべてを交換するための米ドルを保有していないのではないかという疑惑があります。これをテザー疑惑と呼びます。
これに対して、Teher社は疑惑を否定していますが、現在でもその疑惑は続いていて、解消されているわけではありません。
USDCは信頼性が高い
一方、USDCにはテザー疑惑のような心配はありません。
USDC発行母体であるCircle社には、米大手投資銀行「ゴールドマン・サックス」と大手仮想通貨取引所「コインベース」も携わっています。ニューヨーク州で仮想通貨事業のライセンスを取得し、米シカゴを拠点する大手会計事務所グラントソントンからの監査結果も公開するなど透明性が非常に高い事業運営を行っています。
非常に安心できる材料が揃っており、USDCの方が安心だとみなす流れがあります。
時価総額の違い
2022年12月時点でそれぞれの時価総額のランキングは次のようになっており、USDCはステーブルコインとしては2番目の人気です。
USDT:時価総額全体3位(ステーブルコインとしては1位)
USDC:時価総額全体4位(ステーブルコインとしては2位)
このように時価総額でともに上位に位置付けています。近年のステーブルコインブームによるものです。Teherのほうが上位に位置付けていますが、テザー疑惑のような信頼性の問題もあるので、現時点ではUSDCのほうが安全性面からすると、多少有利な状況と言え、おすすめできます。Teherは仮想通貨取引を行う上での基軸通貨のような役割をしているので、仮想通貨市場全体に与える影響も大きいです。Teher社に一日でもはや疑惑を解消してほしいものです。
以下、USDT・USDCの違いをわかりやすく表にまとめました。
USDT | USDC | |
---|---|---|
発行年月 | 2015年2月 | 2018年10月 |
発行母体 | Tether社 | Circle社 |
時価総額 | 約679億ドル | 約476億ドル |
担保 | 現金および現金同等物 | 現金および現金同等物 |
公式サイト | https://tether.to/ | https://www.centre.io/usdc |
USD Coinの歴史
CoinbaseとCircleによって、USD Coinを運用する機関である「CENTRE」が2018年に立ち上げられました。近年非常に大きな動きが続出しているので、以下で主なイベントを見ていきましょう。
Circle社がニューヨーク証券取引所上場へ
2021年Circle社は、特別買収目的会社(SPAC)であるConcord Acquisitionとの合併を通じてニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場すると発表しました。いわゆるSPAC上場という形態での上場です。Circle社の合併後の時価総額は45億ドルになりました。
なお、SPACとは、「Special Purpose Acquisition Company」の略称となります。「特別買収目的会社」と邦訳されます。特定の事業を持つわけではなく、未公開会社の買収を目的に設立される企業を言います。
それまでのステーブルコインは、最大の流通額を誇るTetherの一強の時代が長らく続いていましたが、テザーショックにより、その安全性に懸念が生じたこたことで、風向きが変わりました。
Tetherの代わりとなる、安全なドルペッグのステーブルコインに対するニーズが急激に高まり、USD Coinの需要が高まりました。この上場は、その運営母体となるCircle社への評価が高まったことの表れでもあります。
このSPAC上場についての同社のプレゼンテーションでは、USDコインの流通額は2023年までに1900億ドルになると予想しており、現在の260億ドルから7倍の成長が見込まれている。そうなった場合、仮想通貨全体での時価総額も、ビットコインやイーサリアムに次ぐ規模となり、Tetherを大きく抜き去ることになるでしょう。
Circle社の企業としての時価総額が1兆円に
2022年にはCircle社は、SPACと先の上場に伴い結んだ契約を解消し、新たな取引条件で合意しました。
一年前の上場時の企業としての時価総額が45億ドルで、この時点での時価総額90億ドルなので、一年間で2倍に急成長をしたことになり、驚異的な成長を遂げました。
この成長の要因は市場が以下のような、circle社のスタンスを評価したためと考えられています。
規制当局との良好な関係構築
Circle社は、上場を発表した1ヶ月後に、米国で暗号通貨の国法銀行(National Bank)となることを目標にすると公表してました。これは、規制当局と良好な関係を築くことに重きを置くスタンスを取ること意味します。同時に、Circle社は銀行などの既存金融と同等の規制遵守を望む立場を表明しました。お金にまつわることですので、やはり当局との良好な関係は消費者の安心につながり、真逆のスタンスを取るTether社と一線を画することになりました。
USD Coinの運用実績が評価される
Circle社の時価総額が倍増した背景としては、USD Coinの成長と市場シェアの拡大が大きな要因です。USDCの流通量は2021年の上場発表時から2倍以上に増え、約530億ドルに達しています。
イーサリアムブロックチェーン上でのUSD Coinの総供給量がTetherを抜く
イーサリアム・ブロックチェーン上のUSDCの総供給量がTetherを上回りました。これは、分散型金融(DeFi)市場で、USDC利用が大幅に増加したことを意味しています。非中央集権である、分散型取引所での支持は、市場参加者からのダイレクトな支持を意味することになり、非常にポジティブなニュースといえます。
利用者が増加するUSDCですが、こちらを手に入れる場合に先に日本の暗号資産取引所の口座を持つなら、取り扱い銘柄も多く、大手が運営しているコインチェックが安心だと思います。
USD Coin(USDC)の特徴は?詳しく解説
USDCは仮想通貨のなかでも特に高い信頼を獲得しています。USDCが高い信頼を得た理由としては、以下のような理由があります。
- そもそも米ドルに連動して値動きするように設計されているため価格が安定している
- ゴールドマンサックス社の強力な支援を得ている
- 金融規制当局への仮想通貨事業の申請をしている
- 毎月大手会計事務所からの監査を受けている
それでは、それぞれの理由について、詳しく解説していきます。
米ドルペッグ
当たり前の話ではありますが、経済大国アメリカの法定通貨である米ドルと相関をもつため、政治や経済の情勢に影響を受けにくいです。世界には米ドルを買うことで自身の資産を守りたいという希望を持つ人がいますが、金融インフラの未整備など様々な理由で米ドルを買えない人が多数います。このような人たちにとって、スマホ一台あれば購入することができるステーブルコインは非常にありがたい存在です。
一方で、そういった守りを重視したニーズの場合、テザーショックのようなネガティブニュースは致命的になります。その点、金融当局と友好的な姿勢を指名しているUSDCは安心できるので、人気が高まっているのです。
ゴールドマンサックス社の支援
Circle社は、アメリカの金融大手企業であるゴールドマンサックス社から出資を得ています。仮想通貨市場においては、信頼度の高い投資からバックアップを受けていることは大きな安心になります。
世界に名をはせる大手投資銀行がバックアップしている事実は、玉石混合の仮想通貨市場においては非常に大きな競合優位性になります。
金融規制当局へ仮想通貨事業を申請
Circle社は、ニューヨーク州の金融サービス局から「Bit Licence」を得ています。「Bit Licence」は仮想通貨事業を行うことをニューヨーク州が許可した場合に与えられる免許です。
また、サークル社は米国財務省管轄の 「FinCEN」に登録されています。「FinCEN」は金融犯罪を取り締まるネットワークです。これに登録されているということは、犯罪収益に仮想通貨が利用されるのではないかという市場からの懸念を払拭する効果があります。
大手会計事務所からの監査
Circle社は毎月大手会計事務所から監査を受けています。監査結果を公開し、高い透明性を維持しているのです。ステーブルコインは担保となる資産への信頼性が、非常に大切になってきますので、このようなCircle社の姿勢は市場化ならかなり好意的に受け止められています。
USD Coinのまとめ
USD Coinの特徴を一言で表すのであれば、信頼性です。金融当局との友好姿勢や、担保資産の透明性など、投資家が安心するために求める要素を一通り満たしているといえます。USDTのテザー疑惑のような疑いもかけられたことがないので、USDCの方が安全と考える投資家も多くいるため、この点がUSDCとUSDTの最も大きな違いでしょう。
また、自身の資産を守るために、ドルを買いたくても、買えなかった人々がスマホ一大で手軽にリーチできるようになったことで、ステーブルコインの人気は世界中に高まっていますが、一番安心感の高いステーブルコインとしての位置づけを確保したことで、投資家からの人気を得ています。
USD Coinは、ドルに価格が連動しているため、投資の対象とは言えないかもしれませんが、今後仮想通貨の取引を行う際には、チェックしておくべき頼りになる存在となることでしょう。
USDCを手に入れて海外取引所で取引するために、先に国内取引所が必要となりますが、その際には、利用者が多く、初心者でも使いやすいコインチェックがおすすめです。