トロンはブロックチェーン技術に基づいた分散型の動画配信プラットフォームです。
ライブ配信や動画などのデジタルコンテンツを配信することができます。このプラットフォームで使用される通貨がTRXとなります。
例えば投げ機能などに使われることが想定されているようです。単なる動画配信プラットフォームではなく奥深いプロジェクトでもありますので、今回はそのトロンの歴史や特徴、今後の価格の予測についてご紹介します。
トロン(TRX)とは?
トロンはブロックチェーン技術と分散型アプリケーション(所謂DApps)を通して、動画配信プラットフォームの分散化に取り組んでいます。 2017年9月にジャスティン・サンという人物によって設立されました。
メインネットは2018年5月に稼働し、これまでに数多くの成果を上げています。 2018年7月にはトロン財団がアメリカのソフトウェア開発会社である「BitTorrent」社の買収に成功しました。
その後、「BitTorrent」はTRON経済圏(エコシステム)に正式に統合され、現在では月間アクティブユーザー数が1億人を超える分散型サービスプロバイダーとして稼働しています。
また、トロン財団公式ホームページによると、ここ数年でTRONネットワークは成長を続けており、ユーザー数は8,800万人を超え、トランザクション数は31億を超えているという状況です。
そして、2021年12月には、TRONネットワークは完全に分散化されました。コミュニティによって完全に自律的なDAOになり、トロン保有者が自主的に運営する民主的なプロットフォームへと進化することになりました。
わかりやすく表現するならば、トロンのプラットフォームのコンセプトは、中央管理者がいない動画配信プラットフォームです。
詳細は後述しますが、YouTubeのような動画配信型プラットフォームではありますが、中央管理者が不在ということになります。
なお、仮想通貨トロン(TRX)は国内のビットポイント(BITPOINT)やフォビジャパン(Huobi Japan)で購入することができます。興味がある方は、まずは口座開設を行いましょう。
本日のトロン(TRX)の時価総額や価格、市場占有率【2023年2月28日時点】TRXについては、時価総額などは下記の通りとなっています。TRXの将来の価格の予想をするために、現在の価格、時価総額、市場における占有率(シェア)などの情報は知っておきましょう。
仮想通貨(暗号資産)名称 | TRON |
---|---|
単位(ティッカーシンボル) | TRX |
価格(2023年2月28日時点 以下項目も同じ) | 8.3956567円(0.068950ドル) |
時価総額 | 767,762,694,094円 |
時価総額占有率(仮想通貨の総時価総額に占めるTRXの割合) | 0.5926% |
時価総額ランキング | 15位 |
上場以来の最高価額(ATH) | 0.231USドル |
市場流通量(循環している供給量) | 91,447,604,578TRX |
TRXのHP | オフィシャルHP |
TRXの公式Twitter |
トロン(TRX)の歴史
トロンは2017年9月に前述のジャスティン・サンという人物によって設立されました。2018年1月時点では、時価総額ランキングでトップ10入りを果たす大躍進を果たし、時価総額は153億ドルに達しました。これもジャスティンサン氏のマーケティング力の高さの賜物でしょう。
2018年5月に、メインネットがローンチされたことで、さらに期待は高まり、トロンのTRX保有者は初めて100万人を超えました。2019年3月には200万を超えたそうです。
2021年3月には日本の仮想取引所としては初めて、ビットポイントジャパンがトロンの取り扱いを開始しました。
トロンのロードマップ
トロンは、これまでどのような開発を経て、今後どのように開発をしていき、進化をしていくのか。そこについては、ロードマップをホワイトペーパーで公開しています。
全部で6段階で設定されており、「Exodus(旅立ち)」「Odyssey(冒険)」「Great Voyage(大航海)」「Apollo(アポロ)」「Star Trek(スタートレック)」「Eternity(永遠)」のフェーズからなります。以下でその詳細について説明します。
Exodus(旅立ち)
2017年8月〜2018年12月 P2P・分散ストレージにアップロード、保存、および配布ができるようになりました。
Odyssey(冒険)
2019年1月〜2020年6月 報酬システムの構築期です。クリエイターがインセンティブを得られるメカニズムの導入しました。
Great Voyage(大航海)
2020年7月〜2021年7月 コンセンサスアルゴリズム「TPoS」、クロスチェーンのプロトコルや企業向けソリューションなどを導入します。
Apollo(アポロ)
2021年8月〜2023年3月 クリエイターが独自トークンを発行できる仕組みを構築します。
Star Trek(スタートレック)
2023年4月〜2025年9月 オンラインゲームプラットフォーム作成が可能になり、ゲーム開発の資金集め、投資家のゲーム開発への投資ができるようになります。
Eternity(永遠)
2025年9月〜2027年9月 オンラインゲームのプラットフォームを実用化し、ゲーム開発のためのクラウドファンディングなどもできるようになります。
引用:COINPOST
2022年12月現在は4段階目の『Apollo(アポロ)』であり、順調にプロジェクトは進捗しているようです。開発終了予定は2027年9月となります。
トロン(TRX)の特徴は?詳しく解説
TRONはマイニング(仮想通貨の生成)のコンセンサスメカニズムの仕組みが非常に特徴的で、DPOSという仕組みを採用しています。「コンセンサスメカニズム」とは、分散化を維持するための仕組みのことで、ここが脆弱であると仮想通貨本来の非中央集権的な仕組みが損なわれ、存在意義が問われる部分なので大変重要です。
また、トロンはTPS(取引の処理速度)が非常に高く、ビットコインやイーサリアムを格段に超えています。 TPSが高いと、トロンプラットフォーム上でのやり取りや操作の待ち時間が短くなり、送金などが素早く行われることになります。
それでは、このような技術に基づきどのような特徴がトロンにはあるのかを以下で解説していきます。
デジタルコンテンツが配信・所有できる分散型プラットフォーム
トロンは、ブロックチェーン技術を使用した分散型の動画配信プラットフォームです。最大の特徴が、分散型プラットフォーム上でデジタルコンテンツを配信できることです。YouTubeをイメージすると分かりやすいと思いますが、YouTueとの違いは、Googleのような中央で管理している中央集権型の管理者が存在しないということです。
YouTubeはGoogleのおかげでコンプライアンス面に優れ、管理がしっかりしていますが、その管理運営により発生する仲介手数料が発生していたり、広告主のために配信する動画を選定するという側面も否定できないため、純粋にユーザーのニーズをとらえることができないことも懸念されます。
しかし、トロンのプラットフォームであれば、ブロックチェーン技術を使用してユーザー同士が分散して管理をしますので、クリエイターとユーザーのニーズのみが純粋に反映されます。例えば、現在のYouTube広告の収益は管理者のGoogleが広告量の多くを得ているように思いますが、トロン上では配信者の取り分が増えたり、場合によってはユーザーにまで報酬が支払われることもあり得るようです。
dApps開発ができる
トロンのプラットフォームでは分散型アプリケーション(dApps)の開発が可能になっています。分散型アプリケーション(dApps)とはブロックチェーン上で動くソフトウェアのことです。例えば分散型のゲームアプリを作って動かしたり、分散型金融のアプリケーションを作ることで、DeFiサービスの作成が可能になります。
韓国のSamsungアプリストア『Galaxy Store』でもトロンのブロックチェーンを利用したdAppsの取扱いを開始しました。これにより、トロンのdApps開発者が、サムスンの携帯ユーザーに向けてアプローチすることができるということを意味しますので、トロンに優秀な技術者が集まることを意味します。
トロンプラットフォーム上で、個人が仮想通貨を発行できる
トロンは4段階目の『Apollo(アポロ)』で、個人で独自トークンの発行が可能になるようです。
これが実現されれば、ICO(独自の仮想通貨を発行することで資金調達を行うこと)を行うことができるようになります。これにより、動画配信者などクリエイターが、コンテンツ制作をするためにの多額の資金を集めるができるようになるようです。
処理速度が速い
処理速度が高速なのもトロンの特徴です。ビットコインやイーサリアムなどはPOWというマイニング技術が採用されている関係で、送金などの処理に時間がかかる(スケーラビリティ問題)という問題を抱えています。
トロンは先ほど説明したDPOSというコンセンサスメカニズムを採用しており、ビットコインやイーサリアムと比較しても処理速度が圧倒的に早いです。
ビットコインの送金処理速度は毎秒5件、イーサリアムは毎秒16件、ビットコインキャッシュが毎秒24件ですが、トロンは毎秒2,000件の処理が可能です。ビットコインの約400倍の速度なので、今後送金や決済手段としてもある程度の使いやすさが期待できます。
有名企業と多数提携している
トロンは世界中の大企業と多数提携をしています。
例えば以下の企業が挙げられます。
- サムスン(韓国の電子製品メーカー)
- Opera(ウェブブラウザ開発企業)
- Peiwo(中国の音楽配信サービス)
- BitTorrent(アメリカのソフトウェア開発会社)
- Baofeng(映画サブスクリプションサービス。中国版ネットフリックスともいわれ、ユーザー2億人。)
- Game.com(ブロックチェーンゲームの開発会社)
このように複数企業との提携実績があり、今後実用性に向けてより新開していく仮想通貨プロジェクトだということがよくわかると思います。
ステーブルコインUSDDの発行
トロンは、最近流行りのステーブルコインの発行もできるようになるようです。ドルペッグ型のステーブルコインで「USDD」という名前だそうです。2022年5月に発行して、市場に流通しています。
USDDは、ルナやメイカーのようにアルゴリズムにより1ドルの価値を維持する仕組みのステーブルコインのようで、価格変動が起こるたびに。トロンを出し入れしてUSDDの価格が1ドルを維持するように機能する仕組みが採用されるようです。
また、ブロックチェーン業界の起業家から100億ドル(1兆2千億円)規模の準備金を超たすることに成功したようで、Tron DAO(分散型自律組織)が管理する「流動性の高い資産」がTRXと共に保有されるということで、換金性も担保されているので安心です。
なお、USDDはトロンに以外にイーサリアムとバイナンスコインのチェーンでも流通予定のようです。
トロン(TRX)の今後の価格の予測
仮想通貨トロン(TRX)の今後の価格の予測に関して検討してみたいと思います。比較的ポジティブな価格の予想も多く、今後TRXのチャートが再び上昇トレンドに乗った場合には、数倍には上がってくるのではないでしょうか。
又、過去最高値である0.231ドルを超える場合には、青天井に上がる可能性があり、0.3ドルや0.4ドルという価格に達する可能性も予想でできます。評価が高い仮想通貨であるため、時価総額が時価総額ランキングが元々高いのですが、上記の価格まで上がると、時価総額ランキングでも15位圏内を狙うことも無理ではないでしょう。
下記のような事象が発生するとトロンの価格が上がると予測できます。トロンの価格動向にプラスに働く要素ですね。
- トロンのプラットフォームの普及を促す技術開発のニュース
- 仮想通貨全体への投資資金の増加
- 新規取引所への上場
- 世界の有名企業とのパートナーシップの増加
まずは、技術開発や新サービスのニュースが流れると、トロンのチャートの価格は伸びるでしょう。ポジティブなニュースが出て仮想通貨が驚くほど急騰するケースはこれまでに何度も起きています。同時にトロンのプラットフォームの利用者も増加するので、トロンの需要は増加し、結果的に価格も上がるのです。
又、仮想通貨市場全体に資金が流れてくることも重要です。時価総額ランキングナンバー1のビットコイン(BTC)の価格が上がる局面では、仮想通貨市場全体が上昇トレンドにあると考えられ、その他のアルトコインの価格も上がることが予測されます。
日本国内、海外の新規取引所への上場をした場合にも、その発表のタイミングで価格は急騰する可能性が高いです。
トロンが多くの大手企業と提携してきたことは既に説明しましたが、今後も新しい提携は続くと思われます。新たな企業とのパートナーシップの発表がされると、トロンの価格が上がることが予想されます。評価が高いからこそ既に大企業が参入しているのであり、他の企業でも、乗り遅れないためにトロントの提携を模索しているところはあるでしょう。
トロン(TRX)は時価総額が大きいために価格推移の上下の幅は、他のアルトコインよりは落ち着いていて、比較的ボラティリティも低いため、初心者のトレーダーでも購入しやすいと言えるでしょう。
トロン(TRX)のまとめ
トロンはWEB3時代の中央管理者がいないネット社会で、YouTubeのような動画配信プラットフォームの代替えを期待されて作られたプロジェクトで、そこでの決済に利用されるのが、仮想通貨「TRX」ということでした。実際に複数の企業とも提携されており、実用化に向けてロードマップなどもしっかりと先を見据えて作られています。トロンが普及した世界では、動画配信者が中央管理者なしで、直接視聴者とやり取りできます。現在の動画配信型プラットフォームでは中央管理者の取り分が広告料などの収益割合の多くを占めていることでしょう。しかしながら、トロンが普及した社会では中央管理者が占めていた取り分を動画配信者と視聴者で共有できる世界が待っているのではないでしょうか。何より創設者のジャスティン・サントロンという人物が経営者としてかなりやり手で、マーケティングや企業提携等、かなり先進的なプロジェクトです。
このようにトロンはプロジェクトの目的も明確で、実需が想定できる有望な銘柄だといえます。ただし、仮想通貨の世界は何が起こるかわかりませんので、あくまで余裕資金での投資をご徹底ください。