経済的自由や平等主義の原則に基づいた分散型プラットフォームの構築を目指している「ネム」について解説していきます。日本人ファンも多いコインであり、今後の相場の見通しが気になる人も多いと思いますが、技術開発の進展と価格の上昇に期待したいですね。リアルタイムのチャートもあるのでご参考にしてください。
ネム(NEM/XEM)とは?
ネム(NEM/XEM)は2015年に誕生したプロジェクトです。
プラットフォーム名称であるNEM(ネム)は「New Economy Movement」の略です。XEM(ゼム)もネムの仮想通貨(暗号資産)を指しているとお考えください。日本では、一度は買ったことがあるという方も多いのではないでしょうか。
新しい経済の仕組みの構築を目指すプロジェクトで、経済的自由・平等を叶える分散型プラットフォームを標榜しています。
ネムの開発には日本人も関わっているほか、日本国内に熱狂的なファンが多く、2018年のバブル相場を牽引した銘柄のひとつとしても知られています。審査が厳しい日本の取引所に上場していることや、バイナンス(Binance)への上場を考えると、しっかりとした運営がなされていると言えるでしょう。
ネムを取引所で買いたい場合は、XEMで調べると出てきます。ただし、こちらのページの一番上のXEM(NEM)のリアルタイムチャートを見ていると把握できるのですが、取引数量は以前ほどは多くないので、購入時と売却時は複数回に分けて、できるだけ有利な金額で取引するように注意しましょう。
このページではネムの将来性や今後の価格の予測・予想についても徹底解説していきます。
なお、ネム(NEN/XEM)については、コインチェックやGMOコインで取り扱いがあります。国内の大手取引所で、取り扱い銘柄も多く、アプリも使いやすいと評判のコインチェックで購入することをおすすめいたします。口座開設も簡単ですが、ネムの買い方も非常にシンプルで、銀行からコインチェック口座に入金し、あとはネムの現在価格を確認してから、購入数量を入力して実行すれば買うことができます。
本日のネム(XEM)の時価総額や価格、市場占有率【2023年2月28日時点】ネム(XEM)の価格、時価総額、市場占有率(市場シェア)、上場以来の最高値(ATH)についても把握しておきましょう。XEMの今後の価格の予想をする上では、現在価格やATHの情報などは重要なファクターとなってきます。
仮想通貨(暗号資産)名称 | NEM |
---|---|
単位(ティッカーシンボル) | XEM |
価格(2023年2月28日時点 以下項目も同じ) | 7.02690366円(0.057709ドル) |
時価総額 | 63,242,132,978円 |
時価総額占有率(仮想通貨の総時価総額に占めるXEMの割合) | 0.0488% |
時価総額ランキング | 84位 |
上場以来の最高価額(ATH) | 1.87USドル |
市場流通量(循環している供給量) | 8,999,999,999XEM |
ネムの歴史とその価格推移
ネム(NEM/XEM)の誕生から現在に至るまでの歴史と、その期間の価格の推移を見ていきましょう。
誕生~ローンチまで
ネムは2014年1月に行われたbitcointalk.orgのフォーラムで「utopianFuture」と名乗る匿名のチームによって発表されました。
この「utopianfuture」という開発者チームの詳細は明かされておらず、現在も謎のままです。
しかしながら、フォーラムで発表された内容が当時としては非常に画期的な内容だったため、開発者からも高く評価されたのです。
順調に開発が進み、2015年3月31日にローンチされました。
最初の年である2015年の12月には0.02円台を主に推移していました。
ローンチ~NEM財団の設立まで
ローンチされたネムの転換点となったのは「NEM財団」の設立です。
2017年にシンガポールを拠点としたNEM財団が設立されたのをきっかけに注目が集まり始めました。
NEM財団によってネムを普及させるためのイベントやコンテストなど、広報活動が積極的に展開されていきます。
またNEM財団はパートナ企業や開発者の新規開拓にも積極的でした。
開発者が公募されているため、開発が止まることなく進行していったのです。
NEM財団の設立~テックビューロ社との提携まで
ネムの人気を加速させる火付け役となったのが、日本のテックビューロ社です。
ネムとテックビューロ社の共同でネムをベースとしたブロックチェーン「mijin」を発表しました。
これがネムの実用性やポテンシャルを広めるきっかけとなり、相場全体の過熱感にも押されて世界中で注目の的となります。
価格も爆発的な上昇を見せました。ローンチ当初は1円以下の価格だったのに対し、2018年1月のXEMのチャートでは200円を超す急騰を記録したのでした。時価総額も非常に大きくなり注目を集めました。
テックビューロ社との提携~コインチェック事件まで
仮想通貨市場・ネム(NEM/XEM)が絶好調となっていた2018年1月、コインチェック事件が発生してしまいます。
このコインチェック事件をきっかけにネムへの期待感は一掃され、価格は低迷していきました。
当時から仮想通貨(暗号資産)の取引をしていた方々であれば、はっきりと記憶されているのではないでしょうか。そのくらい大きなニュースとなった事件で、仮想通貨全般が急落するという衝撃的な事態に陥ったのです。2018年末は約7円となり、急騰時の200円の4%未満の価格まで暴落してしまっていました。
コインチェック事件とは?
コインチェックに預けられていた約580億円の仮想通貨がハッキングによって流出してしまったのです。
このときに流出した銘柄がネムでした。ただし、このハッキングはコインチェックのセキュリティが脆弱だったことに起因する問題です。
ネム自体のセキュリティ能力とは全くの無関係の事件でした。
しかしこの風評被害によってネムに対する市場の見方が変わっていきます。
当時はバブル相場だったこともあり、このネガティブな話題が広まったことでネムそして相場全体が急速にトーンダウンしていったのでした。
コインチェック事件をきっかけにネムの知名度は高まりましたが、誤った認識が広まってしまったため、いまだにネムに対してネガティブな印象を持つ投資家も多いです。
コインチェック事件~Symbol(シンボル)ローンチまで
コインチェック事件以降、相場全体が「冬の時代」を迎えたこともあり、ネムの価格は低迷しました。しかし、徐々に価格を取り戻し始めます。
ネムの価格に再び大きな動きがあったのは2021年に入ってからです。
ネムのアップデート版として「Symbol(シンボル)」というプロジェクトのローンチが発表され再び脚光を浴びます。
シンボルのネイティブトークンであるXYM(ジム)は2021年3月12日時点でXEMを保有していた投資家に、同量だけ付与される方針となったのです。
そのため3月12日直前にはXYMの付与を目的とした投資家や、それに伴う価格上昇を狙う投資家など、さまざまな思惑が錯綜しXEMの価格は高騰しました。
2020年の後半からじわじわと価格が上がっていき、3月初旬には80円まで到達したのです。
Symbolローンチ~現在まで
XYMの付与が確定した2021年3月12日以降、まるで役割を終えたかのようにネムの価格は急落していきました。
XYMの付与確定後24時間も経たないうちにXEMの価格は40円台まで下落したのです。
さらに2021年5月の市場全体の暴落の影響により、20円台まで下がってしまいます。
そして現在2022年12月現在は、XEMは4.5円付近に停滞しています。
XYMに注目が集まる際にXEMもつられる形で一時的な上昇を見せることはありました。
しかしネム自体の要因による価格上昇はこれまでのところ見られません。一度価格が非常に落ち込んでいてからじわじわと上がってきたという歴史がネムにはあるので、2023年以降に再び大きな価格になる可能性もあるでしょう。
ネム(NEM/XEM)の将来性と今後の価格の予測
ネム(NEM/XEM)は上記の5年程度のチャートの中でもわかるように、価格の高低差が大きく、急激に価格が上がり始めると、半年から1年後には当初の価格の何十倍にも達しているので、実際にネムで億り人になった人というのは多いでしょう。そのため、根強い人気がある仮想通貨(暗号資産だとも言えます。)
ネムホルダーにエアドロップで配られたシンボル(XYM)の登場により、市場の関心はネムではなくシンボルに移ってしまったととらえることもできるでしょう。ネムに寄せられていた将来性へ期待していたホルダーがシンボルこそ更に優れたコインだと考えているのかもしれませんが、必ずしもそういうものではないのです。
しかしシンボルが誕生したからといってネムが消滅するわけではありません。シンボルのサイドチェーンとして今後もネムは役割を果たしていきます。
そのためシンボルの発展次第ではネムが再び息を吹き返すことも十分考えられるでしょう。
実際に、FTX JPでは、2022年8月5日に、新たにネム(NEM/XEM)を新規上場させることを発表しました。新規上場させるということは、暗号資産取引所が今後の価格の上昇や技術進展に期待していることの裏返しとも言えるでしょう(FTXのその後の破産は残念ではありますが)。
過去にXEM(NEM/XEM)が達成した最高額では日本円で20円を超えていたのですが、今後の相場状況の予想としては、やはり20円を超えるのは簡単ではなく、超えるとしても時間がかかるのではないでしょうか。ただ、こういった仮想通貨の冬の時代にネムを購入しておいて、後で爆発的な利益を獲得することを狙う人も多く、それは良い選択肢だと思います。
なお、どうしてもBTCやETHなどの主要仮想通貨の価格推移には影響を受けますので、仮想通貨ネム(NEM/XEM)へ投資する際は、XEMチャートだけではなくBTCチャートの分析なども行いましょう。
今後のXEMのチャートの価格予想としては、2018年1月のATH(過去最高価格)を超えるのは簡単にはいかないでしょう。これはXYMと人気を2分してしまっているためです。ただし、2021年の高騰時に80~90円の価格に到達したことを前提として、その時価総額をXYMとXEMとで分割すると考えるのであれば、40円程度であれば2022年から25年の間に達成する可能性は十分にあるのではないでしょうか。
ネムの特徴は?詳しく解説
ネムにはどのような特徴があるのでしょうか?
以下の7点を順番に解説します。
- 処理速度が速い
- すでに発行上限に達している
- ネムネットワーク上に独自トークンを発行可能
- 独自のコンセンサスアルゴリズムPoI(=Proof of Importance)の採用
- ハーベスティング
- 活発なコミュニティ活動
- mijinのリリース
- アポスティーユ(公証)機能
処理速度が速い
ネムはビットコインとくらべて処理速度が非常に速いです。
具体的には、ビットコインが10分で1ブロックを生成するのに対し、ネムは1分で1ブロックを生成することができます。
処理速度の速さはネットワークの性能に直結するため、ネムの性能はビットコインよりも大幅に優れていると言えるでしょう。
すでに発行上限に達している
ネムはすでに発行上限に達しています。そのため供給がこれ以上増えることはありません。
この点は投資家にとって魅力的な点となります。以下で説明しますように、大量発行による価値の下落が起きないためだと言えます。希少性が維持されると言うことは、仮想通貨の世界では非常に重要なことなのです。追加発行がない仮想通貨の方が、価格上昇という意味では、将来性が高いと考えられます。
発行上限とは?
仮想通貨には、発行枚数に制限のある銘柄が存在します。
たとえばビットコインであれば2100万BTCまでと規定されているのです。
上限に対して現状の発行量が少ない場合、今後の発行によりトークン1つあたりの価値が希薄化されてしまいます。
つまり、残発行枚数が多い銘柄は価格が上がりにくいのです。
その点、ネムはすでに発行上限枚数に達しているため、これ以上1XEMあたりの価値が希薄化する心配はありません。
価格の下落要因がひとつ排除できている状態なのです。
ネムネットワーク上に独自トークンを発行可能
ネムネットワーク上に独自のトークンを発行することが可能です。
この独自トークンのことを「モザイク」と言います。
モザイクが増えれば、必然的にその土台であるネムの需要も高まると予想されています。
独自のコンセンサスアルゴリズム「PoI(=Proof of Importance)」の採用
ネムは独自のコンセンサスアルゴリズム「PoI(=Proof of Importance)」が採用されています。
コンセンサスアルゴリズムとは「取引を承認する仕組み」だと考えて問題ありません。
このPoIはXEMを保有するアカウントの重要度によって報酬が分配される仕組みです。
重要度はXEMの保有量・保有期間・取引量などをもとに算出されます。
簡単に言ってしまえば、ネムネットワークの利用量・頻度が多い人ほどたくさんの報酬をもらえる仕組みだと思えばよいですね。
ビットコインやイーサリアムとの比較
ネムに用いられるPoIはビットコイン・イーサリアムなどに採用されているPoW(Proof of Work)とくらべて公平かつ平等な仕組みだとされています。
なぜならPoWはマシンの性能に依存するからです。
PoWは最も速く取引を承認したノード(=ブロックチェーンネットワークを構成するコンピュータ)に報酬を付与する仕組みです。
承認処理の速度を上げるためには高性能のマシンが必要になります。
しかしそういったマシンを購入するためには莫大な費用が必要です。
結果的に高額な初期費用を捻出できる一部のノードだけが報酬を独占できてしまいます。
またPoWは大量の電力を消費してしまうため、持続可能性を求める現代の潮流に不適合です。
こういった点でネムのコンセンサスアルゴリズムPoIは異なります。
ネムの場合、処理の速度ではなく保有量や期間、取引量などを総合的に判断する仕組みだからです。
電力消費もPoWとくらべて抑えられています。
公平かつ平等であり環境にも配慮されていることから、ネムは優れたシステムだとされているのです。
ハーベスティング
ハーベスティングとは、取引を承認することで報酬をもらえる仕組みです。
ビットコインで言うところの「マイニング」に相当します。
マイニングの場合、専用の高性能コンピュータの用意など参入障壁やコストが高く、誰でも気軽にできるものではありません。
その点、ネムのハーベスティングはハードルが低いです。
1万XEMの保有と公式ウォレットへの預け入れという2つの条件が達成されていれば誰でも参加することができます。
そしてアカウントの重要度に応じて報酬が付与されるのです。
またマイニングと違い、報酬付与はランダムにおこなわれます。
マイニングでは早い者勝ちのため、マシンの性能に依存してしまいますが、ハーベスティングの場合は誰にでもチャンスが回ってくるのです。
実際、最低限の1万XEMしか保有していなくても、月に1回は報酬が与えられる計算になっています。
このハーベスティングをはじめとして、仮想通貨(暗号資産)は売買益以外にも稼ぐ方法があるので、どのような儲け方があるのかは、投資家としては知っておいて欲しいところであり、機会損失をしないようにしてください。
ハーベスティングの方法
ハーベスティングの方法は次の2つが存在します。
ローカルハーベスティング
ローカルハーベスティングは自身のPCをノードに設定してハーベスティングに参加する方法です。
ただしノードになるためにはさらに厳しい条件があります。
「ネムのフルノードの保有」「300万XEM以上保有」「処理性能が一定水準を満たす」など誰でも用意できるものではありません。
常にオンライン状態を保つ必要があるため、一般の投資家による運用は難しいでしょう。
ほとんどの投資家は次のデリゲートハーベスティングを選択すると思われます。
デリゲートハーベスティング
デリゲートハーベスティングは手数料を支払って第三者のノードにハーベスティングを委託する方法です。
前述したように、自身をノードに設定するのは現実的ではありません。
そこで条件をクリアしているノードに自身が保有しているXEMを委託するのがデリゲートハーベスティングです。
デリゲートハーベスティングであれば「1万XEM以上の保有」と「公式ウォレット」への預け入れのみで開始できます。
XEMを保有している人はこちらを選択するのがよいでしょう。
活発なコミュニティ活動
ネムを保有する投資家はネムの宣伝活動に積極的です。
イベントやグッズの作成・販売など、ホルダーたちによる自主的な活動がおこなわれています。
日本や韓国などのアジア圏においても非常に人気があると言えます。
過去には「nem bar」と呼ばれるバーも存在していました。
こういったお店ではネム決済を受け入れるケースも多いです。
またネムは「Java」というプログラミング言語で作成されています。
Javaは一般のエンジニアにも馴染みのある言語であるため、開発者のコミュニティ活動も盛んです。
仮想通貨において社会実装は至上命題です。
その社会実装をコミュニティ主導で推進していける点はネムの最大の強みといっても過言ではないでしょう。
mijinのリリース
ネム内のプロジェクトである「mijin」の成否もXEMの価格を決める大事な要素となります。
mijinは日本のテックビューロ株式会社が主導するブロックチェーンのプラットフォームです。
ネムの技術をベースに開発されたプライベートチェーンとなっています。
すでに国内外で合計400社以上がサービスの利用を開始しており、mijinの普及が進めばネムの需要もつられて高まると予想されています。
アポスティーユ(公証)機能
アポスティーユ機能とは公文書の発行機能です。
公文書の管理は透明性が求められることからブロックチェーンとの親和性が高いとされています。
アポスティーユ機能により土地の所有権や遺言、選挙や契約情報の管理など、公的な領域へのネムの進出が期待できるのです。
ネムのまとめ
ネムは熱狂的な日本人のファンを多数抱える、稀有な銘柄です。
過去には流出事件が起きてしまい不幸な面もありましたが、それもネム(NEM/XEM)のセキュリティ面の脆弱性から生じたものではないことは明らかです。
その強みを生かしこれからも独自の立ち位置を確立していくでしょう。またシンボルをサイドチェーンとして支える役割も大変重要になります。
シンボルとセットで今後も発展していく可能性は大いにあるでしょう。ネムを取り扱っている国内取引所はコインチェックやGMOコインを中心に、複数存在するため購入もしやすいです。どちらの取引所も初心者にも使いやすい内容となっているので、ネムの買い方で苦戦することはないでしょう。