仮想通貨取引所「BINANCE」が運営する「BNB」という仮想通貨をご存知でしょうか。大手取引所「BINANCE」の基軸通貨として利用されていることもあり、時価総額でも上位に位置しているとてもメジャーなコインです。
しかし、どのような特徴があってこれほど購入者がいるのでしょうか。この記事ではBNBの歴史や特徴について、ベースとなる取引所「BINANCE」やブロックチェーン「BNBチェーン(旧バイナンススマートチェーン)」の説明も交えながら、その歴史や特徴、将来性、今後の価格の予想を解説していきます。
BNBとは?
BNBとは、仮想通貨取引所の「BINANCE」が運営しているブロックチェーンである「BNBチェーン(旧バイナンススマートチェーン(BSC))」の基軸通貨となる仮想通貨銘柄です。この説明を理解するために、それぞれの単語についてさらに詳しく解説していきます。
なお、BNBを手に入れて、いつでもBINANCEで有利に銘柄を買えるようにしたい人は、まずは国内の暗号資産取引所であるコインチェックで口座開設をしましょう。コインチェックからBINANCEへの送金は簡単で、初心者でもすぐにできるでしょう。
BINANCEとは?
BINANCEとは、世界最大級の仮想通貨取引所です。2017年にチャンポン・ジャオ氏をCEOとして設立されました。初めは中国で設立されましたが、2017年9月には中国政府が仮想通貨取引を禁止したため本社を日本に移し、その後もマルタに移動しと流動的に事業を行なっています。
その後はアメリカ政府などからマネーロンダリングや税法違反といった疑いをかけられており、そのようなことを受けてたためか、決まった本社を置かない形で「分散型の事業を行なっている」と表明しています。
BINANCEではとても多くの仮想通貨銘柄が取引可能で、350種類以上の銘柄取引に対応しています。日本国内の取引所では認可が降りる銘柄に限りがあるため多いところでも20種類ほどしかないことを考えると、かなり多くの銘柄に対応していることがわかります。
ただし、日本国内においては、BINANCEは金融庁の定める仮想通貨交換業の登録がされていない点には注意が必要です。
金融庁は無登録で仮想通貨交換業を行なっているとしてBINANCEへの警告文を出したこともありますが、BINANCE自体は日本に向けてビジネスをしていると発表していないこともあり規制はされていません。BINANCEは日本国内からも利用することはできますが、金融庁の認可が下りていないという前提はきちんと把握しておくべきでしょう。
BNBチェーン(BSC)とは?
BNBチェーンとは、BINANCEによって運営されているブロックチェーンです。スマートコントラクト機能を持っているためさまざまな種類の取引アプリケーションにすることが対応となっています。
また、高速かつ低コストで取引を実施できることが大きな特徴です。これは、コンセンサスアルゴリズムに「PoSA(Proof of Staked Authority)」を採用しているためです。
コンセンサスアルゴリズムとはブロックチェーンの取引の正当性を担保するための仕組みのことで、例えばビットコインやイーサリアムのブロックチェーンでは「PoW(Proof of Work)」というコンセンサスアルゴリズムが使われています。PoWは、取引の承認のためにネットワーク上の大量のコンピュータが一斉に演算を行い、そのマシンパワーが取引の正当性を担保しています。しかしこの方法は消費電力が大きいため環境への影響が大きく、また取引も遅くなってしまったり、ネットワークの混雑具合によっては手数料が高くなったりと使用者にもデメリットの大きいものでした。
それに対して、PoSAでは「PoS(Proof of Stake)」と「PoA(Proof of Authority)」を組み合わせたアルゴリズムを使用しています。PoSとは、特定の仮想通貨をステーキング(預ける)することで取引承認に参加することができ、不正があった場合はステーキングされた資産を没収されてしまいます。つまり、ステーキングする資産を正当性の担保としているわけです。そしてPoAは、信頼された一部のユーザーだけが取引承認に参加できるという仕組みです。
これらを組み合わせたPoSAでは信頼できるユーザーだけがBNBをステーキングすることで取引の承認を行います。そのため、ネットワーク全体でマシンパワーによる競争が行われるPoWよりも素早く効率的な承認が可能となり、決済速度や手数料の問題を解決しているのです。
基軸通貨とは?
上記のように効率的な仕組みを持つBNBチェーンの「基軸通貨」がBNBなのです。基軸通貨とは、一定の経済内で価値の基準として扱われる通貨を意味します。例えば今日の一般社会では米ドルが国際通貨の中でも中心的な地位にあるため、基軸通貨であるといえます。BNBはBINANCEの基軸通貨として、手数料の支払いに利用されたり、端数となった仮想通貨をBNBに変換したりといった用途で使用されます。
本日のBNB(BNB)の時価総額や価格、市場占有率【2023年2月28日時点】
BNBの最新の時価総額や価格の情報は以下となります。
仮想通貨(暗号資産)名称 | BNB |
---|---|
単位(ティッカーシンボル) | BNB |
価格(2023年2月28日時点 以下項目も同じ) | 36,713.46円(301.513726ドル) |
時価総額 | 5,796,892,464,392円 |
時価総額占有率(仮想通貨の総時価総額に占めるBNBの割合) | 4.4746% |
時価総額ランキング | 4位 |
上場以来の最高価額(ATH) | 690.93ドル |
市場流通量(循環している供給量) | 157,895,571BNB |
BNBの歴史
BNBチェーンの基軸通貨となっているBNBですが、これまでどのような軌跡を辿ってきたのでしょうか。ここでは、BNBの歴史について紹介します。
2017年6月 Binance CoinがICO
BNBは、BINANCEが設立される直前の2017年6月にICOが行われました。ICOとは「イニシャルコインオファリング」の略で、新規の仮想通貨を発行・販売して資金調達をおこなうことを意味します。この時期にはさまざまな仮想通貨がICOを行なっていて一種のブームになっており、BNBもその波に乗って約1500万ドルの調達に成功しました。
2017年7月 BINANCEの設立
2017年7月、チャンポン・ジャオ氏によってBINANCEは設立されました。ジャオ氏は元々ソフトウェアエンジニアとして「Blockchain.info」や「OKCoin」といった仮想通貨ビジネスに参加していましたが、政府や規制当局とのやり取りを避けて純粋な仮想通貨取引所を解説しようと考え、BINANCEの設立に踏み切りました。BNBを持つことでBINANCEでの仮想通貨取引に恩恵を受けられることから、BNBの需要はさらに高まっていくことになります。
2018年 仮想通貨バブルで急騰
2017年〜2018年にかけて仮想通貨バブルが起こり、価格が急騰しました。この時期はさまざまな仮想通貨が高騰しましたが、その中でBINANCEのユーザーが増えたこともあり、BNBを持つ人が増加したのです。
2020年 DeFiブームにより高騰
バブル後は価格が下がっていたBNBですが、2020年に起こったDeFiブームにより価格が上昇しました。DeFiとは「分散型金融」の略で、多くのDeFiアプリケーション上で高速・安価なBNBチェーンが採用されたことから需要が高まったのです。DeFiについては、後の項目でさらに詳しく解説します。
2022年2月 チェーン名を「BNB Chain」に改名
2022年2月15日にBINANCEは、BNBチェーンの名称を「BNB Chain」に変更すると発表しました。また「BNB」という名称は変更されないものの、「Build and Build」の略であるという点が変更されました。これはBNBチェーンやBNB通貨がBINANCE取引所のほかでも広く使われていることから、あえて「BINANCE」という名称を取り除くことにしたとのことです。
BNBの特徴は?詳しく解説
ここからは、さらにBNBの持つ特徴を詳しく解説していきます。
BSCの基軸通貨
先述したように、BNBはBNBチェーンの基軸通貨となっています。このことから、BNBを持っているとBINANCEやBSCを利用する際に恩恵を受けることが可能です。その例をご紹介します。
BINANCEの取引手数料が安くなる
BINANCEは本来、取引手数料は0.1%となっていますが、BNBを手数料支払いに利用すると半額の0.05%で取引が可能です。同じく海外の大手暗号資産取引所である「Coinbase」では売買の際に手数料が約1.99%かかるため、BNBを使用することでもとから安価である手数料がさらに安くなるといえます。
また、「30日間の取引量が100万ドル以上かつ25BNB以上を保有している」などの条件をクリアすることでVIPユーザーとなり、さらに安価な手数料で取引をすることも可能です。
両替機能を使用できる
BNBには「コンバート」という機能があり、少量の仮想通貨をBNBに両替することが可能です。仮想通貨はさまざまなレートで取引を行うため、場合によっては中途半端な額が余ってしまいます。コンバート機能を利用すると、そのような余った仮想通貨を無料でBNBへ変換することができるため、普段からBNBを利用することでよりBINANCEを効率的に使用することができるのです。
取引手数料が低い
BNBが取引されているBNBチェーンでは、効率的に取引処理が行えるPoSAというアルゴリズムを採用しています。そのためBNBそのものだけでなく、同じチェーンで取引されるさまざまな通貨が高速で安価に取引可能です。これが特に大きく注目されたのが、2020年のDeFiブームでした。
DeFiとは「Decentralized finance(分散型金融)」の略で、ブロックチェーン技術により分散化された金融システムを指します。2020年ごろ、仮想通貨を預け入れることで金利を得ることができるDeFiシステムが次々と登場し、スマートコントラクトでの取引が活発に行われるようになりました。
ところが、最も利用されているイーサリアムチェーンのコンセンサスアルゴリズムはPoWであり、決済速度や取引手数料の面で問題を抱えていたのです。
そこで、DeFiに利用しやすいブロックチェーンとしてBNBチェーンが注目され、それに伴い基軸通貨であるBNBの需要も増加、価格が高騰しました。
BSC上で動作する代表的なDeFiシステムとして、「PancakeSwap」が挙げられます。PancakeSwapでは仮想通貨をシステムに預けてもらうことでさまざまな通貨を変換できるプールを提供していて、通貨を預けてくれたユーザーは利息を得られる仕組みになっています。さらにPancakeSwapの運営に意見を出すことができる「ガバナンストークン」であるCAKEトークンを得ることができるため、効率的な資金運用ができるとして大きな人気を集めました。
現在のDeFiは当時ほどの利息を得ることができないものが多くなりましたが、BSCは現在もブロックチェーンゲーム(GameFi)分野などで利用されており、数あるブロックチェーンの中でも引き続きよく利用される立ち位置を維持しています。
定期的にバーンを実施
BNBは定期的に「バーン」を行なっているという特徴があります。バーンとは日本語に訳すと「焼却」という意味で、仮想通貨では通貨の流通量を減らすことをいいます。バーンを行う理由は、インフレ対策です。現実の通貨と同様に、仮想通貨も流通量が増えすぎると需要が落ちてしまい、価格が下落します。そのため一定期間ごとに流通量を減らすことでインフレを抑制し、価格を維持しているのです。
具体的にBNBにおけるバーンは約3か月に1度のペースで行われ、現在まで15回以上実施されています。2021年1月のバーンからは、「BNB Auto-Burn」というプログラムがBNBの需要と供給を自動的に計算して焼却するという仕組みを採用しました。BNBは発行上限数が2億BNBに設定されており既に全てが発行済みですが、バーンを通じて最終的には1億BNBにする予定と発表されています。今後も数量が減っていく予定が立てられているため、価格が上昇すると見込むことができるのです。
BNBの将来性や今後の価格の予想
BNBの将来性は、暗号資産取引所であるBINANCEの利用者の増加によるBNBへの需要増が大変重要となります。
BINANCEは人気が高い取引所ですし、今後において仮想通貨へ投資する人口が世界的に増えると、自然とBINANCEの利用者数も増加するでしょう。そのため、BNBの将来性には期待している人も多いと考えられますし、安定性の高い仮想通貨だと思います。
その他、仮想通貨市場全体への資金流入も重要で、ビットコインの価格の影響は大きく受けます。ビットコインの価格が調整していて、かつ、BNBの価格も割安となっている段階で購入するのがポイントだと言えるでしょう。
なお、BINANCEは他のアルトコインと比べると、比較的、相場の価格の安定性が高いコインだということができますので、初心者も安心して買えるコインの1つです。
2022年12月までにおけるBNBの過去最高値(ATH)は690ドルとなっています。2022年12月現在の価格は298ドル程度ですが、仮想通貨市場全体の調整が終わると、再び過去最高値にまで上がると予想する声もあります。
今後において690ドル以上に上がると、チャートに抵抗がほとんどなくなるので、700ドルから1,000ドルまで価格が伸びると予想しています。
BNBの将来性に期待する人は、コインチェックからBINANCEにBTCなどを送金して、購入しましょう。
BNBのまとめ
ここまで、BNBの歴史や特徴、将来性や今後の価格の予想について解説してきました。日本での認可は下りていないものの、世界的に注目されている取引所・ブロックチェーンの基軸通貨であり、今後も目が離せない銘柄であるといえます。特にBINANCEを利用している方・これから利用しようと考えている方は手数料などで大きな恩恵を受けることができるため、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
BINANCEの利用者は今後も増加すると予測できますので、持っていて損はない仮想通貨であると言えるでしょう。