今回は新世代のインターネットブラウザとして注目を浴びているBraveで使用される仮想通貨『ベーシックアテンショントークン』について解説します。
ベーシックアテンショントークン(BAT)とはどういうものか、ベーシックアテンショントークンの歴史、ベーシックアテンショントークンの特徴、今後の価格の予想や将来性などについて詳しく解説します。
ベーシックアテンショントークン(BAT)とは?
ベーシックアテンショントークン(BAT/Basic Attention Token)は2020年、日本国内の仮想通貨取引所に上場して注目され始めた仮想通貨です。
Webブラウザで使われることを主とした仮想通貨で、従来のWeb広告で発生するユーザー、広告主、クリエイターの課題を解決するために誕生しました。仮想通貨とブラウザが絡むというのは斬新であり、今後の将来性への期待から大きな話題となりました。BraveブラウザはWeb3.0時代の先駆け的存在のブラウザであると言えます。
ベーシックアテンショントークン(BAT)は『Brave』というブラウザを経由して使えるユーティリティトークンで、イーサリアムのブロックチェーン上のコントラクトで実現されたトークンでもあります。
Braveブラウザは不要な広告やトラッカーをブロックでき、ベーシックアテンショントークンと並行して開発されました。広告が出ない分、調べ物も早く進むので、ユーザーとしては時間の節約にもなります。
さらに、Braveブラウザを使ってインターネットサーフィンをすると、BATを取得できるという、これまでには考えられなかったような先進的な仕組みを持っています。仮想通貨で稼ぐ方法は多くありますが、ネットサーフィンで稼ぐ方法はかなり斬新なアイディアです。
BAT自体を取引所で売却することもできますし、それで決済を行ったり、ネット上での投げ銭として利用することもできるのです。
人気のブラウザといえば、「Google Chrome」や「Safari」、「Firefox」などが有名ですが、Braveブラウザはそれらにとって代わる可能性を秘めています。
通常のブラウザを使っていると、様々な広告がWeb上で表示されるのを目にします。広告が表示されるということは、通信量やバッテリーが無駄にかかってしまっており、トラッカーによってはプライバシーが侵害されている恐れがありました。
それに対してBraveブラウザはデフォルトで広告をブロックするため、通常のブラウザと比べてページを読みこむ速度が速くなっています。これは広告ブロック『Brave Shields』が使われているためで、自動で広告が削除されます。そのため、ページが軽くなって読みこみが速くなるのです。
また、Braveブラウザから広告を見た場合、ベーシックアテンショントークンは広告を閲覧した報酬として受け取れます。
利用者の広告閲覧に対価を与えるという考え方は、ベーシックアテンショントークンとBraveブラウザの基本コンセプトです。
発行上限は15億BAT(ベーシックアテンショントークンの通貨単位)ですが、すべて発行済みのためマイニングをする必要がなく、流通量を抑えるための半減期もありません。
ベーシックアテンショントークンは、コインチェックなどの暗号資産取引所で少額から購入できます。アプリも使いやすいと評判で、取り扱い銘柄が多いため、コインチェックでの口座開設はおすすめです。
BATを買うことができる暗号資産取引所
ベーシックアテンショントークン(BAT)は国内ですと、下記のコインチェックなどで購入できます。アプリは仮想通貨取引初心者であっても使いやすいので、おすすめできます。
海外の取引所でBATを買う場合でも、日本の取引所でまずは口座開設が必要となります。
本日の仮想通貨ベーシックアテンショントークン(BAT)の時価総額や価格、市場占有率【2023年2月28日時点】仮想通貨(暗号資産)取引所では、ベーシックアテンショントークンはBATというティッカーシンボルで示されていますが、その時価総額や市場におけるシェアに関しては以下のようになっています。
仮想通貨(暗号資産)名称 | Basic Attention Token |
---|---|
単位(ティッカーシンボル) | BAT |
価格(2023年2月28日時点 以下項目も同じ) | 36.8816699円(0.302895ドル) |
時価総額 | 55,224,880,748円 |
時価総額占有率(仮想通貨の総時価総額に占めるBATの割合) | 0.0426% |
時価総額ランキング | 93位 |
上場以来の最高価額(ATH) | 1.90USドル |
市場流通量(循環している供給量) | 1,497,353,046BAT |
BATのHP | オフィシャルHP |
BATの公式Twitter |
ベーシックアテンショントークンの歴史
ベーシックアテンショントークンのこれまでの歴史について、詳しく解説します。
開発
ベーシックアテンショントークンの開発元は、「Brave Software」社です。
Brave Softwareの創業者は『ブレンダン・アイク』氏で、Java ScriptやMozilla Firefoxの開発にも関わった実績がある人物です。
仮想通貨のブロックチェーンは多くの場合、非営利団体の形態をとっています。
しかし、Brave Softwareは株式会社の形態をとっており、ICOより前に資金調達をおこなっています。
Brave Softwareは2016年8月までにFounders Fundのピーター・ティール氏を始めとして、著名なベンチャー企業から700万ドル以上を調達しました。
トークンではなく株式で資金を調達したことで、Braveでの利益を分配する株主を、外部に持っていることになります。
2017年にはICOで10億トークンを販売し、当時のICOとしては過去最高となる、3,500万ドル(約35億円)の資金を調達しました。投資家は大きなチャンスだと見て、こぞって投資したことになります。
ICOとは「Initial Coin Offering」の略で、新規仮想通貨公開のことをいいます。ICOは他にも「クラウドセール」や「トークンセール」、「トークンオークション」といった呼ばれ方をされることもあります。
Brave SoftwareはBATをEHT(イーサリアムの通貨単位)と引き換えに販売しましたが、わずか30秒で完売しました。これによりBrave Softwareは株主保有者とBAT保有者という、2つのタイプのステークホルダーがいる状態となっています。
Braveブラウザ正式リリース
Braveブラウザは2019年11月、正式リリースを果たしました。同時にBrave Rewardsのサービスも開始したため、Braveブラウザは月間ユーザー数を急激に伸ばしました。
Brave Rewardsはベーシックアテンショントークンを基盤として作られており、ユーザーとクリエイター、広告主をつなげる仕組みです。Brave Rewardsに参加すると、Braveが自動的にどのサイトに関心があるかを計測し、ブラウザ内のウォレットから各サイトにトークンが送られます。送信は止めることもできますし、クリエイターへ直接チップを送ることもできます。
その勢いは2020年8月の時点で、正式リリースから1年も経っていないにもかかわらず、利用者が約1,400万人となってことからもよくわかります。
その後の2021年12月には、1ヶ月のアクティブユーザーが5,000万人と発表されており、速いスピードで普及していることがわかります。
毎年倍に増えていることから2022年末には1億人を突破する可能性は十分にあるでしょう。Braveの潜在能力の高さがうかがえますね。
日本国内の仮想通貨取引所に上場
ベーシックアテンショントークンは2020年、日本国内の主な仮想通貨取引所で次々と取り扱いが開始されました。
3月にGMOコインに上場、4月はビットフライヤーに上場、7月はコインチェックに上場しました。
GMOコイン、ビットフライヤー、コインチェックの3社はいずれも日本国内で抜群の知名度と取引量を誇る仮想通貨取引所です。このような日本の大手仮想通貨取引所に短期間で次々と上場を果たしたことにより、ベーシックアテンショントークンはここからさらに市場で注目度を増すことになります。
ベーシックアテンショントークンの特徴は?詳しく解説
ベーシックアテンションは他の仮想通貨と何が違うのか、どのような特徴があるのか、詳しく解説します。
Braveブラウザ
ベーシックアテンショントークンはBraveブラウザ上で真価を発揮します。
Braveブラウザは2015年に公開、2017年にトークンのICOを実施、2019年4月にはBraveブラウザを利用したユーザーがトークンを受け取れる機能を、開発期間に約2年かけて部分的に実装しました。
Braveブラウザは快適なユーザー体験、プライバシーを重視したブラウザを作ることを目的としています。
Braveブラウザはデフォルトで広告をブロックし、その代わり『Brave Ade』を挿入できます。
Braveブラウザでは広告を閲覧するかどうかはユーザーの判断に委ねることができ、広告を閲覧した場合は広告料の一部がユーザーに分配されるようになっています。
また、利用者はコンテンツ作成者に投げ銭を支払ったり、毎月少額の課金をおこなうことでコンテンツ作成者を応援することもできます。このときの課金に使われるのがベーシックアテンショントークンです。
新しい広告のかたち「Brave Ads」は2019年4月、Braveブラウザに本格導入された、オプトインかつプライバシー保護型の広告です。
ヨーロッパのデータ保護規制「GDPR」などのプライバシー保護のための法律や規制上の措置をとりつつ、ユーザー行動に対して関連性の高いレコメンデーションを提供しています。
プライバシー保護とレコメンデーションという、相反する機能を両立し、実際に展開させた機能が「Brave Ads」です。
Braveブラウザでは広告主、利用者、コンテンツ制作者それぞれにメリットがあります。
広告主はBraveブラウザの利用者向け広告掲載の際の報酬をベーシックアテンショントークンで支払い、利用者は広告閲覧に対する報酬でベーシックアテンショントークンを受け取り、ベーシックアテンショントークンをオンライン媒体に対する投げ銭やマイクロペイメントに利用できます。
コンテンツ制作者はWebコンテンツを掲載するパブリッシャーとして、ベーシックアテンショントークンを報酬として受け取れるようになっていることで、広告以外の収益手段の選択肢が提供されています。
Braveブラウザ上でのベーシックアテンショントークン
ベーシックアテンショントークンは投資目的の需要だけではなく、Braveブラウザの広告閲覧に対する報酬やコンテンツパブリッシャーに対しての投げ銭・マイクロペイメントに使われています。
Braveブラウザの利用者は増加を続けており、Braveブラウザの月間アクティブユーザーは2019年11月時点で870万人だったにもかかわらず、2020年9月時点では1,830万人と、わずか1年足らずで2倍以上増加しました。そして、既に述べたように、2022年12月現在はアクティブユーザー数が6,000万人超となっています。
Braveブラウザの利用者増と同時にBrave Adsの利用も右肩上がりで、2019年4月のローンチしたBrave Adsは2020年9月時点で24億件のキャンペーンを配信しています。その勢いのまま、2022年もその数を伸ばしています。
Brave Adsのキャンペーンの平均クリック率は8%と、業界平均の2%と比べて非常にパフォーマンスが高いことは明らかです。
Brave Adsは公式ブログにて配信するキャンペーンのクリック率やスポンサーによるキャンペーンの更新率などを公開しています。
コンテンツパブリッシャーのBraveへの登録も増えています。これはYouTube、Twitter、Web、Vimeoなどのプラットフォームで活動してきたクリエイターが、Braveブラウザによりユーザーから送られてきたベーシックアテンショントークンを報酬として受け取れるようになったからです。
Braveに登録している認定クリエイター数は、2022年には計130万人を超えています。2021年から2022年にかけてYoutubeやツイッター、Twitchなどのプラットフォームでかなり増加しているようです。
ベーシックアテンショントークンの使われ方
ベーシックアテンショントークン(BAT)は保有や売却に寄付でも使えます。Braveブラウザには「Brave Payments」という寄付システムがあります。
自分の気に入ったWebサイトにベーシックアテンショントークンを送付できるようになっており、自分の応援したいという気持ちをベーシックアテンショントークンによる支援というかたちにできます。
海外では主流になっている「チップ」という概念に近い使われ方です。最近は、投げ銭とも言われますね。
ベーシックアテンショントークンのデメリット
良いことばかりのようにみえるベーシックアテンショントークンですが、デメリットもあります。
Braveブラウザの広告制限が強すぎるため、一部のWebサイトについてはバナーが非表示になったり、レイアウトが崩れたりすることがあります。
アフィリエイトサイトのように記事途中にアドセンス広告がいくつも貼られていると、広告部分が空白になりますので、違和感のある、見にくいサイトになることもあります。
BATの今後の予想や将来性
ベーシックアテンショントークン(BAT)は評価も高く、ユーザーのメリットも大きいために、今後の将来性も高いと言えるでしょう。
価格の予想として、まさにBraveブラウザの普及が1つの鍵を握っていると言えますが、順調にユーザーを増やしていますので安心して良いのではないでしょうか。評価の高さゆえに口コミも良いものが多いので、今後は更に早い速度でユーザーが増加するかもしれません。
現在の数倍のユーザー数を誇るようになるでしょうし、その頃にはATH(過去最高価格)の220.5円を超えるのは現実的でしょう。下記のグラフを見ても、ものすごい勢いでユーザー数が増えているのがわかるでしょう。一般の人達の多くが認知し始めるのも時間の問題かと思います。
仮想通貨市場全体におけるシェアが大幅に伸びる可能性もあり、時価総額20位圏内などに入ってきて、かつ、BTCをはじめとする主軸仮想通貨の相場も上がっている場合には、過去最高値の何倍もの値段になると予想してもおかしくないでしょう。BATの将来性の高さを考えれば、まだまだ割安の段階と言えるのかもしれません。
ベーシックアテンショントークンのまとめ
ベーシックアテンショントークンの今後の展開として、Braveの機能についてGitHubで公開されている情報をみると、今後の様々な機能がリリースされる予定です。
ただし、各機能のリリース時期はあくまで予定のため、変更になる場合があります。
Braveブラウザの右肩上がりの成長と連動して、Brave Adsの評価も高まっており、Brave Adsは費用対効果が高いという認知が進んでいます。そのため、今後は仮想通貨以外での展開も期待できます。
ベーシックアテンショントークンの2022年12月現在の仮想通貨時価総額ランキングは84位となって先月より順位を少々下げています。他の仮想通貨と比べて出遅れているように見えますが、これは日本の仮想通貨取引所への上場が2020年と、比較的遅かったことが理由として挙げられます。
使いやすさ、機能面の充実ぶるからみても、今後、時価総額ランキングが上がってくることは確実といえるでしょう。
ベーシックアテンショントークンはこれまで、Braveブラウザとともに成長してきましたが、Braveブラウザ以外でもベーシックアテンショントークンを利用できるようにする「BATエコシステム」の開発が進んでいます。
仮想通貨は使いたいと思う人が増えることで価値が高まりますので、BATエコシステムによる利便性向上により、将来はより広くベーシックアテンショントークンを使えるようになるかもしれません。
さらに、Braveが他企業と連携を進めることでベーシックアテンショントークンの使い道が増えていきます。
たとえばリアル店舗でベーシックアテンショントークンを使えるようになったり、商品券などと交換できるようになったり、日本国内で実現すればベーシックアテンショントークンの魅了が増してBraveの利用者は広がっていくことでしょう。
BraveブラウザはWeb3.0時代の新しいブラウザとして期待されています。
Web3.0とはGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftという、アメリカを拠点とする最強のグローバルIT企業たち『GAFAM』がほぼ独占、権力が集中している現在のWeb2.0時代から、ブロックチェーンで情報が分散される「非中央集権的」なWebの仕組みを指しています。
Web3.0時代は個人のプライバシーが保護され、ブロックチェーンを利用することでセキュリティが高くなります。ベーシックアテンショントークン、Braveの各機能はこれまで説明してきたとおり、Web3.0時代になくてはならないものとなることでしょう。
ベーシックアテンショントークンは今後、間違いなく重要性を増していきますので、ぜひ注目してください。