Astar(ASTR)は2022年1月17日、メインネットを立ち上げた、比較的新しい仮想通貨です。登場してからまだ日が浅いにもかかわらず、国内外での注目度は高く、すでに海外の仮想通貨取引所に上場しています。
今回はAstar(ASTR)の歴史や特徴、将来性や今後の価格の予想について詳しく解説します。
Astar(ASTR)とは?
Astarは異なるブロックチェーンを相互で接続できる「ポルカドット(DOT)」のハブとして稼働し、Web3の実現を目標としているプロジェクトです。WEB3への注目は大きく、日本政府内からも力を入れるべき分野という発言も出ていますので、Astarへの期待も今後更に大きくなるかもしれません。
ポルカドットそれ自体はブロックチェーンへの接続および高いセキュリティ機能は持ち合わせていますが、拡張性のあるスマートコントラクト機能がありません。
ポルカドットの弱点を補うべく、Astarはポルカドットにスマートコントラクト機能を提供しています。
そのため、Astarはポルカドットのスマートコントラクト・ハブとされており、Web3時代を牽引するブロックチェーンとして期待されているのです。
Astarの発行元であるStake TechnologiesのCEOは日本人の「渡辺創太」氏であり、Astarは日本発のパブリックブロックチェーンとして注目されています。
世界中の企業、個人投資家から出資を受けており、そのなかにはCoincheckが運営している「Coincheck Labs」やWeb3開発を手がけている「Crypto.com Capital」、サッカー元日本代表の「本田圭佑」氏やイーサリアム共同創業者「ギャビンウッド」氏もいますので、期待値が高い仮想通貨だと言うことができるでしょう。
出資元のラインナップをみても、Astarが国内外で非常に注目されていることがわかるでしょう。
2022年8月までAstarは日本国内の仮想通貨取引所では購入できませんでしたが、2022年9月26日より日本で初めて「ビットバンク(bitbank)」がAstarの取り扱いをスタートしています。
買い方は簡単で、下記の公式ページで暗号資産取引所ビットバンクの口座開設をオンラインで行い、銀行からその口座に振り込みをすると、購入できるようになります。
海外の仮想通貨取引所でAstarを購入できる取引所はBinance、Gate.io、Huobi Global、KuCoin、Kraken、BKEXなどです。
Astar(ASTR)の歴史
Astarは2022年1月17日にGato.ioやHuobi Globalに上場し、一時価格が約30円まで高騰しましたが、それも長くは続かず落ち着き、下落しています。
しかし、初期に高騰したことから、Astarへの期待が高いことがわかります。
実際、3月にはマイクロソフトとの提携、Coinbaseからの資金調達が発表されました。
仮想通貨市場全体の上昇トレンドとも重なったことでAstarの買いが膨らみ、一時は2倍以上に高騰する動きをみせています。
Astarのこれまでの最高値は2022年4月に38円台を記録していますが、上昇トレンドは長く続かず、株式市場の急落や仮想通貨市場全体の下降、ステーブルコインのUST、Terraの問題も続いたことで価格も冷え込んでしまいました。2022年12月時点では5.3円程度の価格となっています。
他の仮想通貨と同じく、上昇と下降を繰り返していますが、他の仮想通貨がローンチしたときと比較すると、価格下落から戻してくるまでのスパンが短いため、今後の上昇にも十分期待できるでしょう。
価格に変化を与える材料としては、今後のポルカドットの動きにあります。
ポルカドットと接続するブロックチェーンが増えてくると、Astarの価格にも少なからず影響があると考えられますので、情報を常にキャッチしておくことが必要です。
Astar(ASTR)の特徴は?詳しく解説
Astarにはどのような特徴があるのか、詳しく解説します。
Substrate
Astarは「Substrate」という、ブロックチェーン構築のためのフレームワークを使って開発されています。
Substrateはブロックチェーンの改修するための開発キットで、テンプレートにしたシステムを組み合わせることにより、独自のブロックチェーンを容易につくることが可能です。
Substrateを使って開発されたブロックチェーンどうしは接続がしやすいというメリットもあります。
Substrateのこのような利便性は中小規模企業だけでなく、大企業からも高評価を受けており、2022年5月にアメリカの大手ソフトウェア会社「マイクロソフト社」と提携しました。
Substrateを使用しているAstarは今後の成長に期待できると考えられるでしょう。
ポルカドットと接続
Astarはポルカドットにある100枠のパラチェーンのうちの1枠を得て、世界で3番目となるパラチェーン接続をしました。
ポルカドットとの接続により、Astarのセキュリティは大幅に強化できています。ブロックチェーン技術では、何よりもセキュリティ面の安全性が重要なので、ここは大切なポイントです。
なぜなら情報を相互に共有することが可能となるため、ネットワークに接続する端末「ノード」の数が増えてデータの改ざんがしにくくなるからです。
データを共有するノードの数が多ければそれだけデータの改ざんへの耐性が高まりますので、Astarは高いセキュリティを保持することができます。
Astarはまた、ポルカドットと接続することにより、ビットコインやイーサリアムといったポルカドットに直接は接続できないブロックチェーンとも接続が可能となります。
スマートコントラクトの実装
Astarはイーサリアムで使われているスマートコントラクトを実装する機能があります。
スマートコントラクトとはブロックチェーンの仕組み上の概念で、あらかじめ決められたルールに従って、ブロックチェーン上の取引またはブロックチェーンの外から取り込まれた情報をきっかけとして、承認・実行が自動的にされるプログラムのことをいいます。
ポルカドットのリレーチェーンはセキュリティ維持と相互接続の機能は持っているものの、スマートコントラクト機能はありません。
ポルカドットのこのような弱点も、Astarと接続することにより、ポルカドットのシステム上でスマートコントラクトが使えるようになります。
AstarはEVMとWASMをサポートしています。EVMとはイーサリアムバーチャルマシンのことで、スマートコントラクトの展開・実行を管理している、イーサリアムアムのコンポーネントです。
WASMはWebAssemblyの略で、Webブラウザで動作し、新しい機能と大幅なパフォーマンスアップを可能とするコードです。
EVMとWASMをサポートしていることにより、Astarはイーサリアム上でつくられた分散型アプリケーション(dApps)を容易に移行することが可能となります。
DeFi
Astarはポルカドットと連携することで、DeFi(分散型金融)に関するプロジェクトの需要を満たしています。
ポルカドットそのものにはスマートコントラクト機能がないため、DeFiなどに関するプロジェクトは実現不可です。
しかしスマートコントラクト機能をもつAstarがポルカドットのパラチェーンとして機能することにより、DeFiなどに関するプロジェクトについて需要を満たすことができるようになります。
また、AstarはEVMとWASMの両方に対応しているため、イーサリアム上でつくられたスマートコントラクトを容易に移せますので、ポルカドット上で新たなスマートコントラクト構築も可能です。
日本人が携わっている
Astarは仮想通貨では珍しく、日本人が携わっているプロジェクトです。
Astarの発行・開発をおこなっているStakeTechnologies社の代表は「渡辺創太」氏で、StakeTechnologies社自体は拠点をシンガポールに移したものの、引き続き渡辺氏が関わっています。
日本で開発されたブロックチェーン技術はこれまでもいろいろあったものの、大きな規模で世界から支援されているプロジェクトはAstarが初めてといえるでしょう。
ステーキング
Astarはステーキングができます。
ステーキングが可能な仮想通貨は他にもありますが、Astarがそれらと異なるのは「dAppsステーキング」を用いているところです。
従来のステーキングは一定期間、仮想通貨を預けることによりブロックチェーンの正常稼働に貢献することで、銀行の金利のようなかたちで報酬を得ることでした。
AstarのdAppsステーキングの場合、Astar上のスマートコントラクトプロジェクトでAstarをステーキングすることによって、ユーザーは報酬を受け取ることができるのです。
Astar(ASTR)の将来性と今後の価格の予想
Astar Network(ASTR)の将来性と今後の価格を予想する上で重要なポイントは以下でございます。
・企業との提携の増加による人気の上昇
・技術開発の進展とポルカドットの接続チェーンの増加
・DeFiなどの新しいサービスの増加
・新規取引所への上場による知名度の上昇
・仮想通貨市場全体への世界的な投資金額の上昇
今後、上記のような条件を満たすと、過去最高価額を超えて、青天井で価格が上がると予想されます。特に仮想通貨市場の調整フェーズが終わり、再び上昇トレンドに入った場合には、ビットコインなどの上昇率よりもはるかに大きな割合で価格が上がる可能性がありますし、それがアルトコインの魅力だとも言えるでしょう。
WEB3に関連する将来性の高い仮想通貨(暗号資産)ですので、今後の価格上昇に期待しましょう。買い方としては、コインチェックなどの大手で口座開設をしてからBinanceなどの海外取引所に送金して買う方法が1つ、もう1つはビットバンク口座を開設してそこで購入する方法です。将来性と今後の価格に期待する人は、割安なうちに購入すると良いでしょう。
Astar(ASTR)の今後の展開
ここまでAstarとは何か、Astarの歴史、Astarの特徴について詳しく解説してきました。
まとめとして、Astarの今後の展開について解説します。
企業からの支援
Astarは多くのファンドや企業、個人投資家から支援を受けており、今後さらに成長していくことが期待できます。
支援企業のなかでも特に、仮想通貨大手のコインチェックの「Coincheck Labs」はWeb3開発をおこなうスタートアップ企業を支援しています。
「Coincheck Labs」は仮想通貨取引所運営で積み上げてきたノウハウ・情報をAstarと共有し、全面的に支援することを明らかにしていますので、非常に心強いといえるでしょう。
Astarのコミュニティ支援やイベント開催の際の協力にも前向きですので、AstarとCoincheck Labsが連携し、仮想通貨業界を盛り上げてくれるかもしれません。
さらに日本マイクロソフトもAstarに対してシステム開発だけでなく、マーケティングにおいても支援すると表明しています。
Astarは国内外のさまざまな企業から支援を受けていますので、今後の開発、展開が非常に楽しみです。
ポルカドットとの接続が増加
ポルカドットは仮想通貨業界で注目のブロックチェーンですので、今後はポルカドットと接続するブロックチェーンが増えると予想されており、すでにポルカドットと接続しているAstarの注目度もアップしていくことが期待できます。
Astarは現在、おもにイーサリアムをサポートしていますが、コスモスチェーンなどの複数のブロックチェーンとの接続も進めていくことを明らかにしています。
Astarがさまざまなブロックチェーンとつながっていくことで、ブロックチェーンどうしの壁を感じることなく取引ができるようになりますので、Web3本来の概念により近づいていくといえるでしょう。
DeFiの市場動向
AstarのこれからにとってDeFi(分散型金融)の市場動向も重要になってきます。
Astarはブロックチェーン上にArthSwapというDEX(分散型取引所)を構築しており、GameFiプラットフォームとの連携も明らかにしました。
GameFiとはブロックチェーン技術を活用したNFTゲームのことで、ゲームで仮想通貨が稼げると人気が広がっています。
AstarとDeFi市場の関係は深く、AstarはDeFi市場に寄与するとともに、DeFi市場の動向に大きく影響を受ける可能性があるでしょう。
イーサリアム2.0
Astarはイーサリアムのアップデートに影響を受ける可能性があります。
イーサリアムは長い間、スケーラビリティ問題を抱えてきました。
スケーラビリティ問題とは、イーサリアムのように取引量が膨大になることによりネットワークが混乱し、トランザクションの遅延が起こって、ガス代も高騰する状態のことを指します。
イーサリアムの2.0へのアップデートは、スケーラビリティ問題を改善するためです。
現在はイーサリアムのスケーラビリティ問題があるため、ポルカドットが注目され、Astarも価値が上がっています。
しかしイーサリアム2.0によりスケーラビリティ問題が解決すると、ポルカドットの優位性は低くなりますので、Astarの価格も下がる可能性があります。
今後のAstar
Astarは2022年1月17日にメインネットが立ち上げられたばかりの、とても歴史の浅い仮想通貨です。
これまではポルカドットのパラチェーンとの接続で話題となり、価格が上昇してきましたが、これまで解説してきたとおり、イーサリアム2.0へのアップデートやAstarに代わる新しいブロックチェーン技術の登場により、価格が影響されるかもしれません。
しかしながら、Astarは世界中の企業や個人投資家から支援されており、引き続き非常に注目されているブロックチェーン技術です。
これまで海外の仮想通貨取引所でしか購入できなかったAstarですが、2022年9月26日からはビットバンクでの取り扱いがスタートし、今後、他の日本の取引所に上場するようなことになれば、日本国内での注目度も上がり、価格上昇にも期待出来ることでしょう。
今からAstarに注目しておいてください。