世界の各国の仮想通貨(暗号資産)の保有率(所有率)について、この記事で説明します。ランキングに関しても記載していきたいと思います。
もちろん、日本の仮想通貨(暗号資産)保有率も記載しています。
日本人が仮想通貨を保有している割合は平均よりは高いのですが、海外の先進国であるアメリカ、イギリス、ドイツなどと比べると、まだまだ低い方だと言えます。もちろん、保有率のデータはいくつもの会社が公表しており、その結果も異なるので、その点に関しても解説します。
アメリカやヨーロッパ、近隣の韓国や中国などの諸外国の仮想通貨の保有割合と、日本の保有割合の差がどのくらいなのか、興味がありますね。
先進国ではなく、発展途上国でも保有割合が非常に高かったりと、興味深いデータが出てますよ。
国別の仮想通貨の保有率の統計は複数ある
仮想通貨(暗号資産)の保有率に関する調査結果は1つではなく、いくつもあります。
難しいところは、その調査結果に大分ばらつきがあるところで、複数の統計を見ても、結果が結構異なるのです。そもそも調査の時期が異なりますし、調査方法も違うので、差が出てきてしまうのでしょう。
したがって、その中でも、実際の数字に近いのだろうと感じるものを選定していく必要があります。ただし、どれがより正確なものかは自分で判断しましょう。
例えば、Dalia Research(ダリアリサーチ)が2018年に発表した調査結果では、日本人の仮想通貨の保有率はなんと11%となっています。10人に1人超が保有していたことになります。少子高齢化の進んでいる日本では、高齢者がビットコインなどの仮想通貨を持っている確率は低いと考えると、若者の間では11%をはるかに上回る割合の人が仮想通貨を持っていたということになりますよね。
しかし、実際に生活していると、当時、そこまで多くの人が持っていたとも体感的には思えない部分もあります。若者の間でも当時に10人に1人も持っていなかったような気がしますしね。
又、この調査結果は少々古いものですので、今はまったく結果が変わってくるでしょう。
tripleAの国別の人口に対する仮想通貨の保有率ランキング
続いて、tripleAの公表している世界各国の人口に対する仮想通貨の保有率についてです。
インターネットで英語で「Cryptocurrency ownership by country」で検索するとすぐに出てくるようなサイトでもあり、割と自分の体感値に近い保有割合を示していました。
なお、日本は、人口の2.31%仮想通貨が保有しているという結果で、これは43人に1名ということになるでしょう。高齢者が持っている割合が非常に低いであろうことを考えると、実際にはこのくらいの数字になるのではないかと思います。
国別の仮想通貨保有率のランキング表
仮想通貨保有率ランキングを見て、ベトナム人の保有率がこんなに多いというのは意外でした。
5人に1人以上が保有しているということには驚かされますね。ウクライナの仮想通貨保有率が高いのは、ロシアとの戦争が影響していると言えますね。
こちら、2021年における国別の仮想通貨(暗号資産)の人口に対する保有率の1位から50位までのランキング表となっています。
順位 | 国名 | 人口に対する保有割合 |
---|---|---|
1位 | ベトナム | 20.27% |
2位 | ウクライナ | 15.72% |
3位 | アメリカ | 13.74% |
4位 | 南アフリカ | 12.45% |
5位 | ケニア | 11.6% |
6位 | パキスタン | 11.5% |
7位 | ナイジェリア | 10.34% |
8位 | ロシア | 10.1% |
9位 | ベネズエラ | 9.02% |
10位 | ブラジル | 7.75% |
11位 | コロンビア | 6.63% |
12位 | タイ | 6.47% |
13位 | イギリス | 6.17% |
14位 | フィリピン | 6.13% |
15位 | ドイツ | 5.80% |
16位 | アルゼンチン | 5.18% |
17位 | フランス | 5.04% |
18位 | シンガポール | 4.92% |
19位 | トルコ | 4.50% |
20位 | インドネシア | 4.45% |
21位 | ガーナ | 4.30% |
22位 | トーゴ | 4.21% |
23位 | 韓国 | 3.88% |
24位 | ペルー | 3.83% |
25位 | タンザニア | 3.82% |
26位 | マレーシア | 3.54% |
27位 | カナダ | 3.49% |
28位 | バングラデシュ | 3.30% |
29位 | モロッコ | 3.16% |
30位 | カメルーン | 3.12% |
31位 | メキシコ | 3.07% |
32位 | ベラルーシ | 2.97% |
33位 | オーストラリア | 2.94% |
34位 | ポーランド | 2.83% |
35位 | エクアドル | 2.79% |
36位 | オランダ | 2.75% |
37位 | スペイン | 2.73% |
38位 | 香港 | 2.65% |
39位 | ネパール | 2.65% |
40位 | アフガニスタン | 2.65% |
41位 | イラン | 2.59% |
42位 | チリ | 2.51% |
43位 | ブルガリア | 2.47% |
44位 | モザンビーク | 2.40% |
45位 | 日本 | 2.31% |
46位 | ベナン | 2.29% |
47位 | イタリア | 2.26% |
48位 | エジプト | 2.26% |
49位 | ザンビア | 2.24% |
50位 | カンボジア | 2.22% |
日本人で仮想通貨を持っている人口数
各国の仮想通貨(暗号資産)の保有割合のランキング表は上で載せましたが、日本は2.31%となっています。
日本の人口が約1億2,600万人なので、その2.31%ですから、約291万人が何らかの仮想通貨を保有していることになります。
保有割合も保有人口も思ったよりも低く感じるかもしれませんが、65歳以上の高齢者が30%程度いて、高齢者が仮想通貨に手を出す確率が低いことを加味して考えると、妥当な数字ではないかと感じています。
ただ、今後のブロックチェーン業界の発展に伴って、保有割合も人口も増加していくことを期待したいですね。
仮想通貨自体、送金手段としても非常に便利なものですし、個人的にも、日本人がより積極的に保有して、又、ブロックチェーンへの理解が深まることで、業界が発展していってくれれば嬉しいですね。
ちなみに、日本人がどこで仮想通貨を買うかというと、国内取引所は取引手数料が無料のコインチェックを利用し、海外取引所は取り扱い銘柄数が非常に多いバイナンスを使うケースはよくありますね。
発展途上国の仮想通貨の保有割合も高い
アメリカやイギリスなどの先進国の保有割合も高いのですが、ベトナム・ケニア・ベネズエラなどの途上国の保有割合が高いということを意外に感じられた人もいるでしょう。Chainalysisというブロックチェーン分析会社が発表した「ビットコイン等の仮想通貨の使用が進んでいる国ランキング」でもベトナムは第1位となっており、特にベトナムでの普及率は高いものがあります。
アフリカの国々もランキングに入ってきていますし、発展途上国でも仮想通貨の保有割合が高い国はあり、これは売買益を積極的に狙うだけではなく、自国通貨の不安からビットコイン等の仮想通貨を購入しているというケースもあるのではないかと思います。
ちなみに、エルサルバドルや中央アフリカのようにビットコインを法定通貨とした国もあります。
野村総合研究所の調査による仮想通貨(暗号資産)の保有率
野村総合研究所も日本の15歳から80歳の男女を対象として、仮想通貨(暗号資産)の保有率を調査しています。年齢の幅も広いので、こちらも正確な数字に近いのではないかと思います。
野村総合研究所の調査結果では、2018年の日本の暗号資産保有率は1.1%であり、2021年は1.7%となっています。株式投資や投資信託投資の割合には遠く及ばないものの、3年間の間に仮想通貨(暗号資産)保有者が増加していることを示しています。
既に述べたDalia Researchが2018年に公表した調査結果では日本人の保有率が11%としているのに対し、野村総合研究所は1.1%ですので、統計の取り方や調査対象、時期に若干の違いがあるのかもしれないとは言え、同じ年に調査したにも関わらずに、10倍もの差がついていることになります。
tripleAと野村総合研究所の仮想通貨保有率の差異に関して
tripleAの各国別仮想通貨保有率ランキングと野村総合研究所の調査結果でも、調査の時期や調査対象年齢にはずれがあるでしょうし、日本人の保有率に違いは生じています。
ただ、両者で2倍の開きがあるような状況ではありませんし、両者が示すように日本の保有率は数パーセントであるということになるのではないかと思います。
普段生活していても、実際に仮想通貨を今現在保有している人の割合というのは、このくらいだというのが体感値です。
仮想通貨は男性の保有率が高く、かつ若者の保有率も高いので、若者同士、男性同士、かつ、平均以上の所得がある人同士で話している場合には、もっと保有率は高いのではないかと感じるかもしれませんが、実態としてはやはり数パーセントであると私も予想します。
平均年齢が若い国は、仮想通貨保有率が高くなる可能性がある?
仮想通貨はネット上の操作で売買や送金をするので、若者の方が理解しやすいという側面はありますよね。
仮想通貨の普及のためには、高齢者の利用率も上げていく必要がありますし、それを金融機関や取引所が手助けできる環境が整う世界が来ると良いですよね。
野村総合研究所の調査結果では、日本における仮想通貨の男女の保有率の差は、男性が70%超とされています。
保有者の平均年齢は40代前半となっていて、株式の保有者の平均年齢が50代中盤から後半であることを考えると、仮想通貨投資は若年層のより人気が高いということができるでしょう。
これは日本の統計ではありますが、世界的にも若年層の人気が高いと仮定するのであれば、平均年齢が低い国の方が、仮想通貨の人口に対する保有率が高い傾向になるでしょう。
finderの調査
なお、その他の調査では、例えばFinderの調査では日本の仮想通貨所有割合は5.8%とされていたりしますが、5.8%までは届いていないのではないかなと思います。
finderの国別仮想通貨の保有割合は、上位にランキングされているベトナムなどの保有割合もかなり高いものとなっています。なお、finderの調査は27か国についてインターネットで調査を行ったものですが、日本は27か国中の27位となっており、最下位です。
2021年に調査が行われているものであり、かつ、12月時点の調査ですので、鮮度は高いデータだと考えられます。
個人的感覚としては、6%という数字もありうるものですが、ちょっと高いのではないかとは感じましたね。
仮想通貨(暗号資産)の国別の保有率のまとめ
この記事では世界の各国の仮想通貨(暗号資産)の保有率について解説しました。最初に書いたように、調査結果にはばらつきがあります。
そんな中でもtripleAの調査結果は、ビジネスで多くの人達と付き合う中で感じている保有率に近いのではないかと感じました。仮想通貨は日本や韓国などでの人気が非常に高いと考えている人も多いと思いますが、人口に対する保有率という意味では、そこまで順位は高くないことになります。
政情が不安定な国や、アフリカや南米などの意外な国が上位にランキングされていることに驚いた人もいるかもしれません。このあたりは、株式や投資信託の国別の保有率などとはまた違ったものであり、又、その国の平均所得とも連動しないところに、仮想通貨の保有率ランキングは独特のものがあると言えるでしょう。
今後は、日本における仮想通貨(暗号資産)のイメージがよりより良いものとなり、仮想通貨投資をする人口が増えてくれればと思っています。もちろん、日本の仮想通貨の保有率を上げるためには、暗号資産税制の改正なども必要とはなってくることでしょう。
海外の仮想通貨の保有人口も、日本国内の仮想通貨の保有人口は今後も増加すると予測しますが、運用益を狙う場合には、取引手数料が0円の取引所を利用するなど、取引所選びをしっかりと行った上で投資を始めましょう。