仮想通貨(暗号資産)への投資だと言って勧誘して詐欺を働く悪質な詐欺グループもいるのでご注意ください。
「投資すれば絶対儲かる」とか「ICO(Initial Coin Offering)が確実で投資金が100倍になる」などの嘘を伝えた場合は、当然刑法246条の詐欺罪にあたり罰せられるべきですし、報酬欲しさに加担する側にも決して回ってはなりません。
最近の手口としては、投資セミナーを開いて騙すようなものだけではなく、マッチングアプリやSNSなどを使って見知らぬ人に声をかけて知り合い、最終的には仮想通貨を利用しているという偽物の金融商品を購入させるものもあります。
こういった事件が起きてニュースになるので、仮想通貨に対して怪しいイメージを持ってしまう人がいるのは大変残念なことです。
仮想通貨自体は、今後の時代では必須のものとなる可能性もありますし、実際に普及していくと考えられるので、多くの人がどこかで保有することになるのではないかと思います。むしろ、今後の時代の流れについていくためには、仮想通貨やNFTに関する知識は必須と言っても過言ではないと思います。
ただ、きちんと正規の暗号資産取引所で購入するようにしましょう。正規の暗号資産取引所とは、つまり金融庁に仮想通貨交換業をして認められている取引所のことです。そこで取り扱っている銘柄はホワイトリスト銘柄と言われ、安全性が高いため詐欺を疑わずに安心して購入できると言えます。
こちらの記事では、詐欺に合わないために取引所で買うことの重要性、毎年の被害相談件数、実際の過去の仮想通貨詐欺事件の被害事例、本物そっくりのフィッシングサイトで騙されて入金しないための取引所の公式サイトのご紹介をします。
まだ仮想通貨の口座を持っていないという方は、まずは下記のコインチェックなどの日本国内の有名な取引所で口座開設してみると良いでしょう。
仮想通貨詐欺に合わないための注意点
まずは基本知識として、詐欺に合わないための注意点を解説します。どこで仮想通貨を買えば安心なのか、どんな話が入ってきたら詐欺の可能性が高いのかなど、説明していきます。
詐欺をする人が被害者を生むだけでなく、仮想通貨やNFT業界のイメージも悪くしますねっ
その通りだよ。残念ながら、仮想通貨投資を名乗る詐欺はあるから、人にお金に預けたりせず、自分で暗号資産取引所で口座開設して、そこで取引して欲しいですね。
仮想通貨(暗号資産)は正規の取引所で買うのが安心
あまり深い付き合いのない知り合いや、SNS、マッチングアプリで知り合った人から仮想通貨への投資を勧誘されたら注意が必要です。そんなにうまい話がいきなり転がり込んでくる話はないので、十中八九は怪しい話だと考えて、警戒をした方が良いでしょう。
普通に考えればわかるのですが、正規の取引所以外で仮想通貨へ投資するのであれば、完全に相手の信用力に依存することになり、特に自分で完全に入出金を即時に行えるウォレット以外で保管するような場合であれば、詐欺の可能性が十分にあるでしょう。
「断りにくい」という心境になるかもしれませんが、これこそが詐欺師が狙っている心理状態であり、ここをついてくる手口もあるので、注意しましょう。
お金を支払ってしまったら返金される可能性は低く、一定期間ロックするなどの理由で引き出せないような契約条項があったりして中々返金されず、最後には音信不通になってしまって、こちらは泣き寝入りするしかないようなことになりかねません。
国内できちんと運営されているコインチェックやビットフライヤー、DMMビットコイン、ビットポイント、GMOコインなど、安心できる正規の暗号資産取引所で仮想通貨は買うべきだと言えるでしょう。
NFTを絡めた詐欺もあるので、NFTもやはり正規のマーケットプレイスで買うのが安心です。
うまい話はポンジスキームの可能性が高い
ポンジスキームとは、お金を集めて投資をするふりをするものの、実際には運用はしておらず、出資されたお金から単純に配当を支払ったように見せかけて更なる出資者を募るスキームです。
運用をしていない詐欺なので、必ずどこかでお金を引き出せなくなって、そのまま返金されずに最後までお金を預けている人が損してしまうのです。
過去においても未来においても、仮想通貨やNFT関連の詐欺に関してはこのポンジスキーム系の詐欺は繰り返し行われるでしょうから十分に注意しましょう。
世の中の詐欺の多くは、このポンジスキームなんだ。許せるものではないですよね!ただ、ひっかからないように下記をしっかりご覧ください。
下記のような話が舞い込んできたら、ポンジスキームなどの投資詐欺を疑ってください。
- 毎月高い利率で配当が出る(月利5%、10%、20%など到底信じられない金利を謳って、しかも元本保証と言ってきます)
- 元本保証(最近は元本確保という言葉を元本保証と同じ意味で使って騙す詐欺グループもいる)
- 元本は一定期間ロック(1年以内に出金したら10%や20%目減りした金額で返金されるものも含む)
- 聞いたことのない銘柄の仮想通貨で、インターネットでも情報が出てこない
- インターネットで検索すると詐欺だという書き込みがある(アンチが書いてるだけと勧誘者は言いますが、紹介者や運営者から「アンチ」という言葉が出た時点で詐欺の可能性は高いでしょう。そう言うように指示されてます)
- 芸能人などの有名人、人気のある起業家の名前を出して、彼らが投資してる等の触れ込みを行う(詐欺の典型ですね)
- 最低購入価格の定めがあり、いくら以上じゃないと投資できなかったりする
- 紹介者が実質的に代理店(エージェント)となっていて、報酬を得ている(これは危険な投資詐欺の特徴です)
- そもそも知人や友人から紹介された時点で怪しい(友人が推薦するコインを、自ら取引所の口座開設して買うのとは訳が違います)
今後は、仮想通貨だけではなく、NFTやメタバース(仮想空間)で儲けると謳うような詐欺が増えていくのではないかと思いますので、ご注意ください。
仮想通貨の自動売買ツールの販売にも気を付ける
セミナーやネットで仮想通貨に関する情報を発信し、まずは安い金額や無料で情報商材を配布するケースがあります。しかし、このようなセミナー開催者はこれで利益を出すことはできませんので、最終的には強引にバックエンドの商品を売りつけることがあります。
気が弱い人ですと、断れなかったりしますよね。
「無料で情報提供してもらったのに断ったら悪い」なんて思わずに、躊躇なく断ってしまいましょう。
これが実際には役に立たたずに儲けることが難しいツール(アプリ)であり、しかも高額であるため、購入者が大損してしまうこともあります。これもほとんど詐欺と同じでしょうし、要注意です。
そもそもそんなに儲かるツールなら、人に売らずに自分たちだけで利用して儲けるはずですよね。
SNSでお金や仮想通貨をプレゼントするという投稿にも気を付ける
詐欺によくあるものとして「SNSで10万円を配ってます」とか「仮想通貨をプレゼントしています」というものにも注意してください。
最終的には受け取りのためには先に支払いをする必要が出てきたりして、そのまま返金せずに逃げられてしまうでしょう。又は、個人情報を盗むことを目的にしていることもあるでしょう。
一部の有名人が「お金配り」を実際に行ってフォロワーを集めることもあるので、それに便乗した詐欺だということができます。
メールなどで、「当選したので仮想通貨をあげます」などといったものにも、当然気を付けてください。
国民生活センターのPIO-NETに登録された相談件数も増加している
国民生活センターに寄せられている仮想通貨(暗号資産)に関するトラブルの相談件数も以前よりかなり増えてきています。2018年は3,455件であったものの、2021年には4,662件にまで増えています。
事例としては、「婚活サイトで知り合った男から教えてもらった仮想通貨に投資した」、「アプリやSNSで知り合った人に紹介されて投資して詐欺にあった」、「これから上場予定という仮想通貨に投資したら詐欺だった」といったようなものがあるようです。
国民生活センターのPIO-NETのサイトに上記の情報があるので、一度は確認してみてください。やはり、実際の詐欺事例を知ると、いかに詐欺師がマッチングアプリやSNSを巧妙に利用しているのかがわかるでしょう。被害届の件数も増えているであろうことが推測できますね。
インターネットで知り合った人が仮想通貨を勧めてきたら「これはネットを使った手口の詐欺だ」と気が付けるようにしておきましょう。
仮想通貨詐欺にあったときは、どこ(誰)に相談すればいいの?
仮想通貨詐欺にあったと思ったときは、金融庁・消費者庁・警察庁が薦めている「金融サービス利用者相談室」、「消費者ホットライン」、「警察相談専用電話」にまずは相談してみると良いでしょう。
金融庁等の注意喚起のページに相談先の電話番号等は記載されていますのでご参考としてください。「ICO詐欺の相談」、「仮想通貨ネットワークビジネスの相談」、「外国政府が公認している仮想通貨の販売代理店の勧誘に関して」など、事例も載っているので確認しておきましょう。
仮想通貨詐欺の相談先の窓口 | 電話番号 | 相談可能時間 |
---|---|---|
金融サービス利用者相談室 | 0570-016811 | 平日10:00~17:00 |
消費者ホットライン | 局番なしで188 | 最寄りのセンターが案内され、センターにより相談時間が異なる |
警察への相談専用窓口 | #9110 | 原則 平日8:30~17:15 都道府県警察本部によりやや異なる |
その後に誰に相談するかというと、弁護士の所属する法律事務所に相談してみるのも良いでしょう。大きなポンジスキームの詐欺事件では、集団訴訟になる前に早く単独で動いた被害者には返金をしているということも起こりうるので、そういった点に関しても弁護士は詳しいので教えてくれるでしょう。
なお、相談してから対策していくと、詐欺の大元が返金してくれなくても、詐欺と気づきながら加担していた勧誘者(詐欺エージェント・代理店)が逮捕や起訴に脅威を感じて返金してくれることもあるかもしれません。とにかくよく弁護士の先生に相談したいものです。
本来的にはこういった詐欺に合わないのが一番ですので、仮想通貨を購入するときは、コインチェックなどの大手有名取引所の公式ページで口座開設をして、自ら投資するようにしましょう。
過去の詐欺の事例
ここでは、過去にあった仮想通貨(暗号資産)やNFT関連の詐欺の事例を4つほど紹介したいと思います。
被害に既にあってしまった場合はお金はほとんど戻らないけれど、新たな被害者が生まれないように、下記の事例から学んで欲しいです。
クローバーコインの事例
日本経済新聞にも掲載された詐欺事件です。運営側の48ホールディングス株式会社は、国税庁からも、消費者庁からも強制捜査を受けています。
セミナーを開催し、今後3ヶ月で128倍に価格が絶対に上がるとして、クローバーコインを購入させた事件です。クローバーコインの関係者が日本にビットコイン(BTC)を持ち込んだというような嘘まで話していたようです。
1,000人も参加できる会場を借りてセミナー開催をしていたというのですから、被害者の数もかなりの数にのぼったと考えられます。
仮想通貨というデジタル資産をセミナーで販売してしまう時点で非常に怪しいですよね。セミナーでの投資話には十分に気を付けましょう。
マルチ商法(ネットワークビジネス)の手法も用いていて、新たな出資者の紹介者に報酬が支払われていたようです。報酬を支払う方法が取られる場合は、更に詐欺の確率が高まりますね。
なお、特定商取引法違反で運営会社は処分されています。仮想通貨関連では有名な投資詐欺と言われています。
650億円集金した詐欺事件
アービトラージと言って、取引所間の仮想通貨の価格差を利用して儲ける方法があるのですが、それを人口知能(AI)を用いて活用するシステムを開発したとして、セミナーで投資者を募って650億円もの大金を集めた事件がジュビリーエース事件です。こちらも有名な事件です。
大きなニュースになって新聞やテレビでも報道されました。
アービトラージは仮想通貨の人気が出始めた初期では有効でしたが、その後はそんなに儲けられる手法ではなくなっています。こちらの投資詐欺もマルチ商法(ネットワークビジネス)のスキームを利用する手口で出資者を集めたようです。
最終的には、システムトラブルなどを理由に出金ができなくなり、配当は出なくなり、元本も返金されなくなりました。金融商品取引法違反の疑いで中心人物らが逮捕されることになりました。
高額配当をセミナーで謳う時点で、ポンジスキームの匂いがしますよね。
なお、ジュビリーエース事件と似たようなアービトラージの事案で、プランスゴールド(PGA)という投資商品もあり、こちらに関しても集団訴訟がなされているようです。こちらも紹介者に報酬を支払ったりしていたようで、通常の人であれば怪しいと感じて手を出さないでしょう。
SNSでビットコイン(BTC)をだまし取られた事件
滋賀県の男性が、SNSで知り合った相手からビットコイン(BTC)を騙し取られたという事件も発生しています。
指定されたアドレスにビットコインを送ると2倍などに増えて返金されると思ってしまい、500万円という大金を失ってしまっています。
そのままビットコインは返ってこないわけですが、SNSやマッチングアプリで知り合った人や、その人物から紹介された他の個人や会社に送金するようなことは絶対に避けましょう。
普通の感覚ではビットコインのような資産をネット上で知り合った人の話に乗って送金したりしないと思うのですが、相手も巧妙な手口で勧誘してくるので、思った以上に騙される人は多いのかもしれません。
他人のアートを無断で販売するNFT関連詐欺
セルビア人アーティストのミロス・ラジコビッチ氏の作品が勝手にNFTアートとして売り出される事件がありました。勝手にマーケットプレイスに出されていた作品数はなんと122点もあったようです。
本人が知らないところで著作権も無視してNFT化されて販売されるわけですから、同氏も驚いたことでしょう。
勝手に販売されたアーティストも被害者ですが、購入した善意の第三者も被害者になってしまうような事件です。
お金を振り込ませるという上の3件の詐欺とは異なり、勝手にNFT化して売るというタイプの違う詐欺ですが、これも許せない事件ですね。
なお、著作権とデジタルアート・NFTの関係に興味がある人は下記のページもご覧ください。
暗号資産取引所そっくりの偽サイトのフィッシング詐欺にも注意
フィッシング詐欺とは、本物の公式サイトそっくりの偽サイトを利用して、そこで手続きをさせてお金を振り込ませたり、そこでパスワードを入力させて情報を抜き取って公式サイトに詐欺師が潜入して盗みを働くような詐欺スキームです。
パスワード以外の住所や氏名など、個人情報を抜かれるわけですから、大変恐ろしいことだとおわかりになるかと思います。
インターネット検索サイトで広告をして一番上に出したりするので、よくURLを確認しないと偽サイトに気が付かないこともあるので注意が必要です。仮想通貨を販売する暗号資産取引所の偽物が出てきたこともあるので
フィッシング詐欺を見抜くには、最低限、下記のことには気を付けましょう。
- URLに錠(鍵)のマークがあるかどうか。
- URLでo(オー)を0(ゼロ)にしたり数字の1をl(エル)にしたりして騙そうとしてないかを確認する。
- 何度か検索して、広告以外の公式サイトを見つけ、URLが同じか確認する
日本国内の暗号資産(仮想通貨)取引所の公式の口座開設のページは以下である
日本国内の正規の暗号資産(仮想通貨)取引所については、以下のページから口座を開設をできます。フィッシング詐欺にあわないように、公式サイトから取引所口座は作成しましょう。
仮想通貨やNFT取引するならまず最初に口座開設したい有名取引所 | コインチェック |
レバレッジ取引にも多く対応している使い勝手の良い取引所 | DMMビットコイン |
入出金が無料で、仮想通貨の種類も多めの取引所 | GMOコイン |
時価総額が低いマイナーな草コインも安く購入できるので取引所 | ビットバンク |
取引ツールが充実している取引所 | ビットポイント |
世界で有名なHuobiが運営する日本法人の取引所 | フォビジャパン |
仮想通貨(暗号資産)関連の詐欺のまとめ
こちらのページでは、仮想通貨(暗号資産)やNFTを利用した悪質な詐欺について説明しました。被害件数も増えているので、十分に警戒しましょう。仮想通貨投資では、まず最優先にされるべきは安全性ですので。
セミナーやマッチングアプリで偽物の仮想通貨投資をさせる方法、婚活(結婚)詐欺で仮想通貨投資をさせる方法、ポンジスキーム、NFTを勝手に販売する詐欺、偽サイトを使ったフィッシング詐欺などについて解説したので、ご覧になった皆様はしっかりと詐欺師のことを見破って、決して被害者とならないようにご注意くださればと思います。
又、NFTやメタバースといった比較的新しい流行を偽の投資商品の触れ込みに利用して勧誘する詐欺や、今後登場する新しい概念を利用した詐欺なども出てくると思います。しかし、基本的なことは、正規の取引所のページで口座開設をして、そこで自ら仮想通貨投資は行うと決めておけば被害にあうことを防止できるでしょう(そこから詐欺師の口座に仮想通貨を送金しないように注意は必要です)。
万一被害にあって、返金をしてもらえない場合には、泣き寝入りせず、あきらめずに、まずは紹介した金融サービス利用者相談室等や警察の相談窓口といった相談先に一度電話をかけてみてください。