仮想通貨(暗号資産)の脱税の事例!必ず税金は納めましょう。

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仮想通貨(暗号資産)の税金の申告をしないで、脱税してしまう人が稀にいます。

単純な計算ミスなどは申告漏れという扱いで済むかもしれませんが、他の所得の税金を納めているのに、仮想通貨の税金だけ納めないような確定申告をしていると、所得を除外したとみなされ、脱税として取り扱われる危険性が高いのです。

この記事では、仮想通貨の脱税の事例、脱税で逮捕起訴をされるリスク、無申告の危険性などについて、税理士が解説します。

目次

仮想通貨(暗号資産)の脱税の事例

実際にあった仮想通貨(暗号資産)の脱税の事例をここで紹介します。脱税をすると、税務署による税務調査や査察によって国税局や税務署にバレることがおわかりいただけるかと思います。

「税金をごまかしても税務署にはバレない」とは考えてはいけないですし、少額であってもきちんと確定申告と納税を行いましょう。

※仮想通貨の利益が「いくらから税務調査が入る」という基準はないのでご注意ください。100万円以下でも税務調査はしっかりと入ります。その金額では逮捕や起訴にはならないと思いますが、重加算税という重い罰金などを取られるでしょう。

ビットコイン(BTC)の利益の脱税で所得税法違反に問われた例

石川県において、ビットコイン(BTC)等で得た約2億円の確定申告を行わず、所得税法違反の罪により起訴された会社役員の男性についての事例は有名です。脱税額としては約7,700万円となっています。

金沢国税局が告発したこの事件では、金沢地方裁判所は、懲役1年、罰金1,800万円、執行猶予3年の有罪判決としましたが、執行猶予がついた点に関しては、最初から脱税であることを素直を認めて、修正申告と納税を済ませたためでしょう。ケースによっては、初犯であっても執行猶予はつかずに、実刑判決が下ります。

執行猶予がついたとはいえ、上記の罰金以外にも税務署に支払う利息等も生じるので、本来の納税額と合わせると、利益の多くはなくなってしまったのではないでしょうか。

又、社会的信用にも傷がつき、その後の社会生活でも損をすることになるので、大きな代償となったことでしょう。

親族や知人名義の口座で取引して脱税とされ、重加算税の対象とされる例も多発

2019年に東京国税局の電子商取引の調査部門が受け取ったデータに基づき、全国の国税事務所が税務調査したところ、個人と法人合わせて80件の仮想通貨関連の申告漏れを発見しました。

総額で100億円を超えていたようです。

これらのうち、なんと70億円以上は、家族、親族、知人などの他人名義で取引が行われていたようです。

このように他人名義で行っていたので、申告漏れではなく脱税として扱われ、重加算税逮捕脱税容疑の告発が行われる可能性が飛躍的に高まるといえるでしょう。

仮想通貨(暗号資産)の脱税指南でコンサルタントが逮捕された事例

仮想通貨(暗号資産)の脱税のアドバイスをしたとして、東京地検特捜部はアラブ首長国連邦のドバイのコンサルタント会社の役員2名を逮捕しています。既に別件でも逮捕されていたので再逮捕とはなっていますが。

タックスヘイブンを使った節税として顧客を集めたのですが、実際には節税ではなく脱税スキームを教えて、その報酬を得ていたのです。

この事件では、ADA(カルダノ/エイダ)の売却代行を容疑者らは行っていたようです。

仮想通貨売買をする本人ではなくても、脱税のアドバイスなども犯罪になるということが、この事例からわかります。

仮想通貨の少額の脱税で、表に出ないものも税務署に多く指摘されている

少額であっても脱税は脱税であり、重加算税や延滞税の支払が生じています。

大きな金額の脱税はニュースになりますが、そうでないものは、日々税務署が発見して、修正申告や期限後申告を求めたり、更正処分や決定処分を行っていることでしょう。

「自分の場合はいくら以下だから税務署は調査に来ないだろう」とは決して考えないようにしましょう。

必ず仮想通貨の確定申告は行うようにしてください。又、20万円以下の利益だと申告が一切不要だと考えている会社員の方がたまにいらっしゃるのですが、それは誤った解釈であり、20万円以下の場合は税務署への所得税の確定申告を省略できるものの、代わりに住民税の申告と納税が必要となるので注意しましょう。

仮想通貨(暗号資産)の脱税の取り締まりはもっと強化される

今後は、仮想通貨(暗号資産)の脱税や申告漏れを見つけるための税務調査はより多くなるでしょう。特に脱税の取り締まりに関しては、国税は大きな力を注いでいくと思います。

取り締まり、税務調査が強化される理由

仮想通貨(暗号資産)について国税や税務署が調査をした結果、多くの脱税や申告漏れが見つかっています。

したがって、今後は仮想通貨関連の脱税の取り締まりやますます強化されることは間違いないでしょう。脱税をしてしまって、何年もの長い間心配を続けるのは精神的にも良くないですし、大きな処罰を受ける可能性があるので、納税義務は履行しておきましょう。

又、脱税の意図はなくても、仮想通貨同士の交換でも利益確定として税金がかかることを知らない人がいて、申告漏れになっていることもあるので、こういったところも税務調査で確認していくことでしょう。

仮想通貨全般を重点調査対象にしていくのではないでしょうか。

脱税防止のために国家間での国際的な連携による脱税防止案もある

おそらく、日本国内だけではなく、特に海外取引所で行われている取引の調査については力を入れていくのではないでしょうか。取り締まりの対象となるのは直近の過去1年分だけではなく、遡って最大で7年分の調査が行われます。

脱税防止のために国家間での国際的な連携による脱税防止案も存在します。

2022年10月10日に、経済協力開発機構(OECD)は、国家間で自動的に仮想通貨に関する情報交換を行うための「CARF」という枠組みを用意しました。

「CARF」により、日本の居住者が海外の暗号資産取引所を使うと、その海外の国の税務当局から取引情報が日本の国税に送られてくることになります。

「CARF」により、より容易に脱税犯を見つけることができるようになるでしょう。この枠組みにより、2022年以前の過去の脱税についても国税が見つけ始めるのではないでしょうか。

.もしも「脱税してしまっている」という意識がある人は、すぐにでも修正申告又は期限後申告をして、自分の税金回りを奇麗な状態にしておきたいですね。

国税・税務署はマイニングやステーキングにも目を光らせている

税務署が目を光らせているのは、仮想通貨(暗号資産)の売買だけではありません。

ビットコインをはじめとするコインのマイニングステーキングエアドロップ、又、NFTゲーム(ブロックチェンゲーム)から得た収益に関しても税務調査を行います。日本の居住者である以上は、全ての確定した利益に関して、納税義務が生じるのです。

「税務調査が来ない限り税務署が自分のウォレットの中身まで見えないだろうし、そもそも税務調査なんてこないだろう」とは絶対に考えないようにしましょう。

下記のページに記載しているように、仮想通貨で稼ぐ方法は色々とありますが、利益を得たら確定申告と納税が必要だと考えて、日ごろから損益の計算を行って、確定申告に備えるようにしましょう。

無申告にしてはいけない

無申告とは、確定申告義務があるにも関わらずに申告をしないことです。無申告の状態となると、後から税務署から連絡が来て、期限後申告を迫られることがほとんどなのですが、悪質だと判断された場合には、脱税扱いとされる可能性があります。

課税制度を理解していなかったという言い訳は通じないことがある

無申告を税務署から指摘されると無申告加算税や延滞税がかかります。ただ、もしもこれが悪質であり脱税であると判断された場合には、無申告加算税ではなくて、重加算税の対象となります。

言い訳として「税金の知識が無くて、課税制度を理解していませんでした」と答える人もいるかもしれませんが、明らかに利益が出ているような場合には、申告義務があることを理解してなかったという言い訳は通じない可能性が高まります。

特に、他の所得(給与所得・事業所得・不動産所得・株式等に係る譲渡所得等)などの申告はしているのに、仮想通貨の所得については申告していなかったという場合には、意図的に除外して申告したと判断される可能性が高いでしょう(こちらは、無申告ではなく、申告しているけれど部分的に除外したことになります)。少なくとも確定申告に関しての知識はあるにも関わらず、仮想通貨の利益だけを申告していないわけですから。

「無申告でも税務署にバレない」とは考えてはいけない

確定申告をしていない無申告の状態にしても、税務署にバレないだろうという安易な考えを持たないようにしましょう。

仮想通貨(暗号資産)の売買、マイニング、ステーキングなどの取引は、全てオンライン上でやり取りができますし、海外のサービスを利用することができるので、「誰にも見られていないから国税にもわからないだろう」という心理に陥ってしまいがちです。

更に、仮想通貨は主に雑所得に区分されて税率も高くなりがちなことから、確定申告をしないという選択をしたくなってしまうかもしれません。

ただ、結論からすると、国税はそんなに甘い組織ではなく、無申告者を見つけるために日々、裏で調査を続けていると考えてください。

したがって、必ず毎年3月15日までに確定申告はするべきですし、もしも遅れてしまった場合であっても、今からでも申告するべきでしょう。

もしも悪質な脱税と判断されて、逮捕されたり起訴され、氏名までニュースに出てしまうようなことになると、その後の人生においても不利になってしまいます。

NFT売買で仮想通貨を稼いだ場合も申告しないと脱税になってしまう

仮想通貨でNFTを購入して、そのNFTを転売して稼いだり、そのNFTを使ってNFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)で稼いだりした場合であっても、確定申告は必要となります。

その他、クリエイターの方がNFTを制作して売却して得た利益も同じように申告が必要なので、無申告とはしないでください。

NFT売買等で仮想通貨を得た場合には、その時点でのその仮想通貨の時価によって収入を得たものとされるのですが、底から発生している利益を申告せずに税金を節約しようとすると、それはやはり脱税となってします。

脱税の時効は7年だから、3年後や5年後にいきなり税務署が来ることがよくある

仮想通貨の脱税をしたとしても、すぐに税務署や国税局の職員が調査に来る可能性は低いでしょう。

脱税の時効は7年ですので、3年後や5年後にいきなり税務調査官が自宅にやってくる可能性も大いにあるでしょう。

むしろ、明らかにすぐに脱税と分かる申告書を出さない限りは、脱税してから数ヶ月で来る可能性は低いのではないでしょうか。税務署が情報収集をして、脱税している人を見つけ出し、そこから裏で情報取得してある程度調べた上で、時効を迎える前の間に調査が行われる可能性が高いでしょう。

「脱税してから数年間税務署から何の連絡もないから大丈夫」ということは一切ありません。

仮想通貨(暗号資産)の脱税に関するまとめ

仮想通貨(暗号資産)と脱税の事例や、マイニングやステーキングの申告も必要なこと、海外取引所を利用していても脱税がばれるような仕組みがあることなどを説明してきました。

この記事をご覧になった方であれば、罰則やリスクを考えた場合に、脱税が割に合わないことや、仮想通貨で利益が出ているのに税金を払わない方法などはないことをご理解いただけたと思います。

国税が仮想通貨の脱税犯の取り締まりや無申告者の発見に力を入れるということは、それだけ仮想通貨で儲けている人が多いということでもあります。きちんと納税する気持ちを持っているのであれば、仮想通貨取引をすることは有意義ですし、これからの時代についていく意味でも、多少は触れておいた方が良い領域であると言えるでしょう。

税金の申告の方法は少々の難しさはありますが、コインチェックなどではファイルで取引結果をダウンロードできますので、そちらを利用して損益計算を行うと、比較的簡単に確定申告をすることができるでしょう。

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